6月14日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、いま話題の「民泊新法」を取り上げました。
「住宅宿泊事業法」いわゆる「民泊新法」という法律が明日から施行され、マンションの部屋などに旅行者を有料で泊める"民泊"が解禁されます。
「民泊新法」はどういう法律なのか、これからどうなっていくのか、CBC論説室の石塚元章特別解説委員が解説します。
どこから生まれた『民泊新法』?
これまで民泊は、法律(旅館業法)、あるいはエリア(国家戦略特区)によって認められるケースがありました。
しかしそのどちらにも適合しないで行われる"民泊"では、騒音やごみ問題などのトラブルが問題となっていました。
石塚委員「いま日本は外国からたくさんお客さんに来てもらって、それで経済を活性化しようという方針があります。だから泊ってもらうところがないといけないが、そこにトラブルが増えてきた。
この両方の整合性をとるために、正規に民泊を認めて、それを増やして、その代わりに規制を厳しくするというのが『民泊新法』です」
多田「現状の後追いで法律ができたということですね。その内容は?」
石塚委員「いろいろ基準を決めて、これをクリアしたら届け出てください。そうすれば認めましょうということです。
今回、問題になっているのは基準が意外に厳しいということです。例えば営業できる日数は年間180日、一年の半分くらいまでです。
あと、設備とか基準もしっかりやってくださいということです。所有しているけど自分が住んでない時は、どこか管理する業者ときちんと契約しなさい。掃除とか防火の設備をきちんとやりなさい。それらをクリアにした書類を作って届け出なさいとなっています」
今まではサイトで予約
現在ネット上には民泊を扱う大手仲介サイトがあり、そこで簡単に予約できます。
石塚委員「サイトには最大6万件以上が登録されていました」
今後自治体に届け出ないものは「ヤミ民泊」となるわけです。
石塚委員「観光庁が決めたのだから、ちゃんとした民泊でないものは、サイトに載せないでくださいと言われたので、その大手のサイトが急に、明日以降のものを削除し始めた。それで、日本に来ようとした外国人が、急に消えて困ったというトラブルが起きています。
大手サイトでは6万件あった登録は、いま1万数千件に減っています」
問題になったトラブルとは
これまで無許可の民泊において多かったトラブルはなんでしょう?
石塚委員「知らない人がやたら出入りしている。治安上不安だというのがあります。もちろん、ちゃんとした観光客の人が泊っている例もたくさんありますが、ニュースになっているのが、オレオレ詐欺の拠点に民泊の施設を点々としながらやっていたのが摘発された、という話もあります」
多田「お客さんは、ゴミはちゃんと出すのとか」
石塚委員「トラブルがあった時、誰に注意していいかわからないです。
今度の新法では、きちんと身元を確認して、本人確認して、宿泊者名簿を作りなさいというのもルールになっています」
多田「ゴミなどを出してなかったら、管理する人がルールにのっとってちゃんと出す、清掃もするということですね」
これからの課題は?
多田「ハードルの高い法律ができました。それでは民泊ビジネスができない、という人がたくさん出ますね」
石塚委員「片方で、経済の活性化のためどんどん受け入れたい。でもホテルの数には限界がある。民泊はそれを補ってきたはず。トラブルが起きた。では、基準を厳しくしましょう。
一方で、投資して設備を整えて、管理会社と契約して、でも、民泊は半年しか営業できないから困るという人が増えます。
そうすると、やめましょうとなるか、それでもやりたい人はヤミになります。こっそりどこかでやるというケースも出るかもしれない。これは次の課題です」
多田「国としては大きな矛盾を抱えてしまったということですね」
石塚委員「大手の仲介サイト、不動産会社は、これをビジネスチャンスにしようと一生懸命アイデアを出しています。一般の人も簡単にできるというメリットがありましたが、その部分をどうするかがひとつの新しい課題となりました」
「民泊新法」によってどう変わるのか行方を見守りたいです。
(みず)
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2018年06月14日07時25分~抜粋