歯を磨いているけど、しょっちゅう虫歯になるという人がいます。
ちゃんと歯を磨いているのに、同じ歯が毎年虫歯になります。その歯が虫歯でなくなると、隣の歯が虫歯になる、という話もあります。なぜでしょうか?
3月19日の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、この疑問について、日本歯科大学生命歯学部の准教授、小川智久先生に伺いました。聞き手は多田しげおです。
どうして虫歯になるの?
――そもそもどうして虫歯になるのでしょうか。
「虫歯のいちばんの原因菌と言われているミュータンス菌というばい菌がいます。
甘いものを食べると虫歯になりやすいとよく聞くと思います。ミュータンス菌は甘いものが大好きです。
ミュータンス菌が甘いものを食べると、酸を出します。酸は硬いものを溶かします。
毎日歯を磨いているけれど、同じように磨いているので、同じところに磨き残しがあるわけです。
例えば、右利きの人は左は磨きやすいが、右は磨きにくい。そういう風にやりやすい、やりにくいがあるので、やりにくいところは常に虫歯の原因となるプラークが溜まります」
――酸が作られて歯を溶かす、それがずっと歯についているとどんどん歯を溶かす、これが虫歯ですね?
「24時間ついていることで、じんわり硬い歯を溶かしています」
――くせは変わらないので、毎年同じところが磨き残しになるのですね。
「歯医者さんに行って、自分の苦手なところをチェックしてもらって、それにあった磨き方を教えてもらうことがいいです」
菌はどこから?
ミュータンス菌はいわゆる虫歯菌の、最も代表的なものです。
虫歯菌はたまにいない人もいますが、たいていの人の口の中にいます。
虫歯を治しても、虫歯菌はなかなかゼロにはならないそうです。
――産まれてきた赤ちゃんの段階で虫歯菌はいるんですか?
「ミュータンス菌が口の中に定着するのは歯が生えてからです」
――どこから来ますか。
「一番考えられるのは周りの人からの感染です。
だいたい一歳半から二歳後半は、細菌が口の中に定着しやすい時期と言われています。その頃、口の中の細菌の種類が定着します」
――具体的にはどういった行為から口に入りますか。
「いろいろ考えられますが、例えば、人が食べたものをまた口に入れるとか」
――昔のお母さんは自分の口で柔らかくしてから与えていましたが、最近は口移しはだめらしいからと言って、しなくなりましたね。
予防はちゃんと磨くこと
大人になるまで虫歯菌がいない。ところが大人になって、恋をしてキスをした。これでもうつる可能性があるそうです。
――となると、あとはちゃんと磨くということですね。
「菌はほとんどの人が持っているわけですから、虫歯にならない人は、ちゃんと磨いている人とか。
当然ひんぱんに口の中に食べ物をいれるのも、ばい菌に常に栄養を補給しているわけですから、食べたら常に磨くという習慣をつけることが大切です」
一日一回は丁寧に
――朝起きて夜寝る前に磨くだけでいいのか、それとも、食事の後必ず磨いた方がいいのでしょうか。
「いろいろ言われていますが、食べたら磨くのが基本です。ただ毎回毎回、一生懸命フロスとか使って磨くわけにいかないですから、一日一回はしっかり磨くといいです」
――ミュータンス菌が酸を作る、それが歯にくっついていると歯を溶かす。24時間に一度それを落とせば基本的にはよしということですね。
3分きちんと磨く
――きちんと磨くと時間の目安はどのくらいですか。
「一般的に3分と言われています。
しかし、磨くのが上手い下手があります。最初、5分かかっていたのが、だんだん上手くなって3分になる人もいるので、一概に言えませんが、平均的には3分くらいです。
3分は結構長いです」
――酸が口の中で作られるのは仕方ない、それを一日に一回はきちんと落としましょうということですね。
一度、歯医者さんに行ってチェックをして、歯磨き指導をしてもらうのがよさそうですね。(みず)
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2019年03月19日07時22分~抜粋