多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

大人にも必需品?もっと「ぬいぐるみ」を知ろう

10月27日は「テディベアの日」でした。テディベアの名前の由来となったアメリカの26代大統領セオドア・ルーズベルト(愛称テディ)の誕生日だからです。

26日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』「金曜コラム」では、「ぬいぐるみ」の由来から心理的考察まで、「ぬいぐるみ」に関するあれこれを、CBC論説室の石塚元章特別解説委員が解説しました。

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世界初のぬいぐるみは"象"

ぬいぐるみの語源ですが、「ぬい」は縫うです。「くるむ」は「包む」と書きます。赤ちゃんを包むおくるみ、身ぐるみ、家族ぐるみと一緒で、すべてをひっくるめてということです。縫って中に詰めるということから来ています。

諸説ありますが、世界で最初のぬいぐるみとして知られているものは、熊でなくて象のぬいぐるみでした。

ドイツのマルガレーテ・シュタイフという女性がぬいぐるみを作る会社を興した方です。
彼女は1歳半で小児麻痺を患い、手足が不自由になり車いす生活になりましたが、洋裁を学びました。

そして可愛い象のぬいぐるみを作って甥っ子や姪っ子に、大人には針を刺す針山としてプレゼントして評判を呼びました。これが普遍的に配られた最初のぬいぐるみと言われています。

シュタイフさんはこれをきっかけにぬいぐるみの会社を立ち上げて、1902年に手足が動く熊のぬいぐるみを作ります。これが後のテディベアに発展していったもののひとつではないかと言われています。

テディベアは誰が作ってもテディベアですが、このぬいぐるみ会社では1904年、テディベアの左耳にボタンとタグを付けました。
これが世界初の"トレードマーク"ではないかと言われています。

日本では這子(ほうこ)

実はもっとさかのぼると、日本には這子(ほうこ)というものがありました。中に詰め物を入れて布で作るぬいぐるみのようなもので、はいはいするこどもの形をしています。

這子は奈良時代から江戸時代も通じて存在が確認されており、こどもの魔よけに使われました。寝ている赤ん坊が魔物に襲われないようにと枕元に置いたりしたそうです。

これが進化して、現在も飛騨高山などで作られている人形「さるぼぼ」になったと言われています。
 

キャラクター化と「ぬい撮り」

ぬいぐるみはだんだんキャラクターとして独り歩きを始めました。
特に有名なのは『くまのプーさん』でしょう。
イギリスのA・A・ミルンさんが、息子さんが持っていたぬいぐるみをモチーフにして書いた児童小説を基に、ディズニーがアニメーション化しました。

日本でも林明子さんが『こんとあき』というきつねのぬいぐるみが女の子と旅をする絵本を描いて人気となりました。

また最近SNSでは「ぬい撮り」が流行しています。
例えば旅行に行った時、自分が映る代わりに小さなぬいぐるみを置いて撮った画像を公開するものです。最近は大手の玩具メーカーが「ぬい撮り」専用のぬいぐるみを発売し、ブームになっています。
 

心理学的には移行対象?

心理学においてぬいぐるみは"移行対象"と言われています。

イギリスの児童精神分析医のウィニコットさんが「ぬいぐるみとは母親との共生関係から抜け出すかけ橋だ」と言っています。
つまり、生まれたばかりの時は母親と常にいますが、いずれ離れなくてはいけない。その橋渡しの移行期にぬいぐるみを大事にするという分析があります。
人によってはぬいぐるみでなく、毛布やタオルのケースもあります。スヌーピーのライナスが毛布を放せないのも同じ理由ですね。

大人でもぬいぐるみに愛着を持ち、手放せない人がいます。またパニックになった成人にぬいぐるみに抱かせたら落ち着いたという臨床データもあるようです。
 

意外な使い道

「ぬいぐるみ」に関するおたよりも紹介されました。

「うちの22歳の娘にフクロウの形をした抱き枕をクリスマスにプレゼントしたら、娘は文句を言いながらもずっと使っています。やっぱり落ち着くんでしょうかね」(Aさん)

「私もええ歳をしてソファに犬のぬいぐるみを置いています」(Bさん)

多田は「私が胃カメラをするお医者さんのところに、胃カメラのベットの横に大きなぬいぐるみを置いています。どうして?と聞いたら、中にはこれを抱いて胃カメラをすると気持ちが安定して胃カメラがスムーズにのどを入っていく人がいらっしゃるとか。精神が安定するものなんでしょうかね」と体験を語りました。

ぬいぐるみは単なるおもちゃではなく、幅広い世代の人たちにとって様々な役割を果たしています。
(みず)
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2018年10月26日07時25分~抜粋

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