もうすぐ12月クリスマスですが、金属アレルギーの人にとっては、アクセサリーのプレゼントが悩みの種。
しかも、2月に家庭や職場で行われるあのイベントも要注意だそうです。
11月27日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、藤田医科大学のアレルギー疾患対策医療学の松永佳世子先生に伺いました。
局所的な症状と全身的なもの
金属アレルギーとはどういうことでしょうか。
松永先生「金属は汗や体の中の水分に溶けて、イオンになります。金属イオンが体の中に入ってきて、それがアレルギーを起こします」
金属アレルギーの症状の出方には二つあります。まずは、金属に触れているところに症状が出るものです。
松永先生「触っているところだけに症状が出てくるのが局所的な金属アレルギー。
一番多いのがピアスをしたときにピアスの軸の裏がただれたり、かゆくなったり、腫れたりということや、ネックレスをしたときに、したところに汗をかいて、そこがかゆいというもの。これがアレルギー性接触皮膚炎という症状です」
さらにもうひとつ、全身にアレルギーの症状が出る、意外なものがあります。
松永先生「虫歯があって、そこに金属をかぶせます。日本では金銀パラジウム合金がとてもよく使われていて、それが少しずつ溶けていって、つばきに取り込まれ、吸収されていきます。
それが血液の中に十分あって、汗をかくと濃縮されて、全身、あるいは汗が出やすい手の裏、足の裏だけに湿疹がでてくるという全身性の金属アレルギーがあります」
ニッケル、コバルト、クロム…
金属アレルギーを起こしやすい金属は何でしょう。
松永先生「起こしやすいのはニッケル、コバルト、クロム。金、水銀もあります」
ピアスの裏側の留め具にはニッケルが使われていることが多くあります。
金は非常に安定していて溶けにくい金属と思われていますが、実はアレルギーを起こしやすいのです。
どれくらいの量を体内に取り込むか、そのバランスが大事です。
花粉症で、花粉をどのくらい身体に取り入れたかによって、大丈夫だった人が花粉症を発症するのとパターンとしては似ています。
金も一定量以上取り込んでしまうと、金属アレルギーを発症します。前述以外の金属は比較的安定しているということです。
バレンタインデーに要注意
実は食べ物にもいろいろな金属が含まれているそうです。どんな食べ物が該当するのでしょう。
松永先生「金属をたくさん含んでいるのは、例えば紅茶、ナッツ、チョコレートです」
松永先生によれば、バレンタインデーの後、チョコレートを一気に食べ過ぎた男性の患者が増えるそうです。
チョコレートの中に含まれている金属を大量に摂取して、アレルギー症状、かぶれが出てしまったという場合もあるそうです。
命を守る皮膚
そもそもこうしたアレルギーが起こることは、ある種の必然のようです。
松永先生「皮膚は湿疹みたいにして"脱皮"できます。悪いものを全部入れて、水浸しにして出しているのがかぶれだから、そういうことを一番外側でやらないと。入ってきたものが生命にかかわるみたいにならないうちにね。そういう反応だと思います」
最後に多田は「皮膚はそういったものを全部皮膚に集めて、かぶれの状態にして外へ外してしまって、生体を守っている、アレルギー反応はそういうことでもある」とまとめました。
(みず)
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2018年11月27日07時18分~抜粋