多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

あのプロ野球選手は高校球児時代、甲子園の土をどうしたのか?

夏の高校野球が連日繰り広げられていますが、熱戦の後、負けたチームの選手たちがベンチの前の土を集めて持ち帰るシーンは、すっかりお馴染みとなっています。
しかしこの甲子園の土、プロ野球選手はかつての高校球児時代にどうしていたのでしょう?

8/9放送の『多田しげおの気分爽快!!朝からP・O・N』では、CBCスポーツアナウンサーの若狭敬一がこの疑問についてレポートしました。
聞き手はパーソナリティの多田しげおです。

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えっ、あの打撃の神様が?

まず、甲子園の土を最初に持ち帰ったのは誰なのか、気になりますよね。

若狭アナ「諸説あるんですが、甲子園球場の公式ホームページに『川上哲治さんが、1937年夏の第23回大会で持ち帰ったのではないかという説があります』と、明記されてるんですね」

何と遥か昔の戦前です。当時の大会は「全国中等学校優勝野球大会」という名称で、川上選手は熊本県立工業学校(現・熊本工業高校)の投手として出場、準優勝しています。

当時は土を持ち帰る行為はスタンダードじゃないですから、こっそり持ち帰っていたと思われます。なので誰が最初かというのはハッキリしていないのでしょう。
ただネットで調べてみると、川上氏は後にインタビューで持ち帰ったと発言しているようなので、有力な説であることは確かです。

多田「川上さんは持って帰った土、どうしたんだろうね」
若狭アナ「どうしたんでしょうねえ」

これについても川上氏は、「熊本工業のグラウンドにまいた」と発言しているようです。

基本的なお持ち帰りパターン

さて、中日ドラゴンズの選手で甲子園出場経験者の皆さんは、持って帰った土をどうしたんでしょうか?
若狭アナがOBなども含めてリサーチしてきました。
まずは一番ベーシックなパターンから。

若狭アナ「小松辰雄さん。石川県の星稜高校で2年の夏、そして3年の春・夏と出ているんですが、2年の夏と3年の春には持ち帰らなかった。『もう一度甲子園に来るぞ』ということです。
3年の夏は負けた後、ベンチ前の土をスパイクケースに集めて持って帰って、土はビンに詰めて実家にまだあるそうです」

この、ベンチ前の土を集めて、記念に残しておくパターンが高校球児に一番多いんだとか。
続いては、場所が違うパターン。

若狭アナ「谷繁元信さん。島根県の江の川高校、現在の石見智翠館高校で、2年の夏と3年の夏に出場しました。3年の夏に負けた後、谷繁さんはキャッチャーでしたので、ベンチ前の土ではなくキャッチャーのポジションの土を持って帰ったとのことです」

場所が違うパターンでもう1つ。

若狭アナ「川上憲伸さん。徳島県の徳島商業3年の夏、敗れた後はマウンドの土を持って帰ったそうです」

現役時代に常勝バッテリーを組んでたお2人、発想も共通するものがありますね。

意外な物をお持ち帰りパターン

ここで多田がある懸念を抱きます。

「ピッチャーやキャッチャーはいいけど、センターの人はセンターまで走って取りに行かないといかんね」

それに対して若狭アナ「しかもセンターにあるのは、芝生です」

「あっ、そうか。芝生を剥がして持ち帰ったら、叱られるもんね(笑)」と納得する多田。

ただその芝生、何と持ち帰った選手がいるんだとか。

若狭アナ「小笠原慎之介投手。彼は神奈川県の東海大相模高校で、夏の甲子園優勝投手なんですが、ということは負けてないんですね。ただチームメイトは土を持って帰っていたんですが、小笠原投手は『土だと何かつまんないな』と思って、ファウルグラウンドの芝を2、3本指で摘まんでポケットに忍ばせて、閉会式に臨んだと。
家に帰って芝生を見てみたところ、あまりに小さな欠片だったのでもうなくなっていたと」

たとえ残っていたとしても、すぐ枯れちゃいますからどのみち保存できません。小笠原投手らしい、ユニークなエピソードです。

感動の再会&ドライな関係パターン

お次は特殊なパターンです。

若狭アナ「赤星憲広さん。地元愛知県の大府高校。2年の春と3年の春に出てるんですが、『夏にまた来るぞ!』ということで土を持ち帰らなかった。ただ、夏は出られなかった。
ところが彼は、大学・社会人を経て、阪神タイガースに入団してます。そして初めて甲子園球場で練習した時に、土を持ち帰ったそうです(笑)」

何と、プロになってから持ち帰るパターン。カッコよく言えば"甲子園へ忘れ物を取りにやって来た"というところでしょうか。ちょっと違いますか。

一方、真逆のパターンもあります。一切持ち帰らなかったパターン。

若狭アナ「牛島和彦さん。大阪府の浪商高校(現・大阪体育大学浪商高校)で、2年の春と3年の春夏に活躍しましたが、持ち帰りませんでした」

その理由とは「別に、土は要らんやろ」という、実に牛島さんらしい答え。言われてみれば確かにと思わされます。

牛島さんと同じ理由で持ち帰らなかった人は多く、他にも大阪桐蔭高校で3年の夏に1試合3本塁打の記録を残した平田良介選手や、横浜高校で1年の夏・3年の春夏出場の福田永将選手も、「特に土を持って帰っても仕方がない」ということで、スルーしています。

お土産頼まれてお持ち帰りパターン

さあ、いよいよ注目のあの選手の登場です。

若狭アナ「やはりこの話題で一番聞きたかったのは、松坂大輔投手。春夏連覇ですから、ずっと負けてないわけですよ。夏はノーヒットノーランをして優勝しました。閉会式までに時間があります。彼は何とスパイクケース2つ分、大量の土を持って帰ったそうです」

多田「持って帰ったの!?」

若狭アナ「なぜなら、親戚・友人・知人にめちゃくちゃ頼まれていたから。みんなに配ったので本人の土、一切ないらしいです」

珍しいところに旅行に行く人みたいに、周囲の人々がお土産感覚で頼んでいたんですね。

多田「"これ、松坂が持って帰ってくれた甲子園の土"ってもらったらすっごいプレミアムですよ」
若狭アナ「売ってる人がいるかもしれませんね」
多田「ネットでね」
若狭アナ「イヤですねえ(笑)。買っちゃダメですね」

証拠に松坂投手の写真付きで、「私が持ち帰りました」とか直筆で書かれてあったりして。イヤですねえ。
まあ、松坂投手がそんなアコギな商売に手を貸す訳がないので、もしネットオークションなどでそういう土を見かけても、皆さんはスルーしてくださいね。
(岡戸孝宏)
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2018年08月09日07時21分~抜粋

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