多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

とてつもなく遠い天王星・海王星 太陽の周りを何年で回る?

太陽系の惑星で、最も外側を周回するのが「海王星」で、その内側を回るのが「天王星」です。
地球から見ても最も遠いふたつの惑星は、いったいどのような星なのでしょうか。

10月12日の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』シリーズ「天体の不思議」の7回目では、名古屋市科学館の天文係 毛利勝廣さんにお話を伺いました。

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天王星と海王星の距離は?

このふたつの星、地球からどのくらい離れているのでしょう?
毛利さんは地球と太陽の距離を基準に説明すると、木星はその約5倍、土星は約10倍程度離れています。

天王星は20倍、海王星は30倍の距離です。このふたつの惑星も相当離れていることがわかります。
地球に近い方の天王星ですら、太陽のまわりを回るのに84年もかかります。

古来、肉眼で見える土星までが太陽系だと考えられてきました。一週間の曜日が土曜までなのもそれが由来です。

望遠鏡が発明されて、ガリレオがはじめて月のクレーターを見たのが1600年代の前半。天王星はそれから百数十年後の1781年に発見されました。
一番明るくて五、六等星なので、肉眼でぎりぎり見える明るさです。

天王星はどんな星?

天王星の名の由来はウラヌス、ギリシャ神話の中で天をつかさどる神の名前です。大きさは地球の直径の約4倍あります。

天王星は海王星とともに表面の温度がマイナス200~220度という寒さです。表面にはガスがうっすらとありますが、氷のような感じです。岩石の部分はずっと小さくて中の方にあるはずですが、外からは見えません。

特徴は横倒しになって自転しながら太陽のまわりを公転していること。
地球では場所によって白夜もありますが、ある程度陽が当たります。
一方、天王星は横向きのため、極ばかりに陽が当たり、反対側はまったく当たらない時があります。82年で一周ですから、極端なところは42年間夜という場所ができます。

1986年、探査機ボイジャー2号が天王星の近くまで行って探査をしました。89年には海王星にも行っています。
おおまかなことはわかっていますが、まだ未知の部分も多い惑星です。

海王星の発見

前述のように、太陽系は土星までと思われていましたが、天王星の発見によってその常識が打ち破られました。やがて力学の計算も進化し、天王星の動きがあるところでは遅くなり、あるところでは早くなることがわかりました。

そこで計算の結果、ある大きさの星があると推測され、天王星発見から65年後の1846年に望遠境で確認されたのが海王星です。イギリスのアダムス、フランスのルヴェリエ、ドイツのガレの3人が発見者となっています。

名前の由来はネプチューン、海の神様です。
最も遠い惑星・海王星は、164年かけて太陽を回ります。
明るさが七、八等星のため肉眼ではまったく見えません。望遠鏡から見た海王星は天王星とともに青く見えます。

地球の中は磁石になっていますが、天王星と海王星はその軸が中心にはない、という特徴があります。

実はこの地球に、地質学的なスケールにおいて南北が逆転する時が来ます。その時どういうことが起きるか、このふたつの星をさらに調査することでわかることがあるそうです。
あまりにも遠いふたつの星ですが、今後の研究が待たれます。
(みず)
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2018年10月12日08時14分~抜粋

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