現地の人はただただ恐れる、本当に怖いコモドドラゴン

2018.08.31（金）

名古屋市の河村たかし市長は。8月27日の定例会見で、インドネシア固有種の爬虫類「コモドオオトカゲ」（通称・コモドドラゴン）の東山動植物園（名古屋市千種区）への導入に意気込みを語りました。

中日新聞の報道によれば、河村市長は1年ほど前に民間の動物関係者に薦められ「パワーの象徴として、こどもたちの人気者になれる」と、コモドドラゴンに熱を上げているそうです。

そこで29日の『多田しげおの気分爽快‼︎』では、静岡県河津町にある爬虫類専門の動物園iZoo（イズー）の園長・白輪剛史さんに話を聞きました。

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大きすぎる絶滅危惧種

まずは白輪園長にコモドドラゴンの大きさを尋ねました。

「コモドドラゴンは世界最大種です。記録では3メートルを超えるものがあります。体重で70キロは超えてきますね」

主に生息地はどの辺りなんでしょうか？

「インドネシアのフローレス島という島ですとか、その近辺のコモド島、リンチャ島という島々に住んでいます」

名前は生息地のコモド島に由来しているんですね。
現在は絶滅危惧種に指定されていて、現在地球上に生息しているのは3,000頭くらいではないかと言われているそうです。

ずーっと追いかけてくる

身体の色はどんな色なのでしょう？

「こどもの内はちょっとオレンジがかっているんですが大きくなると焦げ茶色一色になってきます。見た目は恐竜のような存在ですね」

コモドドラゴンは胴体の割に顔が頭が小さく、全体的にほっそりした雰囲気です。

身近で目にするトカゲやカナヘビと違い、コモドドラゴンは前足2本と後ろ足2本で、ぐっと身体を起こすことができます。

「四肢ががっしりしっかりしてますから身体を持ち上げることが出来るんです。歩く時には身体を持ち上げて、ずって歩かないですね」

となると、意外に走れば速いということ？

「人間が全力で逃げても追いつかれてしまいます」

しかもコモドドラゴンは嗅覚が随分発達しているそうです。

「数キロ先の獲物を見つけることができます」

もし数キロ先にいて、走って逃げても捕まってしまいます。さらに…

「持久力がありますからずーっと追いかけてきます」

とても逃げ切れそうにありません。

鹿、猪、水牛がエサ

インドネシアの島々にいる野生のコモドドラゴンは、どんなものを食べているのでしょう？

「大人の個体ですと、シカ、イノシシ、水牛などを食べてますね」

死んだ動物の肉に群がるのではなく、生きているものを捕らえるそうです。

「この10年ぐらいの間にわかったことなんですけれども、毒を持っているんですね。生きたものに噛みついて、毒を注入して弱らせて食べてしまいます。噛みつくと歯茎から沁み出て、ゆっくりゆっくりと弱らせていって、最後に死んでしまった時にエサにするという、そういう毒なんですね」

また、コモドドラゴンは爬虫類と言っても冬眠できない種類で、最低でも常時30度前後の温度が必要だそうです。

もう3年も交渉中

前述のように名古屋市の河村市長が東山動物園への導入を希望していますが、実は白輪さんが園長を務める動物園 iZooでも、現在交渉中だそうです。

「もう3年やってまして、飼育する場所は用意出来ていてインドネシアの視察も受けました」

ところが、なかなか来ないんだそうです。

「一筋縄ではいかない動物で、とにかく二国間の交渉が重要になってきます」

実は、コモドドラゴンはインドネシアの"国獣"とされていて、移動には大統領の許可が必要なんだそうです。