魚のコウナゴは春の風物詩とも言われ、心待ちにしている方も多いのでは。
ところが近年、このコウナゴが獲れなくなっているというのです。
3月14日『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』ではこの問題を取り上げました。
というのも、伊勢湾と三河湾のコウナゴ(イカナゴ)は4年連続の禁漁が決まったからです。
三重大学大学院の生物資源学研究科水産実験所教授、木村清志先生に電話で伺いました。
どうしてコウナゴが獲れなくなってしまったのか?
コウナゴ漁ができない!
愛知県南知多町の漁師・Aさん(52歳)から番組宛てにメッセージが寄せられました。
「伊勢湾に春を告げるコウナゴ漁、個体減少のため、去年に引き続き今年も中止が決まってしまいました。これで4年連続ですが、ひょっとしてこのまま絶滅してしまわないか心配しております」
これは消費者にとっては寂しく、漁師さんにとっては生活に関わる重大なことです。
「○○の魚が今年はまったく獲れなくなりました」というニュースを聞きますが、どうして魚は突然獲れなくなることがあるのでしょうか?
「伊勢湾に春を告げるコウナゴ漁、個体減少のため、去年に引き続き今年も中止が決まってしまいました。これで4年連続ですが、ひょっとしてこのまま絶滅してしまわないか心配しております」
これは消費者にとっては寂しく、漁師さんにとっては生活に関わる重大なことです。
「○○の魚が今年はまったく獲れなくなりました」というニュースを聞きますが、どうして魚は突然獲れなくなることがあるのでしょうか?
コウナゴの生態
多田「まず、コウナゴはどういう生態の魚ですか」
木村先生「寿命は短く、1年で成熟してこどもを産んで、だいたい2年から3年で死んでしまうと言われています。
ほとんど回遊性がなく、群れが各地に定着しています。
伊勢湾、三河湾に住んでいるコウナゴはほとんど他と交えることがなく、それだけで生活しています」
木村先生「寿命は短く、1年で成熟してこどもを産んで、だいたい2年から3年で死んでしまうと言われています。
ほとんど回遊性がなく、群れが各地に定着しています。
伊勢湾、三河湾に住んでいるコウナゴはほとんど他と交えることがなく、それだけで生活しています」
原因は水温の上昇
多田「急にいなくなった原因は何ですか?」
木村先生「この魚は夏場の水温が上がると、砂の中に潜ります。その砂が、昔は伊勢湾の中にかなりあったと思いますが、もう湾口にしかないのです。
湾口、あるいは湾の外の砂地に潜っていたのですが、ここの水温が高くなりました。
コウナゴという魚自体は冷たい海の魚です。夏場は暮らしにくいので冷たい砂の中に潜ってじっとする、いわゆる夏眠です。そこの水温が上がり、潜っている間に死んでしまう。次にこどもを産めなくなっているということが、ひとつ大きな原因です」
木村先生「この魚は夏場の水温が上がると、砂の中に潜ります。その砂が、昔は伊勢湾の中にかなりあったと思いますが、もう湾口にしかないのです。
湾口、あるいは湾の外の砂地に潜っていたのですが、ここの水温が高くなりました。
コウナゴという魚自体は冷たい海の魚です。夏場は暮らしにくいので冷たい砂の中に潜ってじっとする、いわゆる夏眠です。そこの水温が上がり、潜っている間に死んでしまう。次にこどもを産めなくなっているということが、ひとつ大きな原因です」
これから先は…?
