多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

文大統領の発言で、これからの日韓関係はどうなる?

アメリカと北朝鮮の首脳会談が27日に行われましたが、韓国の文在寅大統領は慰安婦問題、徴用工問題、自衛隊機のレーダー照射問題、日本との様々な問題があるところに、「親日を清算」と発言しました。
今後の、日韓関係はどうなっていくのでしょうか。

2月28日の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、戦後最も冷え込んでいると言われる日本と韓国の関係を取り上げました。
CBC論説室の石塚元章特別解説委員が解説します。

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文大統領発言の真意を探る

韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が、26日の閣議で「親日を清算し独立運動にしっかり礼を尽くすことが、民族の精気を正しく立て直し正義のある国に進む始まりだ」という演説をしました。

韓国において「三・一独立運動」、日本の統治から独立しようという運動が始まったのが1919年。今年の3月1日は100周年の記念日です。

それを意識してか、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が、隣国と、これから仲悪くしようという演説をしました。その真意は何でしょうか。
 

文大統領のすすめる正義ある国

多田「文在寅さん、これはどういうつもりの発言でしょうか」

石塚「文大統領の考え方の根底は、独立運動に礼をつくして、正義ある国にすること。
文大統領はもともと人権派の弁護士です。それが自分の使命と思っています。
そのために、国際的にはそこはちょっと譲った方が、という部分が見えていないです。

自分の前の保守系の大統領がやってないことをやるのが、私の正義だという信念だと思います」
 

方向性の違い

多田「この人、日本に対してどう考えている人ですか?」

石塚「日本に対して反日感情を持っているというより、韓国としてどうあるべきかを突き詰めていくと、事実上、日本がやりたいと思っていることと違う方向を向いてしまう。

文大統領は、北朝鮮と融和したいと思っています。これは日本と必ずしもイコールではない。日本の今の政権やかなりの人は、本当にそれがいいのか疑問に思っている。

今の政府でいうと、北朝鮮は拉致問題を抱えています。ミサイルの問題があります。
本当に南北が融和したら、相対的に日本の地位はアジアで下がるかもしれないと危惧する人がいる。

すると、向かうべき方向が明らかに違ってくる。そのための発言が、場合によっては反日のように見えるかもしれません」
 

日本よりアメリカ?

石塚「信念に加えて政治的判断もあります。経済状況が決してよくなく支持率が下がってきているので、支持率を上げたいという思惑もあると思います。

それと、トランプ大統領がひょっとしたら北朝鮮とうまくいくかもしれない。自分がやろうとしてきた、南北融和にトランプ大統領がのってきてくれている。政治的にいうと日本のことは別に気にしている必要がない。
日本と仲良くしないといけない時代が韓国はありました。そのイメージがどんどんなくなってきています」

多田「意識としてはアメリカとさえうまくやっていけばいい。さらに経済的な問題は中国との貿易がどんどん強くなって、相対的に日本の地位は下がっている」

石塚「そういう考えがあると思います。
だけど長い目でみたら本当にそうでしょうか。お隣の国同士ですよ。これはお互いに言えることです。

日本からも韓国何言っているんだ、じゃなくて、アジアの中で二つの国の位置はどういうものか。
お互いにあることですが、そこが文政権は向こうを向いている」
 

国民ベースでは交流が

多田「国のトップとしては、上手に隣国とやっていかないといけないでしょう」

石塚「もっと大人になればと思います。
構造が変わってきているのも間違いないです。南北はひょっとしたら仲良くなれるかもとなってきたから、向きを変えたいのもわかります。しかし、日本はそこにあるわけだから。

国民ベースの交流はたくさんありますからね。
お互いに嫌いと言い合っている人も一部にいますが、決してそうでない人もいっぱいいます。

多田「相変わらず大挙して観光客がやってきます。皆さん、個人的には日本に親しみを感じていますとよく言いますが、国としては、国家のトップがこれでは…ですよ」
 

ベースが変わった日韓関係

多田「これから日本から見て韓国との関係をどう取り持っていけばいいですか」

石塚「基本的には、向こうがこう言ったからと、カッとなるのはお互いやめた方がいい。

朝鮮半島の情勢は、戦後、東西冷戦があって、北朝鮮と韓国が対峙して、その向こうにソ連、中国があったのをベースにして作った役割分担だったですが、それがガラッと変わり始めた。
それを踏まえて動き始めないと。情勢が変わってきましたから、韓国も違った考え方の人が出てくるかもしれません」

多田は最後、「日本の政治家としたら、その辺りをちゃんと認識して、38度線で真っ二つに分かれていたという時代ではない、日本と韓国はどうしていくのかという意識をもって話していかないといけない」と、まとめました。
(みず)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2019年02月28日07時18分~抜粋

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