妻を相手に答辞を練習する高校生は68歳!

多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N / ニュース

愛知県江南市にある古知野高校の定時制4年生、岩田幹男さんは現在68歳。
先日、スピーチの全国大会「第66回 全国高等学校定時制通信制生徒生活体験発表大会」で最高賞の文部科学大臣賞を受賞しました。

2月11日『多田しげおの気分爽快!!』では岩田さんについて紹介しました。

ざっくりとこんな人

岩田さんは小学生の時に父を病気で亡くし、その後は母さんと二人暮らし。
経済的な理由から中学卒業後は進学は諦めて就職しました。当時、一クラス50人中、就職したのは1割ほどだったそうです。

自動車部品の製造会社に50年間勤務し、4年前に定年となったのを機に、古知野高校定時制へ入学。今春卒業を迎えます。
 

持ち続けた高校への思い

「あと三日で69歳になります。現役の高校生の岩田幹男です。よろしくお願いします」と高校生らしく元気な岩田さん。

元気の秘訣は?「毎日、頭を使って呆けないように努力して、体操して頑張っております」と円熟の答え。

50年間の勤務中も、気持ちのどこかに高校に行きたいという思いがずっとあったんでしょうか?

「もちろんそうです。なぜかというと、やっぱり景気の波がありますので、転職したい時に他の会社に応募しようと思うと、学歴で高卒以上という条件がついて、ちょっと惨めな思いをしていたからです」
 

年齢差はあれど同じ悩み

定年後の受験でしたが、受験勉強もしたわけですよね?

「多少しましたね。やっぱり忘れてるので、ちょっと苦労しましたけども」

合格発表の時のお気持ちは?

「何と言いますか、高校に行けるというだけで嬉しくなって、その喜びは今でも忘れられませんね」

入学時の苦労を語る岩田さん。

「最初は年齢差がありすぎて、なかなか話せませんでした。今の若い子ってスマホでゲームの話をすればたぶん盛り上がりますが、ちょっと年代が違いますのでついて行けませんでした」

それでも3年生の時に行った修学旅行後から徐々に打ち解けて、定時制に来た理由などプライベートな話も気楽に話せるようになったそうです。

「話すと、みんなそれぞれ悩みを持ってましたもんで、同じような悩みを持ってるんだなぁと思って共感しました」
 

読めるけど書けない

50年ぶりに教室で勉強した岩田さんの感想は…

「一言でいうと苦労しました」

中学を卒業してから字を書く機会が少なく、読むことはできても思うように文字を書くことができなかったそうです。

「今まで住所と名前を書ければ世の中渡って来れましたが、学校に入ったらそんなわけにはいかず、黒板に書かれた文章を時間内にノートに書ききれませんでした。しょうがないから自宅でパソコンに向かって、漢字の書き順から始めました」

字が書けなくなっているのは岩田さんだけではないかもしれません。
学校を出てから手で文字を書く作業は住所と名前ぐらいです。文字をキーボードで打てども手書きの機会はどれくらいあるでしょうか。
 

話すことが楽しくなった

前述したようにこの春で4年間の高校生活から卒業する岩田さん。

「結論から言いますと、これからの人生、自信を持って生きていけますね。
なぜならね、初対面の人と話をする時、高校時代の話が意外と盛り上がるんですよ。
今まででしたら、下を向いて話を聞いて、いつも惨めな思いをしてましたけども、高卒の資格を得ることで他人と話をするのが楽しくなりました」
 

文部科学大臣賞

話すことに自信がついた岩田さんは、去年11月に行われた「第66回 全国高等学校定時制通信制生徒生活体験発表大会」で学校生活を発表し、文部科学大臣賞を受賞しました。

前半は苦労話。高校に行けなかった理由から、入学してからのクラスメイトの話、勉強に悪戦苦闘した時の話など。
後半は楽しかった話をして、最後にこれからの目標。全体で7分間のスピーチにまとめて発表したんだそうです。

 

答辞の練習中

岩田さんの今後の目標は?

「身体が動く間は農業の勉強を続けたいと思っています。高卒の資格を得たことで、農業の専門学校を受験しましたけども、私の能力のなさから失敗しました。
1年程の農業の研修制度がありますので、そこに合格できるように、いま準備を進めています」

次の目標を定めた岩田さんですが、その前に、定時制高校の卒業式があります。

「卒業式の時に、答辞を読んでくれということで、練習をしないかんなと思って、いま頭使ってます」

練習って奥さんに聞いてもらうんですか?

「もちろんそうです。ちょっと恥ずかしいけどね」と笑う岩田幹男さんでした。 
(尾関)
 
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2019年02月11日08時17分~抜粋

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