多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

お風呂場やトイレで死に至る危険も!「ヒートショック」に要注意

今年も残りわずかで冬の寒さが本格的になってきましたが、この時期はお風呂で亡くなる人も少なくありません。
入浴中に亡くなる方は年間の推計で約1万9千人と多く、その原因の1つがヒートショックです。
意識を失い、溺死にもつながってしまうのですが、なぜ急に意識を失ったりするのでしょうか。

12月18日放送『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、東京都市大学人間科学部の早坂信哉教授に原因と対策についてお話を伺いました。

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血圧の急上昇が深刻な病気を招く

まずは原因について伺ったところ、次のような現象が起こるということを説明する早川教授。

特に冬の間、通常の家庭では暖房が効いたリビングから暖房のない脱衣所に行って裸になることで寒さに身体をさらすことになり、交感神経を刺激して血圧が20~30ほど急激に上がります。

そして、お風呂のお湯について、寒い時期だからと言って42度以上の高い温度で設定していると、湯船に入ることで今度は熱さの方で身体がビックリして交感神経を刺激し、さらに血圧が20ほど上がってしまって、2段階で上がるからということです。

つまり、急激な温度差が原因ということなのですが、それにより人間の身体にどのような悪影響を及ぼすのでしょうか。

血圧が急激に上がることで血管が破けてしまって脳内出血を起こしたり、血管の内側が詰まると心筋梗塞や脳梗塞が起きるなど、場合によっては命にかかわる深刻な病気を引き起こす原因になるそうです。
 

温度が何度離れると危険?

では、どれぐらいの温度差で血圧が急上昇してしまうのかというと、脱衣所とリビングとの温度差が5度以上ある時と言われているそうです。

脱衣所で暖房などをかけていなければ、普通に5度以上の差はありそうです。

ここで「外に出かける時、室内と室外で5度以上の差が起きるのはザラなのに、なぜヒートショックが起きないのか?」という疑問が生まれます。
これについて早坂先生は、「特にお風呂の場合は裸になるという行為を伴いますので、洋服を着て寒いところへ出かけるのとはわけが違うということですね。より寒さが身体への刺激になるということです」と答えました。
 

ヒートショックになりやすい人は?

もちろん、温度差があると誰もがヒートショックになるわけではありません。どのような人がヒートショックを起こしやすいのでしょうか。

早坂先生は、「動脈硬化が進んでいる方ということで高齢の方、65歳以上の方の事故が増えてきますね。若い方であってもメタボや糖尿病、コレステロールや血圧が高い方も要注意ということになります」と答えました。

では、ヒートショックを防ぐにはどうしたら良いのでしょうか。

よく言われることは、脱衣所に暖房を入れて温度を上げておくこと、浴室もシャワーやお湯の湯気などで温めておくことで温度差を縮めることが大事です。

それ以外に気をつけることとして、お湯の温度はちょっとぬるいと感じるかもしれませんが40度程度にし、お風呂に入る時も急にドボンと入るのではなく、手足にお湯をかけて少しずつ慣らしてからゆっくり入るのも大事とのことです。

冬の寒い日、熱いお湯にいきなり入るのが醍醐味という方もいらっしゃるかもしれませんが、身体にとっては危険な行為ということになりますね。
 

お風呂場以外でも起こり得る!

実は、ヒートショックはお風呂場だけで起こるわけではありません。

他に注意しなければならない場所はどこなのでしょうか。

早坂先生は「朝起きがけにトイレに行く時や、ちょっと新聞を取りに外に出る時など、一瞬でも冷たい所に身をさらすという場面は結構あると思いますけど、こういう時もヒートショックは起きてくるということになります」と、注意喚起しました。
(岡本)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2018年12月18日07時20分~抜粋

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