8月8日はパチパチの語呂合わせで、そろばんの日。
ということで、この日の『多田しげおの気分爽快‼︎』は千葉県白井市にある白井そろばん博物館を紹介しました。
お話を伺ったのは館長の石戸謙一さんです。
日本で唯一の博物館
白井そろばん博館は全国で唯一の常設のそろばん博物館です。
古今東西そろばんなどが約1,600点、関連書籍が約400点、合わせて2,000点以上の展示物を所蔵しています。
館長の石戸さんの名前を聞いて、そろばん教室を思い浮かべる方も多いかもしれません。
石戸さんは「いしど式そろばん教室」を全国に200校以上開校しています。
7年前に一線を退き、現在はこの博物館の館長を務められています。
古今東西そろばんなどが約1,600点、関連書籍が約400点、合わせて2,000点以上の展示物を所蔵しています。
館長の石戸さんの名前を聞いて、そろばん教室を思い浮かべる方も多いかもしれません。
石戸さんは「いしど式そろばん教室」を全国に200校以上開校しています。
7年前に一線を退き、現在はこの博物館の館長を務められています。
変わったそろばん
所蔵品で変わり種のそろばんとしては、江戸時代に作られたものがあるそうです。
「珍しいのはですね、五玉が3個、一玉が5個。天三そろばんというんですが、古いそろばんではですね、日本には全部で8丁ぐらいしかないんですね。その中で、うちにあるのだけが偶数の30桁のそろばんです」と石戸さん。
いま使われているそろばんは五玉が1個、一玉が4個です。
「桁数とか玉の数が、我々が、今見るものとは全然違うそろばんなんですね。そういうものを昔の方は使いこなしてらっしゃったということなんですね」
こう感心する多田ですが…。
石戸「おそらく使ってないと思います」
多田「え？」
石戸「一説によると、京都の大金持ちの旦那さんが、人の持っているそろばんに嫉妬をして、どこにもないそろばんを作れ、と作らせたもののようです」
「珍しいのはですね、五玉が3個、一玉が5個。天三そろばんというんですが、古いそろばんではですね、日本には全部で8丁ぐらいしかないんですね。その中で、うちにあるのだけが偶数の30桁のそろばんです」と石戸さん。
いま使われているそろばんは五玉が1個、一玉が4個です。
「桁数とか玉の数が、我々が、今見るものとは全然違うそろばんなんですね。そういうものを昔の方は使いこなしてらっしゃったということなんですね」
こう感心する多田ですが…。
石戸「おそらく使ってないと思います」
多田「え？」
石戸「一説によると、京都の大金持ちの旦那さんが、人の持っているそろばんに嫉妬をして、どこにもないそろばんを作れ、と作らせたもののようです」
持ってることがステータス
また当時から、ほとんど使われていなかったそろばんもあります。
石戸「特に大津のそろばん等は奇麗で、結構値段の高いそろばんだそうですので、全く使った跡がない、というようなものもございます」
江戸時代、滋賀県の「大津そろばん」は全国的に有名でした。大津追分の片岡庄兵衛が長崎で手に入れた中国式のそろばんを日本式に改良したのがそのルーツ。
片岡家は江戸幕府から「御本丸勘定方御用調達」、いわゆる「御用そろばん屋」として任命され、そろばんの家元でした。
石戸「このそろばんは、持ってること自体がステータスだったわけです。おそらくお正月の仕事始めに、丁稚たちの前でちょんちょんと弾くぐらいで、あとは丁稚たちが綺麗に磨いて飾っておいたと思われます」
石戸「特に大津のそろばん等は奇麗で、結構値段の高いそろばんだそうですので、全く使った跡がない、というようなものもございます」
江戸時代、滋賀県の「大津そろばん」は全国的に有名でした。大津追分の片岡庄兵衛が長崎で手に入れた中国式のそろばんを日本式に改良したのがそのルーツ。
片岡家は江戸幕府から「御本丸勘定方御用調達」、いわゆる「御用そろばん屋」として任命され、そろばんの家元でした。
石戸「このそろばんは、持ってること自体がステータスだったわけです。おそらくお正月の仕事始めに、丁稚たちの前でちょんちょんと弾くぐらいで、あとは丁稚たちが綺麗に磨いて飾っておいたと思われます」
山形から鹿児島へ
