多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

音を読み上げる「オトングラス」は、やさしいメガネ

11月19日の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』では、文字を読み上げてくれるメガネを取り上げました。
メガネをかけて、紙に書かれた文章を見ると、その文章をメガネが読み上げてくれる。視力など障害のある人、最近見づらくなってきた人に好評です。

いったいこのメガネ、どういう仕組みになっているのでしょうか。また、その開発の背景にあった物語を、株式会社オトングラス代表取締役の島影圭佑さんに伺いました。

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仕組みはハイテク

まず、このメガネの仕組みを説明します。
実は、メガネの視界の部分に近くてもはっきり映るようなカメラがついています。そのメガネを装着して、読みたいものを自分の顔の前に持ってきます。メガネのフレームに付いたボタンを押すと、カメラのシャッター同様に目の前の文章を撮影してくれます。

機器自体がインターネットに接続していて、写真をインターネット経由でクラウド(大ホストコンピューターのようなもの)に送ります。
そこで、撮影した写真から文字をテキストデータとして抽出し、それをまた音に変換します。

そして、クラウドから手元にあるメガネ型の機器に送り返され、スピーカーやイヤフォンを通じて、音を聞くことができます。

多田は「メガネの形でなくてもいいですが、メガネをかけていると確かにその文章を読んでいるなという雰囲気になるのでメガネ型になっています。
印字されたものは、基本すべて解読してくれます。ただ、手書きで楷書ならいいですが、毛筆で達筆に書かれると苦手です」と補足します。

やさしい操作性

多田「このメガネ、後天的に視覚障害になってしまった方、高齢で文字が見づらくなってしまった人に需要があるようです」

視覚障がい者の方の半分以上が70歳以上の高齢者になっています。
こうした方は、点字などの教育を受けてない中、徐々に見えづらくなってきて、急に点字を覚えたり、新しい機器を覚えたりするのはかなり難しい状態です。

そういった方たちが特別な操作を覚えなくても、今まで通りメガネをかけるという動作で文字が音に変われば、やさしいものになるのでは、ということだそうです。
 

1割負担で利用のところも

多田「問題は値段です」

このメガネ、受注生産で1個ずつ作る場合は40万円で販売しています。

自治体が福祉機器として認定して、まとめて買うことで30万円ほどで手に入るようにはなるんですが、それでも高価です。

そんな中、兵庫県豊岡市では、福祉の用途で市が負担をして1割負担で使えるようにしています。こうした仕組みが各地で普及し、今後大量生産になってくると、さらに安くなる可能性がありそうです。

なぜ、オトングラス?

このメガネ、名前は『OTON GLASS』(オトングラス)です。
会社の名前も株式会社オトングラスです。この名前に込められた意味は何でしょう?

社長の島影さんは現在27歳。大学在学中にこのメガネの開発を進めました。

きっかけは今から6年前、お父さんが脳梗塞で倒れたこと。
しゃべったりすることは問題なかったのですが、文字だけ読めなくなる失読症という後遺症が残り、読みを支援するような機器が作れないかと開発を始めたのです。

音にするということで“オト”とつけていますが、もうひとつの意味は、当時から父のことを“オトン”と呼んでいて、父のためのグラスということで“オトングラス”という名前になっています。

多田「それで、商品名がオトングラスとなったのですね」

人にやさしい商品の裏には、やさしいエピソードが隠れていました。
(みず)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2018年11月19日07時21分~抜粋

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