多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

意外と知らない!「お線香」のあれこれ

もうすぐお盆の季節で帰省するという方も多いと思いますが、8月7日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、お盆には欠かせない物である「お線香」について取り上げました。

普段、何気なくあげているお線香ですが、意外と知らないことが多いようです。
今回は、線香を製造している会社である日本香堂の青西絵理子さんに、多田しげおがいろいろとお話を伺いました。

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東西で主原料が違う!

まずは根本的な話になりますが、そもそも、お線香は何からできているのでしょうか。

青西さんは「クスノキ科の椨(たぶ)という木の樹皮が主原料ですが、これは粘性や弾性があることから好まれていて、これを糊分にして水と合わせて練って整形し、乾燥させた物がお線香です」と解説しました。

ちなみに椨は主に西日本で使われており、東日本では杉の葉っぱが多いのだそうです。うどんのダシのように、お線香の主原料にも東西の違いがあるとは思いませんでした。

ただ、これはあくまでも主原料であって、線香はこれらの植物ではない香りがしますよね。

これは香りを付けるためにビャクダンや沈香(じんこう)といった香木を混ぜているのですが、高級品だと香木の方が割合が多い物もあるそうです。

最初は棒状じゃなかった

線香の正体はわかったとして、次に気になるのは、なぜご先祖様にお供えするのがお線香なのかということ。

それは、お線香が仏様へのお供え物の一つだからとのことで、仏教と密接な関係にあります。

お線香は仏教の伝来と共に、6世紀頃に日本へ入ってきた物ですが、最初はお焼香、つまり細かく刻まれたような形だったそうです。

今はほとんどお葬式でしか見る機会はありませんが、棒状のお線香の形になったのは意外と新しくて15世紀、日本では17~18世紀頃にやってきた物だそうです。

刻んですぐ使えるという点ではお焼香は優れているのですが、常に熱源が必要という点では不便です。

そこで、一度火を点けると自ら燃え続けてくれるお線香の方が便利ということになり、今やお線香の方が一般的に広く浸透しています。

お供え以外の使い方も

今でこそ、「お線香=お墓参りやお仏壇にお供えする物」というイメージが強いのですが、昔はお供え物以外でも使われていました。

例えば、江戸時代には線香に火を付け、全て燃えたら○○分といった時計のような使い方をされていました。

さらにさかのぼると、平安時代には薫物(たきもの)という黒い丸薬状の物を作り、香りを楽しんだり、清めたり、また贈答用としても使われたそうです。

それが後に、茶道や華道のような芸道である「香道」へと進化していきました。

香りを楽しむという点では、現在でも若い女性が自分の部屋に香りを付けて楽しむといった、アロマテラピーとしても使われており、そのために煙が少ないお線香も発売されています。

今年のお盆は、自分が好きな香りや、亡くなられた方が生前に好んで付けていた香りでで線香を選んでみるのも良いかもしれませんね。
(岡本)
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2018年08月07日07時21分~抜粋

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