数あるそろばん博物館のそろばんの中で、石戸さんが非常にこだわりのあるそろばんがあります。
石戸「五玉が2個、一玉が5個の27桁のそろばんなんですが、特にすごくいいというわけではないんです」
そのそろばんの裏板と、入れてある箱にはいろいろな書き込みがしてあり、それによると、幕末の頃から明治の中頃までにかけて、持ち主が何人も変わってることがわかるそうです。
石戸「その持ち主を年代順に調べていきますと、山形県と鹿児島県を二往復しているというそろばんなんですね」
明治維新後、戊辰戦争の頃、山形県は米沢藩だったので会津と一緒に旧幕府軍として戦いました。相手は薩摩藩・長州藩・土佐藩を中心とする新政府軍。
その時、このそろばんは薩摩に持っていかれたようです。
石戸「五玉が2個、一玉が5個の27桁のそろばんなんですが、特にすごくいいというわけではないんです」
そのそろばんの裏板と、入れてある箱にはいろいろな書き込みがしてあり、それによると、幕末の頃から明治の中頃までにかけて、持ち主が何人も変わってることがわかるそうです。
石戸「その持ち主を年代順に調べていきますと、山形県と鹿児島県を二往復しているというそろばんなんですね」
明治維新後、戊辰戦争の頃、山形県は米沢藩だったので会津と一緒に旧幕府軍として戦いました。相手は薩摩藩・長州藩・土佐藩を中心とする新政府軍。
その時、このそろばんは薩摩に持っていかれたようです。
鹿児島から山形へ
明治10年には鹿児島で西南戦争が起きます。その時、東北からはたくさんの抜刀隊が行っています。
その時に、何かの縁でこのそろばんを取り戻してきたのではないか、と石戸さんは推測します。
石戸「私が最後に手に入れたのは鹿児島の古物商なんです。約45年間の間に二往復してるんですね。ですから我々にとっては本当にロマンを掻き立てる、まあ、なんていうかジワ～っとくるそろばんですね」
多田「幕末のそろばんから、その頃の歴史が見えてきて、そのそろばんを弾いた人の顔も見えてくるようですね。戦利品として頂いていこうとぐらいに、つまりそろばんは貴重なものだったんですね」
石戸「普通、武士はそろばんを蔑んで見ていたきらいがあるんですが、このそろばんに関しては、おそらくとっても大事にされたそろばんじゃないかなって思います」
その時に、何かの縁でこのそろばんを取り戻してきたのではないか、と石戸さんは推測します。
石戸「私が最後に手に入れたのは鹿児島の古物商なんです。約45年間の間に二往復してるんですね。ですから我々にとっては本当にロマンを掻き立てる、まあ、なんていうかジワ～っとくるそろばんですね」
多田「幕末のそろばんから、その頃の歴史が見えてきて、そのそろばんを弾いた人の顔も見えてくるようですね。戦利品として頂いていこうとぐらいに、つまりそろばんは貴重なものだったんですね」
石戸「普通、武士はそろばんを蔑んで見ていたきらいがあるんですが、このそろばんに関しては、おそらくとっても大事にされたそろばんじゃないかなって思います」
そろばん新時代
電卓の登場で、そろばんを習うこどもたちが少なくなり、平成10～15年ぐらいまでがそろばん人口の一番氷河期だったそうです。
現在はこの頃と比べ3割から5割ぐらい増えてるということです。
増えた理由には、そろばんに対する考え方の変化がありました。
「単なる計算機からですね、今は、小さいこどもの能力開発、それから協議会等を通じまして交流の場という形になって、今は外国人も結構、習うようになりました。これから海外普及にも参るんですけども、とっても楽しみです」
そろばんにかける夢を力強く語られる石戸さんでした。
（尾関）
現在はこの頃と比べ3割から5割ぐらい増えてるということです。
増えた理由には、そろばんに対する考え方の変化がありました。
「単なる計算機からですね、今は、小さいこどもの能力開発、それから協議会等を通じまして交流の場という形になって、今は外国人も結構、習うようになりました。これから海外普及にも参るんですけども、とっても楽しみです」
そろばんにかける夢を力強く語られる石戸さんでした。
（尾関）
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