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クマと奪い合うほどの美味!秋田県の根曲がり竹

秋田県ではタケノコと言えば「根曲がり竹(ねまがりたけ)」を指すのだそうです。
なんでもこれを好物とするクマと奪い合いになるほど美味しいんだとか。

10月11日『多田しげおの気分爽快‼︎』では、この「根曲がり竹」を採る名人で大館山田集落会会長の赤坂実さんにお話を伺いました。

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ネマガリタケは春の山菜

秋田県は「根曲がり竹」の生産量、収穫量が日本一。
「根曲がり竹」はこの地方では馴染みがありませんが、信州から東北にかけてはお馴染みのものです。場所によってはヒメタケとかヒメタケノコと呼ばれています。

「一度食べたことがある」という多田しげおによれば、タケノコの先っぽの部分が細長くなってるようなイメージだそうです。「根曲がり竹」は5月の中旬から6月いっぱいまでの春の山菜。旬はもう少し先です。
 

名前の由来

赤坂さん「私どもは笹と言うより竹と言ってます。3メートルぐらい伸びるんですけど、それから出る新芽を地元ではタケノコと言っています」

「根曲がり竹」はタケノコの一種で千島笹(ちしまざさ)という笹の新芽だそうです。

その名の通り、根が曲がってるんでしょうか?

「3メートルも高さがあるもんですから、冬の雪の重みで竹が根元から曲がるんだすな」

秋田訛りの赤坂さん。なんとも味のある話しぶりです。
根本は曲がっていますが採れる新芽の部分は真っすぐだそうです。

目に入るものは全部採る

何センチぐらいのものを収穫するんでしょうか?

「腐葉土たっぷりですと、尖った部分がちょこっと5センチぐらい出てるんですけど、その下にもう少しあって長さが15センチぐらいのタケノコが一級品だすな」

すぐに見つけられるものなのでしょうか?

「タケの根は横に伸びますので、その根の節々からタケノコは出るんだすな。だから掘るというよりも、手でもぐっていうんすか、引き抜くっていうんすか、折るというんすか、そういう感じで手当たり次第採るんです。目に入るもの全部採ります」

プロは違う

最盛期だと一回の入山で30キロぐらいは採れるそうですが、さすがに素人では無理でしょう?
「無理だすんなー」と答える赤坂さんに、「無理だすか?」と思わず赤坂さんのペースになる多田。

赤坂さん曰く「根曲がり竹」は「プロ向きの山菜」。

「林道沿いにも竹藪はいっぱいあるんですけど、ほとんど人が入って、タケノコは出れば採られる、出れば採られるで、たぶんタケノコ自体も息つく暇がないぐらい採られます」

素人は林道沿いのものを採りますがプロは違います。毎年、間違いなく採れる決まった山に入ります。もちろんその場所は誰にも教えないそうです。

「友人も教えてくれないし、私もどこで採ってるかも一切聞きません」と赤坂さん。
しかしお互い、山に入って帰ってきたら、30キロぐらいはちゃんと籠に入ってるそうです。

「赤坂さん、かなり名人ですね」と感心する多田に、「ハハハ。まあそうでしょうか。結構、プロの人はそのくらい採りますよ」と謙遜する赤坂さんでした。

危険な山菜採り

赤坂さん「最初は標高500メートルぐらいから、順次高いところへのびまして、最終的には標高1,000メートルぐらいまで上がるんですよ」

まるで登山です。しかも「根曲がり竹」の採れる場所はほとんど斜面なうえ、笹や竹が密集していて丈が高いため、5メートル離れるともう人の姿は見えないそうです。

「じゃあ迷ったりすることもあるかも」と言う多田に、「そういう危険な山菜採りだす」と答える赤坂さん。

山に入る時は皆さんラジオを持って行くんだそうです。
登山やハイキングの場合、熊避けにラジオは身体からぶら下げますが、ネマガリタケを採る時は使い方がちょっと違います。収穫する場所にラジオを置いておき、遭難を防ぐためにラジオが聞こえる範囲でしか採りません。

熊と出会って身体が硬直

「熊はタケノコ大好物なんだす」と語る赤坂さん。

「どっちが先に採るかだすなあ。爆竹たいたり、熊に出会わないような対策はいろいろ取るんですけど、熊の食べ跡があるということは良いタケノコが出てるって証拠なんですよ。
熊も俺んとこライバル視してるかもしれません。ホント早いもん勝ちです。ハッハハハハ」

笑う赤坂さんですが、実は熊と出会ったことがあるんだとか。バッタリではないものの、見える範囲で威嚇されたそうです。

「初めての経験でしたので、しかも子連れの熊だったので、やっぱり身体硬直したすな。でも爆竹たいて、襲われずに済みました」

汁物が一番人気

「そこまでしても採りたくなるぐらい美味しいものなんですね」と言う多田に、「だすな。非常に歯ざわりって言うか、歯切れのいい山菜で、秋田県だと一年に一回は必ず食べるんでねえべかな」と答える赤坂さんです。

最後にこの「根曲がり竹」の一番美味しい食べ方を伺いました。

「一番は味噌仕立てのタケノコ汁。15センチぐらいの一本まま入れて、牛肉だとか豚肉だとか糸こんとかいろんな野菜を入れて。汁物が一番人気だすなあ」

聞いているだけで食べたくなるような赤坂さんの独特な話しぶり。

「春先に秋田に行ったら、赤坂さんが熊よりも先に採ったネマガリタケをぜひ食べたいね」と多田しげお。

ネマガリタケを採る名人のライバルは同業者ではなく熊さんでした。
(尾関) 
 
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2018年10月11日07時40分~抜粋

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