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おでんからちくわやはんぺんが消える?原料のアオザメがピンチ

2019年01月30日(水)

ニュース

1月28日『多田しげおの気分爽快‼︎』では、ネズミザメ目ネズミザメ科に属するアオザメを取り上げました。

日本では練りものやフカヒレの原料として知られる青ざめですが、最近個体数が減少しているそうで規制の動きもあるんだとか。

詳しいお話を三重大学大学院の生物資源学研究科 水産実験所所長の木村清志先生に聞きました。

どんなサメ?

アオザメの見た目について、「典型的な、マンガで出てくるようなサメのスタイルです」と木村先生。
成長するとメスの方が大きくなり、全長4メートルぐらいになるそうで、人も襲うという話もあるんだとか。

このサメは人以外には、普段はどんなものを餌にしてるんでしょうか?

木村先生「泳ぐ速度が速くて、マグロ類とかカツオなどを主な餌にしています」

全世界の温帯から熱帯地域に生息しているということです。
 

練りものの危機

木村先生「サメの中では肉質が良いので、魚体全体としては練り製品。かまぼことかはんぺんとかによく使われます。あとは外国ではもちろんフカヒレですね」

問題なのはアオザメの個体数が減少していること。『絶滅の恐れあり』というレベルまで減っているそうです。

さらに木村先生から深刻な言葉が出ました。

「サメの全てではないですが、多くの種類の個体数が減っている。近い将来、かなり危険な状態になると予想しております」

アオザメの減少を受けて、EUなどがワシントン条約で国際取引を規制するように求める提案を、条約事務局に提案したそうです。
5月~6月にスリランカで開かれる締約国会議で投票国の3分の2以上の賛成で認められるそうです。
 

原因は当然、乱獲

木村先生「主な原因はやっぱり獲り過ぎ。乱獲じゃないかと思います。
サメは極悪非道な生き物のようによく言われますので、食料にするわけじゃなくて駆除の目的で単に殺していくところもあります。
それが全て悪いわけじゃないですが、それが原因で減っているとも予想しております」

サメの乱獲といえば、フカヒレを求めて中国が…というイメージがありますが。

木村先生「中国に限らず開発途上国では、資源のことをあまり考えずに獲っているのをよく見ます」

日本では禁止されてるのですが、外国では獲れたらヒレだけを切り落として持って帰るそうです。

4メートルのサメを持って帰るのは凄く大変ですが、ヒレだけだといくらでも持って帰れます。

「これがもの凄い価値ですからね。ここが問題です」と嘆く木村先生。
 

サメは海の生態系の頂点

サメは海の生態系のほぼ最上位です。
そんな動物が突然、絶滅すると、生態系にものすごく大きな影響が出るのではないでしょうか?

木村先生「正確に予想できない事態になると考えられてます。考えられているというか、どういう結果かわからないんですけど、何か凄いことが起こると一般には言われておりますね」

想像できる範囲内で、例えば、どんなことになりそうなんですか?

木村先生「通常、そういう捕食者は病気や高齢で弱った魚を食べるわけですね。アオザメはそういうマグロやカツオを食べて適当な量に減らしていっている」
 

生態系を維持するには

ところが上位の捕食者だったアオザメがいなくなると、そのエサ資源だった弱い個体が残っていきます。
そうなると、そのエサ資源の中で病気が蔓延する可能性があるそうです。するとエサ資源も絶滅の危機に陥ることも考えられるということです。

木村先生「生き物の中では、異常な個体数の増加を防ぐための適当な間引きみたいなことは必要なことなのかもしれません。また生態系を維持するためにも、適正な資源の獲り方を考えていってほしいですね」
(尾関)
 
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2019年01月28日07時21分~抜粋
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