ニホンタンポポは生き残れるのか?

多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N / ライフ・ヘルスケア

すっかり春めいてきましたが、この季節を代表する花のひとつがタンポポ。
このタンポポの研究を通して、環境の変化など様々なことがわかるそうです。

3月16日の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、タンポポの研究を専門としている、愛知教育大学植物分類学の教授、渡邊幹男先生にお話を伺いました。聞き手は多田しげおです。

見分ける方法は簡単!

在来種のタンポポはニホンタンポポといい、外来種はセイヨウタンポポといいます。
ニホンタンポポは3月からゴールデンウイーク前まで咲きます。

セイヨウタンポポは明治以降、食用あるいは観賞用として日本に入ってきました。

セイヨウタンポポとニホンタンポポを見分ける方法があります。
萼(がく)にあたる総苞片が上を向いているのがニホンタンポポ、反り返っているのがセイヨウタンポポです。

ヨーロッパにはナメクジが多く、タンポポの花を食べます。セイヨウタンポポの萼が反っているのは、ナメクジを登らせないようにするためだそうです。
一方、日本にはそんなにナメクジがいないため、萼が反らなくても問題はなかったのです。
 

ニホンタンポポは生き残れる?

現在セイヨウタンポポは非常に多く、名古屋市の近郊はほぼセイヨウタンポポなのだそうです。

しかしこのセイヨウタンポポ、実は外来種ではありません。
我々がセイヨウタンポポと呼んでいるものは、ニホンタンポポと交雑したものです。

ニホンタンポポは開発によってよほど環境が変わらなければ、セイヨウタンポポに駆逐されることはありません。つまり両者の住み分けがなされているということです。

実はヨーロッパ原産のタンポポは夏の間に休眠ができません。そのため他の植物が大きくなると枯れてしまいます。

遺伝子を調べると交雑したものの寿命は1~2年で、あまり長生きできません。
一方、ニホンタンポポの寿命は10年から20年で、ちゃんと生き残れる状態になっています。
 

タンポポの分布で分かること

渡邊先生はタンポポの分布の調査をされています。
ひとつの範囲にニホンタンポポと雑種が両方あるか、片方だけかを、愛知県で調べました。

名古屋市内でニホンタンポポが分布している場所は名城公園と熱田神宮くらい。それ以外はほとんどセイヨウタンポポだけです。
一方、名古屋の東の方に行くと緑地帯が残っていて、ニホンタンポポがたくさん残っています。

タンポポの分布を見れば、自然が残っている環境か、都市化した環境かがわかるのです。

住宅地を作る時も更地にせず、緑地を残して住宅地を作っていくと、ちゃんとニホンタンポポが残ります。

ニホンタンポポがないということは、他の生物も死滅しているということだそうです。
 

タンポポのまとめ

渡邊先生は最後にこのようにまとめました。

「ニホンタンポポがちゃんと残っていることは、昔の自然環境がちゃんと残っていることの標になります。
ニホンタンポポがないということは人間がむやみに開発しすぎたので、ちょっと待ってという状況です。他の生物と共存していくためには、ニホンタンポポが残る環境を維持しないといけないということです」

あくまで人間の開発の仕方によってどちらかのタンポポの育つ環境が決まる、ということですね。
散歩の時など、足元のタンポポがニホンタンポポかセイヨウタンポポか、一度確認してみましょう。
(みず)
 
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2019年03月15日08時09分~抜粋

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