アメンボの新種を発見した“スーパー女子高生”に、直接聞いてみました

多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N / カルチャー

6/21放送の『多田しげおの気分爽快!!朝からP・O・N』では、「アメンボ」について取り上げました。
正確に言うと「60年ぶりに新種のアメンボを発見した、すごい女子高生3人組」の話題です。

その3人とは、長崎県立長崎西高校の、朝鍋遥さん、平野安樹子さん、桃坂瞳さん。いずれも同校生物部に所属する3年生です。そのうちの1人、朝鍋さんに生電話で話を伺います。
聞き手はパーソナリティの多田しげお。番組アシスタントは山内彩加アナウンサーです。

まさにアメンボ博士

まず、アメンボの基本的な情報から教えてもらいましょう。

多田「水の上をスススーッと泳いでるアメンボは、あれが成虫の姿だと思っていいんですか?」
朝鍋さん「はい、恐らくそうだと思うんですけど、この春の時期は結構、卵から幼虫が生まれるので、もしかしたらサイズが小さければ幼虫の可能性もあります」

アメンボはいわゆる「不完全変態」という成長をするので、幼虫も成虫も形は同じです。

朝鍋さん「生まれた瞬間からあの足の長い形をしてて、サイズはちょっと小さいんですけれども、脱皮を繰り返す毎にどんどん大きくなって、成虫になります」

脱皮は5回するそうです。

では、どういう仕組みで水面に浮いているのでしょう?

朝鍋さん「いくつか理由はあるんですけど、その1つとしては、脚の先にすごく緻密な毛が生えていることだったりとか、あとは脚の先っぽから油のようなものを出して、水を弾いてるだとか。いろいろ要因があります」

何を聞いてもスラスラ答える朝鍋さんに、多田も山内も感心しきりです。

アメンボのトリビア

では、エサは何を食べているんでしょう?

朝鍋さん「水面に落ちてくる昆虫の体液を吸って生活しています。口の先がストローみたいな感じになっているので、それを昆虫にブスッと刺して、そこから吸っています」

その姿は「なかなかのハンター」だという朝鍋さん。「全然自分より身体の大きなトンボやハチやセミなどにも果敢に行くので、恐ろしいなあと思います(笑)」

軽やかにスイスイ泳ぐ姿からは想像できない、「へえ、そうだったんだ!」と言ってしまうような意外な生態ですね。

朝鍋さん「あ、もう1つ、『そうだったんだ!』ということで。実はアメンボはカメムシの仲間なので、ちょっとニオイを出すんですよ」

アメンボは生物学上「カメムシ目カメムシ亜目アメンボ科」に分類される生き物で、カメムシほどの激臭はしませんが、ニオイを出す器官があるのです。

朝鍋さん「そもそもアメンボっていう名前の由来が、『飴のようなニオイがする』ことから来てるらしいです」

“飴の棒”もしくは“飴の坊”からアメンボとなったようです。雨が降った水溜まりでよく見かけるので「雨」が語源だと思われがちですが、実は飴だったんですね。

豆知識ならぬアメ知識でした。

こんなところにアメンボが!?

さて、本題です。新種のアメンボを発見した場所はどこだったんですか?

朝鍋さん「長崎県の中央にある大村湾で見つけました」

“湾”ということは、海ですよね。海にアメンボが!?淡水の生き物ではないんですか?

朝鍋さん「はい、アメンボは大きく分けると、川や池などに棲む淡水のグループの他に、海に棲むグループも存在してるんです」

またもや意外な事実を知らされ、多田も山内もひたすら驚くばかり。

朝鍋さん「その2つの決定的な違いというのが、外見の差にあるんです。淡水にいるアメンボは、皆さんお馴染みの細長い形をしているんですけれども、海に棲んでるアメンボは丸くて小さい形をしていて、全然外見が違っています」

我々素人には、見た目だけではアメンボだと認識できませんが、海面をスイスイ泳いでいる感じはアメンボそのものなんだそうです

「ほぉー、ほぉー」と言うばかり

最初はその大村湾で、海のアメンボを観察・研究していた朝鍋さんら生物部の面々。その途中で、淡水に棲んでるはずの細長い形のアメンボが海で泳いでるのを見つけ、疑問に思って研究を始めたんだそう。単純に、素朴な疑問からだったんですね。

これが昨年6月のこと。その後、50回以上現場に通い、通算で300個体以上のアメンボを調べ、普通の淡水に棲むアメンボとの違いをいろいろ見つけていったんだとか。
例えば、触角の長さ、脚の長さ、卵の表面の構造の違いなど。

卵の表面の構造。詳しく聞きたいところですが、聞いても素人には理解しづらいかもしれません。
「どう違うのか、ちょっとだけ言ってくれる?」と多田が恐る恐るお願いします。

朝鍋さん「電子顕微鏡で観察したんですけど、卵の表面に突起があるんです。その突起が普通のアメンボより新種のアメンボの方が大きいということがわかって。それはやっぱり海に適応した形なんじゃないかっていう考察をしています」

もう、多田も山内も感嘆の吐息しか出ません。

まさに未来のファーブル

そんな地道な研究の結果、これまでに登録されていない未記載種だとわかった時はどんな思いでしたか?

朝鍋さん「驚いたのはもちろんなんですけど、『ああ、アメンボの新種がいるんだ!』っていう感動がすごいありました」

さて、新種の発見者にはその名前を決めることができますが、朝鍋さんたち3人は「ナガサキアメンボ」と名付けました。いろいろ案はあったものの、やはり長崎で発見されたことと、長崎でしか見られないこと、そして長崎という場所が好きだということが大きいそうです。

やり遂げた後の感想を聞いてみました。

朝鍋さん「元々昆虫が好きで、好きなものをとことん突き詰めて考えていくっていうことの、素晴らしさや楽しさを実感しました」

楽しいと感じるのは素敵なことですね。

専門家にまとめてもらった論文に、発見者として名前が載るという名誉を得た朝鍋さん、平野さん、桃坂さんの3人。今後は新種の標本が世界各地の博物館に展示されるそうで、それをみんなで楽しみにしているということです。

ワールドワイドな“スーパーJK”の活躍に、最後まで圧倒される多田と山内なのでした。
(岡戸孝宏)
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2018年06月21日07時38分~抜粋

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