宇宙開発に危機?どうなる「宇宙ゴミ」の処理

多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N / トーク

地球の衛星軌道上には、各国による宇宙開発の結果、数多くの人工物、つまり「宇宙ゴミ」が漂っています。

この宇宙ゴミ、人工衛星や国際宇宙ステーションの運用にも支障が出てくるといいます。どう処理していくのでしょうか?

3月18日の『多田しげおの気分爽快‼︎』では、この宇宙ゴミについて名古屋市科学館天文係の毛利勝廣さんに聞きました。

宇宙ゴミとは?

「凄く大きなものと小さなものがありまして、人類が上げた人工衛星も通信とかの運用が終われば、何らかで落ちてこない限りはずっと地球の周りを回っているわけですね。ですから、これも広い意味では宇宙ゴミになるわけです」

宇宙ゴミにもいわゆる粗大ゴミと可燃ゴミがあるそうです。
粗大ゴミ系は人工衛星、宇宙船、映画『アポロ13』で見られるような打ち上げロケットの段階的に切り離す中間部分などです。

打ち上げロケットの下段部分はそのまま海に落ちますが、中間部分は大気圏外で切り離すため、そのまま地球の周りを回り続ける場合があるそうです。こういうものが4,000個以上あるんだとか。
 

小さくても危険

「もう一つは、もっと細かいレベルのものがあるんですね。例えば切り離しをした時に飛んだ、その部分のカバーだとか、壊れて散った部品だとか、それからかつては人工衛星同士の衝突事故ってのもあったんですね。そうするとものすごくたくさんの小さな破片が出ます」

秒速8km 、時速28000キロで地球の周りを回っているため、小さくてももの凄く危険。
現在、10センチ以上のゴミは地上のレーダーで、どの位置を回っているかを把握しているそうです。
粗大ゴミと小さいゴミの数はトータルで2万個弱あるとのこと。
 

人工衛星の墓場

「上空100キロまでが空気と言うんですが、宇宙ステーションが回っている400キロぐらいにも薄く空気はありまして、それでブレーキがかかると、やがては落ちるんですね。ですから低い軌道の物は落ちてきます」

小さいゴミは大気圏に入って燃え尽きるそうです。
人工衛星が落ちてくると話題になったこともありましたが、人工衛星のような大きなゴミはどうするのでしょうか?

「もっと遠い軌道。例えば静止軌道衛星と言いまして、通信衛星とか気象衛星ひまわりとか、上空36,000キロという非常に遠いところに行ってるんです。これはもう落とすよりも遠くに放り投げてしまうことにしています」

運用が終わった人工衛星は「墓場軌道」と言われる遠くまで飛ばすことが、国際宇宙機関間デブリ調整会議で決められています。
 

中国が劇的に増やす

「今まで、実は運用中だった衛星に、機能停止したものがぶつかった事故がありました。これでまた500個以上バーッと増えたんですけど、その後調べると、さらに増えていました」

2007年、中国が人工衛星の破壊実験をしました。
宇宙ゴミの数をグラフを見ると、これで飛躍的に増えたことがわかるそうです。
 

ISSの危険性

国際宇宙ステーション(ISS)が運用されていますが、宇宙ゴミがぶつかる危険はないんでしょうか?

「小さな欠片は致し方なくぶつかってる部分はあると思います。また、今、把握できてる小さいもので10センチと言っても、もの凄い破壊力になります」

では、どうするかというと、宇宙ステーション自体の軌道を下げたり、上げたりして避けているんだそうです。

また万一に備え、宇宙ステーションは回る向きが決まっているんだとか。
日本の実験室とアメリカの実験室が先頭にあり、日本の実験室にはバンパーが付いているそうです。

「一番後ろの方に、地球に帰るための宇宙船が発着するところがあります。いざとなったら、そこに行くんです。宇宙ステーションの回る向きは、宇宙飛行士の生命を守るための向きだったりするんですね」
 

人間は繰り返す

「宇宙空間は広大なので、しょっちゅうぶつかるということではないんですが、いざぶつかった時には大変なことになります。
まずは大きめのものを、うまく別の人工衛星とくっつけて抵抗を大きくして落とそうとか、いろんな技術が考えられています」

大きいゴミについては処理する技術が実用化されていくそうですが、大量にある小さいゴミをどうするか、がこれからの課題だそうです。

「人間って繰り返しちゃうんですね。あちこちにゴミを捨てたものを、まとめて処理しようと歴史的に学んできたはずなんですが宇宙でもう1回やっちゃったんですね」
(尾関) 
 
この記事をradikoで聴く

2019年03月18日07時25分~抜粋

この記事をシェアする

あなたにオススメ

アーカイブ

同じカテゴリー

×