多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

火星大接近!15年ぶりに火星が近くに見える。

火星が地球に大接近しています。最も近づくのは7月31日です。
そこで27日の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では天体の不思議シリーズとして「火星」を取り上げました。

今回も名古屋市科学館の天文係、毛利勝廣さんに、火星の大接近の仕組み、生命体の存在などを伺いました。

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15年ぶりの大接近

多田「太陽から『水・金・地・火・木』ですから、太陽を中心にして地球のすぐ外側を回っているのが火星。それが大接近しているそうですが、どういうしくみですか」

毛利先生「火星が地球に近づいているわけではないです。太陽があって、地球はほぼ円の軌道で回っている。その外側を火星が結構な楕円で回っています。すると地球の軌道と火星の軌道が近い時と遠い時があります。もうひとつ、遠いという意味では、真ん中に太陽があって地球がこっちで火星が向こう側だとすごく遠いです。近づくということは並ぶということです」

多田「地球は1年で太陽のまわりを一周しますが、火星は?」

毛利先生「外の方が遅いので687日かかります」

多田「すると地球が火星を常に追い越していくことになりますから、どちらかというと地球が火星に大接近ですね」

毛利先生「追いつくだけの接近は2年2カ月ごとにあります。ただお互いの軌道の近いところで並ぶというのは15年ぶり。2003年以来の明るい火星が目で見えるということです」

惑星大集合

多田「その時、火星は何キロくらい離れていますか」

毛利先生「5,800万キロ弱です。遠い時は1億キロあります」

多田「空のどこに見たら火星はありますか」

毛利先生「近いということは明るいので、よくわかります。晴れた時、夜10時頃は南からちょっと東の空を見ると、少し赤くてとても明るい星が火星です。他に匹敵する明るい星はないのですぐわかります。
火星は望遠鏡で見ても模様がはっきりしません。ただ8月に入って、金星、木星、火星、土星と揃って見えます」

リスナーからもおたよりが届いています。

「火星大接近ですね。望遠鏡買いました。今年は惑星大集合だしね」(Aさん)

毛利先生「惑星大集合を楽しんでください。8月中ずっと火星は明るいです。寒くなるまで見え続けて、だんだん暗くなってさよならと見送れるのも特徴です」

火星はどんな星?

毛利先生に火星はどんな星か伺いました。
直径が地球の半分くらい。月は地球の4分の1くらいのなので、その間くらいの大きさ。

火星の表面はクレーターがたくさんあったり、大きな山があったり、大渓谷が広がっていたり、長い大きな谷があったりします。基本的に小さい天体の方が、地形はダイナミックになります。なぜかというと、大きいと重力でだんだんきれいな丸を作ろうとするからです。

火星のオリンポス山は高さ2万6,000m。エベレストは8,000mですから3倍くらいです。
谷はマリネリス渓谷といわれ、長さ4,000m、深さは1,000mくらいあります。

大気は薄く、二酸化炭素が多い。風が吹いて砂嵐や竜巻が起こったりします。
気圧は低く、霜が降りたりします。

火星に生き物はいるの?

火星といえば、一番興味があるのはコレですね。

多田「火星人、生き物はいますか」

毛利先生「今のところは見つかっていません。
昔は、地球から運河のようなものが見えた。するとすごい知的生命がいるだろう、火星人がいる、と思われていました。

1960年代に探査機が行って、運河はないとわかりました。70年代には探査機が砂をすくって、表面には生き物がいないとわかりました。
火星は46億年経っていますから、今も、かつて微生物的な生命があったかどうかを調べています。
地球だけが宇宙の中で特別な存在なのか、より一般的に生き物がいるのか。もう一カ所でも生き物の痕跡があれば、銀河系の中、きっとどこかに確率論として"いる"ことになります」

最近、火星の地層の下の方に湖があるとわかりました。水がある状態は結構生き物には便利な状態で、原始的な生命の手前の物質があるかもしれません。

火星に移住?

多田「火星のことがわかっているのは探査機が行っているからですね」

毛利先生「周回機も回ってますし、火星の表面には今2台車が走っています。アームやドリルやパノラマカメラや実験装置が積んであったりします。
我々という存在を確認するために火星はとても大事な天体なんです」

多田「火星は地球によく似てるんですね。火星の表面温度は?」

毛利先生「地球よりは寒くて平均氷点下40度~50度、暖かいとたまに10度、20度になります」

多田「それでも地球に環境がもっとも近い。それで将来火星に移住とか言われるわけですか」

毛利先生「天体的にも近いですから。月は空気もないし。順番にいくとなると自然に次は火星ですね」

名古屋市科学館ではプラネタリウムで「火星大接近」をやっています。また8月の終わりから9月10月と、「火星をみる会」をやっているそうです。

多田は最後に「今、火星大接近しています。夜の10時ころ南の空からちょっと東あたり、普通に見上げると、火星が光っています。ちょっと赤っぽい星です。7月31日がいちばん近いですが8月中十分明るく光っています」と「火星大接近」をまとめました。

2015年のSF映画「オデッセイ」では、火星にひとり取り残された主人公が、そこでいかにサバイバルするかというものでしたが、移住もあながち空想ではないのですね。
(みず)
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2018年07月27日08時15分~抜粋

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