高年齢化する引きこもり「8050問題」にどう対処すればいいか

多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N / ライフ・ヘルスケア

現代日本が抱えている「8050問題」という言葉をご存知でしょうか?
"80"は80代の親を、"50"は50代のこどもを表します。
親が高齢なのに、その子が引きこもりの状態になっているケースが増えてきているのです。

9月21日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、この問題を詳しく研究されている愛知教育大学大学院の教育実践研究科准教授の川北稔先生に伺いました。

引きこもりの高年齢化

引きこもりイコール若いこどもというイメージがありますが、今の日本では引きこもりも高年齢化していて、50代で引きこもりという人が増えてきています。
引きこもりが長期化し、高齢の親とともに社会から孤立してしまうケースが問題となってきています。

どういう世帯で暮らしている人が多いのか統計的に調べる「人口動態」においても、これからどんどん増えていく心配が大きいそうです。

実はこれまで国全体としての引きこもりの調査は39歳までを対象としており、40歳以上の引きこもりについては数字が把握されていません。
東京都町田市など地方自治体が独自に調査した結果、引きこもりはこれまで若者の問題と思われていたのが、40歳以上が多かったという結果も出てきています。

引きこもりとは?

そもそも"引きこもり"の定義とは何でしょうか。

川北先生「国の厚生労働省が作ったものがありますが、簡単にいうと修学や就労という自分の家庭以外の交流がないままに、家庭中心に生活している方です。調査をする時はその状態が6カ月以上続いていることを目安にします」

多田が「コンビニの買い物くらいは行くけど、基本的に世間との交流がほぼない人。もちろん学校にも行かない、あるいは仕事にもついていない人ですね」とまとめます。

引きこもりになる経緯

40歳以上で引きこもりになってしまう経緯はどういうケースがあるのでしょうか。

川北先生「今の40代の方は就職をする時『就職氷河期』と言われる頃で、非常に就職に苦労した世代です。それが大きいきっかけのひとつです。

非正規雇用も大変増えた時代で、その中でひとりにかかってくる仕事の種類・量が大きくなった時代でもあります。
いくつかの仕事を転々としてきたが、ある時ぷっつり実家に戻ってきた、そういう方が割といらっしゃいます」

“親亡きあと”は…

多田「40歳の時に実家に帰って、親に面倒を見てもらい始めたら、そのとき親は70くらい。それがそのまま長期化していくと、親が80本人は50、これが『8050問題』ですね。それから先はどうなるんですか?」

川北先生「そこが本当に心配で、"親亡き後"という言葉で心配されている方もいます。
実際、親御さんに介護が必要で施設に行かれたり、両親とも亡くなってしまって家にお子さんだけ残されているということも珍しくないです。
そういう状態で、親御さんの介護に関わっていた高齢者の担当の方が心配して、訪問したりすることがかなり多くなっています」

多田「50代で仕事がなく、どうやって生きていくかという問題ですよね」

川北先生「いろいろな支援の制度がだんだん提案されてきていますので、そういう窓口をぜひ活用していただきたいと思います」

ひと月に1件の大事件に

親が亡くなった後、こどもが大変なことになる例もあるそうです。

川北先生「親御さんが体調を崩されて、目の前で倒れたという場合も、病院などに連絡ができずにそのまま見守るしかなかった。これが保護責任者遺棄致死という罪に問われてしまいます。

今年に入ってからも、ほぼひと月に1回と言っても大袈裟ではないですが、そういう例があります。名古屋市でも南区で70代の親御さんと40代の息子さんが、両方とも亡くなって見つかったこともありました」

どう対処すればいいか

本当に深刻な問題ですが、どうやって対処すればいいでしょうか。

川北先生「社会的に孤立してしまう、人との交流が途絶えたり少なくなってしまうということは、誰もが抱えている課題です。
人生100年時代といわれ、やがては90歳になるまで生きる方も女性では二人にひとりと言われています。老後と言っても、これまで考えていたよりかなり長い期間を過ごさないといけません。こどもを頼ると言ってもお子さんも70代になっていたりします」

そこで川北先生は三つのことを提案しました。

① 早目の相談
老後を見越して、早目に地域の窓口に相談に行くこと、地域の見守り活動の輪の中に入るということが、誰にとっても必要になってきます。特別な一部の人の課題ではなくなってきているのです。

② 頼れる人・ところを共有
親御さんが倒れてから連絡を取ることができないなら、電話の前に緊急時の連絡先、かかりつけの病院や、この人なら話を聞いてくれるという親類など、元気な時から家族の中に共有しておくことです。

③ 小さな困りごとから外へ頼る
なかなか困っていても、人様の迷惑になりたくないという方も多いです。ただ小さな困りごとの時から少しずつ外に出すことが大事です。
誰しも歳をとるので、相談してみると意外と周りにも同じような人がたくさんいることがわかってくると思います。

多田は、最後に「元気なうちから、小さなことから、人に頼っていいですよということですね」と、強調しました。
(みず)
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2018年09月21日08時15分~抜粋

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