多田「そこの水温が上がったままというのは、地球温暖化ということですか?」
木村先生「温度が上がるということはいわゆる気候変動、地球温暖化の影響だと思っています」
多田「コウナゴがこれから先、突然これが増えるということは…」
木村先生「こういう状態が続けば、難しいのではと思っています」
木村先生「温度が上がるということはいわゆる気候変動、地球温暖化の影響だと思っています」
多田「コウナゴがこれから先、突然これが増えるということは…」
木村先生「こういう状態が続けば、難しいのではと思っています」
ニシンは乱獲が大きな原因
多田「有名なところでは北海道のニシンも獲れなくなりました。あの原因は何ですか?」
木村先生「いくつかありますが、ひとつの大きな原因は乱獲です。特にこどもを持っているお母さんニシンを獲った。そういうことをすると資源は減ってきます」
多田「乱獲の場合は、しばらく禁漁にするとか、資源を保護すれば、やがて復活するかも…」
木村先生「それはありますね」
木村先生「いくつかありますが、ひとつの大きな原因は乱獲です。特にこどもを持っているお母さんニシンを獲った。そういうことをすると資源は減ってきます」
多田「乱獲の場合は、しばらく禁漁にするとか、資源を保護すれば、やがて復活するかも…」
木村先生「それはありますね」
スルメイカが獲れない
多田「去年は日本の周りでいっぱい獲れていたイカが、急にほとんど獲れなくなりましたね」
木村先生「これもいろいろ原因が言われています。資源量が減ったのはスルメイカが主体ですが。イカも丸一年で大きくなります。そういう生き物はこどもの時期の生き残りが何かの原因で減ると、もう獲れなくなります。
大きな資源の供給は東シナ海のあたりです。そこで生まれたこどもが日本海を北上していく」
多田「東シナ海で何か起きて、こどもがたくさん死んでしまった?」
木村先生「冷たい水が入ってきてエサ環境が悪くなったという話もありますし、スルメイカ自体は暖かい水より冷たい水の生き物です。逆に太平洋岸では水温が上がった。これも温暖化かもしれませんが、そういうことで減ったと言われています」
木村先生「これもいろいろ原因が言われています。資源量が減ったのはスルメイカが主体ですが。イカも丸一年で大きくなります。そういう生き物はこどもの時期の生き残りが何かの原因で減ると、もう獲れなくなります。
大きな資源の供給は東シナ海のあたりです。そこで生まれたこどもが日本海を北上していく」
多田「東シナ海で何か起きて、こどもがたくさん死んでしまった?」
木村先生「冷たい水が入ってきてエサ環境が悪くなったという話もありますし、スルメイカ自体は暖かい水より冷たい水の生き物です。逆に太平洋岸では水温が上がった。これも温暖化かもしれませんが、そういうことで減ったと言われています」
魚で温暖化を実感
多田「温暖化の影響だとすれば、どうしようもないんですか?」
木村先生「再生可能エネルギーを増やすとか、二酸化炭素の排出を減らすとかで変動の進みを少しは遅くできるかもしれません。
魚を見ていると温暖化を実感します。
三重県の海でも、若い時にはいなかった熱帯性の魚がボンボン釣れますからね」
木村先生「再生可能エネルギーを増やすとか、二酸化炭素の排出を減らすとかで変動の進みを少しは遅くできるかもしれません。
魚を見ていると温暖化を実感します。
三重県の海でも、若い時にはいなかった熱帯性の魚がボンボン釣れますからね」
コウナゴファンの嘆き
このコーナーへのリアクションが届きました。
「私は個人経営のスーパーの鮮魚部で働いています。ここ数年、地元のコウナゴを見ていません。売り場にもまったく置いていません。しかしこの時期になると、お客さんから聞かれます」(Aさん)
「すごくショックです。今年も食べられないんだ、コウナゴ。実は、私の骨はコウナゴで作り上げられています。小っちゃな頃からおやつ代わりに食べていました。コウナゴが食べられないつらさ」(Bさん)
多田は最後に「伊勢湾と三河湾の環境が変わってしまった。背景には地球温暖化があるのだろう。水温が上がってしまって、コウナゴが生きられない環境になってしまった。ということは、これから先もコウナゴ漁は無理かも…」とまとめました。
(みず)
「私は個人経営のスーパーの鮮魚部で働いています。ここ数年、地元のコウナゴを見ていません。売り場にもまったく置いていません。しかしこの時期になると、お客さんから聞かれます」(Aさん)
「すごくショックです。今年も食べられないんだ、コウナゴ。実は、私の骨はコウナゴで作り上げられています。小っちゃな頃からおやつ代わりに食べていました。コウナゴが食べられないつらさ」(Bさん)
多田は最後に「伊勢湾と三河湾の環境が変わってしまった。背景には地球温暖化があるのだろう。水温が上がってしまって、コウナゴが生きられない環境になってしまった。ということは、これから先もコウナゴ漁は無理かも…」とまとめました。
(みず)
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