台風24号で注目、「塩害」の思わぬ影響とは?

多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N / ニュース

先月の9月に全国的な災害をもたらした台風24号ですが、強風や大量の雨量以外に、海水に含まれる塩分が原因の「塩害」による被害も少なくないと言われています。

塩による被害には一体どんなものがあり、また、なぜ塩害は起きるのでしょうか。

10月17日放送『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』は、リスナーツアーで不在の多田に代わり、CBCの沢朋宏アナウンサーが名古屋工業大学名誉教授の齋藤勝裕先生に詳しく伺いました。

塩害で電線に被害が…

「塩害」とは、海水が台風などで巻き上げられて陸地へ運ばれることにより、塩がいろんな物に付着することで起こる被害を指します。

齋藤先生は具体例として「電線から火花が出て火事になる」ことを挙げ、その理由について「雨水は電気を流さないが、塩水は電気を流すため、電線と電線の間でショートが起きる」と説明しました。

沢アナ「街中の電線を見ると、被膜がかかってるような気がするのに(なぜ塩の影響を受けるでしょうか)」

齋藤先生「膜の中を(ひび割れなどが原因で)塩水が通っていくということですね。普通の雨だと塩水が来ても雨水で流される。あるいは塩水が薄まって害が起きないですけれども、台風となると塩水がいつまでも残っていて、塩害が起こるということになるわけですね」

台風で激しい雨が降った後に強い風が吹くと、塩害の被害は大きいということになります。

塩害で建物にも被害が…

塩害は電線以外に建物にも被害を及ぼすようで、例えば鉄筋コンクリートの場合、セメントの中に鉄骨が入っていますが、ひびなどから塩水が染み込み鉄骨に届くと、鉄が錆びるそうです。

沢アナ「錆びる時って、濡れて錆びますよね。塩で錆びるのはなぜなんですか」

齋藤先生「"錆びる"というのは酸素と結合すること(酸化)を言いますが、実際には電子が抜けることを言うんですね。
塩水が付くと鉄から電子が取れて、電子が塩水の中に入ってしまいます。すると、鉄は電子がなくなるのでプラスに荷電することになりますね。塩水の中に溶けて出ていった電子は、塩水の中に入っている酸素と結合します。
プラスに荷電した鉄と、マイナスに荷電した酸素が一緒になれば酸化鉄になって、錆びることになりますね」

中の鉄筋が錆びると、もろくなるだけでなく膨張するので、コンクリートにさらにひびが入り、塩水が入りやすくなって……という悪循環が繰り返されることになります。

また、同じことは酸性雨にも当てはまるとのことですので、台風が起きない時期や海岸から遠い地域なら安心というわけではないようです。

冬場も塩害に注意

そして、塩害で最も大きな被害は、農作物と言われています。

沢アナ「なぜ、塩が葉っぱに付くと枯れるんですか?」

齋藤先生「なめくじに塩を振ったのと同じような現象と言うか。なめくじが縮むのは、体から水分が抜けてしまうからですね。もっと身近な例では、漬物も植物に塩を振ってるわけですが、あれも水が抜けて」

沢アナ「われわれの目には見えないようなところで、植物に付いた塩が中の水分を吸い出してる。それで、葉っぱが落ちちゃう」

齋藤先生「軽いうちは葉っぱだけで済みますけど、重症になると枝が落ちるとか、木が枯れてしまうことにもなりかねないですね」

台風シーズンが終わり、もう塩害はないと思いきや、実は冬に向けても塩害には注意が必要です。

それは冬に使用する融雪剤のことで、主成分が塩化カルシウムのため、ガードレールや植物などに影響を与えるだけでなく、当然、鉄を使用した自動車にも悪影響を与えます。

齋藤先生は「(自動車に)塩が付いたと思ったらすぐ洗うことが大事」と語り、「ただざっと水をかけただけでは不十分かもしれませんね。洗車場に行ってきちんと洗車する方が良いですね」と勧めました。
(岡本)
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2018年10月17日07時20分~抜粋

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