2018年ももう残り1週間を切りました。今年は関心を集めた事件や災害など本当にいろいろなことがありました。
12月25日の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』では、今年の出来事を振り返りました。
解説はCBC論説室の後藤克幸解説委員です。
2018年、社会では何が起こった?
医学部不正入試
後藤「まずは8月のニュースです。医学部の入試で、男と女に点差をつけるという不正が発覚しました」
東京医科大学の入学試験で女性や浪人生をずっと不利に扱っていたということが発覚。その後、文部科学省の調査で順天堂大学、北里大学でも同じような不正が見つかりました。
公正であるべき入試がこういった形で続いていたというのはショックでした。
多田「医学界は男性の方を重要視しているということですか?」
後藤「言い分としては出産、子育てで、途中から女性は抜けてしまうということを挙げています。
しかし、出産は男にはできませんが、子育ては本来男女平等で、お互い分かち合って分担すべきことです。
結局、医療現場では男性医師の長時間労働に頼っているという医師の働き方こそが問題の根底にあるのかなと思いました。
今、医師の世界でも働き方改革が議論になっていて、来年もまた注目されそうです」
東京医科大学の入学試験で女性や浪人生をずっと不利に扱っていたということが発覚。その後、文部科学省の調査で順天堂大学、北里大学でも同じような不正が見つかりました。
公正であるべき入試がこういった形で続いていたというのはショックでした。
多田「医学界は男性の方を重要視しているということですか?」
後藤「言い分としては出産、子育てで、途中から女性は抜けてしまうということを挙げています。
しかし、出産は男にはできませんが、子育ては本来男女平等で、お互い分かち合って分担すべきことです。
結局、医療現場では男性医師の長時間労働に頼っているという医師の働き方こそが問題の根底にあるのかなと思いました。
今、医師の世界でも働き方改革が議論になっていて、来年もまた注目されそうです」
繰り返される偽装
後藤「10月には建物を地震の揺れから守る免振装置のトップメーカーKYBでデータ改ざんが明らかになりました。
完成した製品の出荷前の検査で、データが基準値からはずれていても基準値内におさまっているように見せかける不正を、15年以上にもわたって続けていました。およそ1千件の建物に納入していたということです。
データ偽装は、これまでにも2005年には元一級建築士による耐震、2015年の旭化成グループの杭打ち、2016年の三菱自動車の燃費と、繰り返し起きています」
多田「しかも大企業とか、信頼できる立場の一級建築士とかがデータ偽装をしていたとは」
後藤「データ偽装は"ビジネスの麻薬"と考えています。効率化の掛け声でやっていますが、これが目先の利益が最優先になっていくと、本来企業がもっている目的、何のための企業かという感覚がマヒしてくるのではないでしょうか。
偽装は一度手を染めると途中からはやめられなくなるというのがビジネスの麻薬たるゆえんかなと思います。
これが明らかになったときに顧客の信頼という、とてつもなく大きなものを失います」
多田「目先の利益を追い求めて、偽装した結果、大きな損害を被ることになる。企業倫理が大事ですよね」
完成した製品の出荷前の検査で、データが基準値からはずれていても基準値内におさまっているように見せかける不正を、15年以上にもわたって続けていました。およそ1千件の建物に納入していたということです。
データ偽装は、これまでにも2005年には元一級建築士による耐震、2015年の旭化成グループの杭打ち、2016年の三菱自動車の燃費と、繰り返し起きています」
多田「しかも大企業とか、信頼できる立場の一級建築士とかがデータ偽装をしていたとは」
後藤「データ偽装は"ビジネスの麻薬"と考えています。効率化の掛け声でやっていますが、これが目先の利益が最優先になっていくと、本来企業がもっている目的、何のための企業かという感覚がマヒしてくるのではないでしょうか。
偽装は一度手を染めると途中からはやめられなくなるというのがビジネスの麻薬たるゆえんかなと思います。
これが明らかになったときに顧客の信頼という、とてつもなく大きなものを失います」
多田「目先の利益を追い求めて、偽装した結果、大きな損害を被ることになる。企業倫理が大事ですよね」
相次ぐ災害
後藤「自然災害では、6月には大阪で震度6弱、9月には北海道で震度7など、大きな災害が相次ぎました。
また、北海道全域で停電するというブラックアウトも発生しました。
改めて、私たちの地元で将来起きる可能性が高いと言われている南海トラフ地震への備えを強く意識した年でもありました。
今月、中央防災会議では可能性が高まるデータが観測された場合は、緊急情報を出して、被害が出る前に避難をするという対応を強く求めました。
情報の力で犠牲になる方を少しでも減らせるならそれは重要です」
多田「災害で被害を受け、まだ仮設住宅にいらっしゃる方もたくさんいますから、それも早く対応していかないといけませんね」
また、北海道全域で停電するというブラックアウトも発生しました。
改めて、私たちの地元で将来起きる可能性が高いと言われている南海トラフ地震への備えを強く意識した年でもありました。
今月、中央防災会議では可能性が高まるデータが観測された場合は、緊急情報を出して、被害が出る前に避難をするという対応を強く求めました。
情報の力で犠牲になる方を少しでも減らせるならそれは重要です」
多田「災害で被害を受け、まだ仮設住宅にいらっしゃる方もたくさんいますから、それも早く対応していかないといけませんね」
サッカー少年ら全員救出
後藤「明るい話題もありました。7月、タイの洞窟からサッカーチームの少年ら13人が全員無事に救出されました。
およそ3週間、突然の雨のために閉じ込められていました。
水没した洞窟内を、酸素ボンベをもったダイバーがひとりひとりに付き添って救出。必ず助け出すという不屈の精神です。
ただタイ空軍の元隊員のダイバーの方はひとり亡くなられています」
およそ3週間、突然の雨のために閉じ込められていました。
水没した洞窟内を、酸素ボンベをもったダイバーがひとりひとりに付き添って救出。必ず助け出すという不屈の精神です。
ただタイ空軍の元隊員のダイバーの方はひとり亡くなられています」
期待されるガン免疫療法
後藤「今年は本庶佑さんが医学生理学賞でノーベル賞を受賞されました。本庶さんの研究は、免疫でガンの新しい治療薬に道を開いたということです。
人間にはガンをやっつける免疫という力が本来備わっているが、ガン細胞は免疫チェックポイントという仕組みを利用して、免疫にブレーキをかけようとします。
本庶さんの研究は免疫チェックポイントを阻害する薬の開発に道を開きました。すると、免疫本来の力が復活し、ガンをしっかり攻撃するようになります。
本庶さんはノーベル賞の授賞式の記者会見で、あと10年か20年くらいしたら、ほとんどのガンは免疫療法で治せるようになるといいなと希望を語っています」
多田は「免疫療法に関しては本庶先生がスタートを切ってくれたということですよね」と、将来に向けて明るいニュースでまとめました。
(みず)
人間にはガンをやっつける免疫という力が本来備わっているが、ガン細胞は免疫チェックポイントという仕組みを利用して、免疫にブレーキをかけようとします。
本庶さんの研究は免疫チェックポイントを阻害する薬の開発に道を開きました。すると、免疫本来の力が復活し、ガンをしっかり攻撃するようになります。
本庶さんはノーベル賞の授賞式の記者会見で、あと10年か20年くらいしたら、ほとんどのガンは免疫療法で治せるようになるといいなと希望を語っています」
多田は「免疫療法に関しては本庶先生がスタートを切ってくれたということですよね」と、将来に向けて明るいニュースでまとめました。
(みず)
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