多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

気象予報士でも気温を当てるのは難しいという話

8月27日の『多田しげおの気分爽快‼︎』は、夏休みの自由研究で困っているであろうこどもたちの参考に、毎年恒例の自由研究特集を放送しました。

第1回のこの日は「天気予報の気温はどうやって予想するの?」です。
気象予報士の沢朋宏アナウンサーがわかりやすく解説しました。

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西の空を見ない?

まず天気の予報について。
天気は西から東へ移動してくるので、雨が降るかどうかは自分がいる場所の西を調べればだいたいわかります。

「漁師の方とか西の方の山を見て『明日は雨で何時頃に降る』と、そこまで当てます」と多田は言います。
しかし、それに異を唱える沢アナ。

「という風に遠くの空を見ると思いがちなんですが、天気の予想も気温の予想も、大事なのは今のこの場所。この場所が大事なんです」

多田「西の空は見ないんですか?」
沢「全然見ません」
多田「今の自分のいる、この地点の気象を観測する?」
沢「その観測する、がすごく大きなポイント」

全世界で同時に観測する

今、自分がいるこの場所では、何度の気温で、湿度が何パーセントで風がどこの方角に何メートルで吹いているかということ、さらに上空の観測を、世界中で同じ時間に行います。

そうすると、地球全体のある時刻の精密な観測データが得られます。
その中には風がどの方向に何メートルというのも含まれます。風というのは空気が移動するわけです。

その地球上の全部の観測データをコンピュータの中に入れて、風向きなどを計算させると何時間後にはこうなりますという、観測地点ごとの計算結果が出て来ます。晴れか雨か?気温はどうなるか?
予想の基本は観測したデータがすべてなのです。

コンピュータが全部する

例えば、観測時に西の風が5メートル。ということは、今のこの気温の空気は毎秒5メートルで動いていくから隣の街には何分後にそれが行くぞとわかります。

朝9時であればこれから日が昇るから気温は上がっていくはずで、その数時間後には日没になって気温が下がるはずだ、という予測ができます。
さらに季節によって日の長さも異なります。これらの要素をコンピュータに全部計算させているんです。

しかし沢アナの解説に納得できない様子の多田しげお。

天気は3つだけなのに…

多田「晴れるとか雨降るとかは24時間予報では結構当たります。でも予想気温って、38度って言ってたけど40度じゃん、とかね。ちょこちょこありません?」

沢「ありますね。正直、気温を当てるってすごく難しくて。天気は晴れ、曇り、雨って3つしかないんですよ」

天気は晴れ、曇り、雨の3つに対して、気温は1度の差で、候補はいくつもあります。

沢「しかもですよ、晴れ、曇り、雨にはもっと素敵なワードがあるんです。『ところにより一時…』。しかも気象庁の予想してるのは名古屋じゃなくて愛知県。愛知県っていう広さの予想なんです」

多田「じゃあ、これからは『ところにより40度』とか…」

沢「それで許してくれるならば。って言うぐらい気温の予想って当てにくい」

ブレを修正させる方法

気温の予想は難しく、ブレ幅が1度~2度ぐらいはどうしても出てしまうそうです。特にちょっと先の週間予報は難しいということです。

「コンピューターの計算にもブレが生じるんですよね。そこで、ブレ幅を把握したり修正するか、というところがポイントになってきます」と沢アナ。

多田「これ人がやるの?」
沢「いや、これもコンピュータに頑張ってもらう。もっとコンピュータに頑張ってもらう。
コンピュータが1回計算すると、明日は晴れで気温は何度がわかると話してきましたが、週間予報の場合はそれを50回やる」

一番最初の観測したデータ、気温、湿度などの数字をちょっとずつ変えてコンピュータに計算させるそうです。

「すなわち観測の段階でメモリを斜めから読んでないかとかっていう誤差がそこで生じてる恐れがある。それをちょっとずつ入れるんです」と沢アナが説明します。

野球で例えると…

「野球で球を投げる時に、ちょっと人差し指に引っかかった。小指が引っかかったとか指のかかり具合で球がブレてきますよね。ああいう風な初期値のブレを敢えて生じさせて50回投げさせる」

そうすることで、どれくらい真ん中に集まるのか、どれくらい高さに幅が出るのかがわかってきます。

「最終的には気象予報士がちょっと高めにまとめようか、真ん中にまとめようか、低めにまとめようかなんていうふうに、判断を入れて発表してます」と野球に例える沢アナ。

頑張るコンピュータ

コンピュータに初期値を変えたものを50回計算させて、出てきた結果を最終的に人が判断する、というのが天気や気温などの予想の形だそうです。

「コンピュータ、頑張ってるねえ」と言う多田に、「これが出来るようになったのも、例の『2位じゃダメなんですか?』という、あのレベルのコンピュータが気象庁に入って来たから、出来るようになったわけです。

それより前は、50回計算させられないから25回にしとこうか、という段階であまり精度も上がってなかった。今は徐々に徐々に制度も上がってきています」

この沢アナの解説をそのまま書いて、自由研究として発表する人がいそうなほど、わかりやすい天気の予報の仕方でした。
(尾関)
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2018年08月27日07時35分~抜粋

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