多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

アブラムシがお尻から出す蜜からできる甘露蜂蜜って何?

先日、小笠原諸島(東京都)で取れる黒っぽいハチミツを分析したところ、実は日本では珍しい「甘露ハチミツ」だということがわかりました。この甘露ハチミツ、一体どういうはちみつなのか?

3月24日『多田しげおの気分爽快‼︎』では、このハチミツを調査した元玉川大学教授で、養蜂学が専門の干場英弘さんに話を伺いました。

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小笠原諸島はどこにある?

東京から南に1,000キロ。太平洋に浮かぶ30あまりの島々からなるのが小笠原諸島です。
このうち民間人が住んでいるのは父島、母島の2島。
自衛隊などの公務員が常駐する島は父島、硫黄島、南鳥島です。

2013年に噴火が話題になり、流れ出る溶岩で島がじわじわと広がっている西ノ島も小笠原諸島です。

気候は亜熱帯で、独自に進化した生態系から「東洋のガラパゴス」とも呼ばれています。
 

返還50周年

第二次世界大戦で日本が敗戦国となり、アメリカ軍の統治下に置かれ、島民は内地へ強制移住させられました。
米軍の統治下というと沖縄県を連想しますが、その他にも東京都の伊豆諸島、鹿児島県のトカラ列島と奄美群島もアメリカ軍の統治下に置かれていました。

伊豆諸島とトカラ列島は1952年のサンフランシスコ講和条約発効前に本土復帰しますが、小笠原諸島、奄美群島、沖縄県はアメリカ軍統治下のままでした。奄美群島が本土復帰したのが1953年(昭和28年)12月25日、沖縄県の復帰が1972年(昭和47年)5月15日。

小笠原諸島の復帰は1968年(昭和43年)で去年、アメリカ軍(連合国)から日本に返還されて50周年を迎えました。島では様々なイベントが行われました。
島民のみに配布された50周年記念誌『原色 小笠原の魂 –The Spirit of Ogasawara Islands』は小笠原観光協会のホームページから閲覧可能です。
 

島ハチミツ

さて、そんな小笠原諸島の父島にある瀬堀養蜂園で作られているのが「島ハチミツ」です。
ここでは日本ミツバチよりも一回り大きい西洋ミツバチが使われています。

ちなみに、こちらの養蜂園は最初に小笠原に定住したアメリカ人の直系の子孫が経営しています。

各メディアでは「島には70種類以上の固有の花があり、パッションフルーツ、グァバ、オレンジなど南国ならではの花の蜜で出来ています。味は濃厚でありながら、爽やかでフルーティ」と紹介されていました。
 

実は甘露ハチミツだった

この「島ハチミツ」、見た目は一般的なハチミツより黒く、黒糖から作った黒蜜のような色です。

独特の色と味になる理由は不明で、「小笠原ならでは」で済まされていたのですが、干場さんは「どうも甘露ハチミツに似ている」と気づきました。
そこでミネラルの含有量などを調べたところ、国際規格の甘露ハチミツに合致しました。

甘露ハチミツとはなんでしょう?

「普通のハチミツはミツバチが花に行って花蜜を取ってきて、巣箱の中でハチミツにしていくわけですね。甘露ハチミツは花の蜜ではありません。

アブラムシとかカイガラムシは樹液を吸ってお尻から甘い蜜を出すんです。ミツバチはそれを横取りするというか、その蜜を取ってくるんですね。昆虫を介して出てきた蜜を取って来たのが甘露ハチミツになるんです」
 

ハチミツを買いに小笠原諸島へ

なぜアブラムシがお尻から蜜を出すのかというと、甘い蜜でアリを呼んで、アブラムシにとっての外敵から守ってもらうためなんだとか。

この甘露ハチミツ、どんな特徴があるのでしょうか。

「ブドウ糖、果糖が普通のハチミツと比べると少なくて、よりミネラルが多いということになりますね。風味とか味が、これはちょっと普通のハチミツと違うなという感覚があります。僕は美味しいと思います。僕は好きですね」

甘露ハチミツ、日本では過去に見つかった例がないそうで、海外では貴重なハチミツとして販売されているそうです。

今回、甘露ハチミツと判明した「島ハチミツ」は、小笠原の名産になるかと期待されそうですが、実は「島ハチミツ」は常に品薄状態。簡単に通販で購入するわけにはいかないようです。
興味のある方は、ぜひ小笠原諸島でまで足をお運びください。 
(尾関)
 
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2019年03月25日07時23分~抜粋

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