多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

国産傘メーカーの意地!折り畳みのビニール傘がついに登場

もうすぐ雨の季節になろうとしています。今、長い傘はビニール傘が多くなりましたが、折り畳み傘は布製と決まっていました。ところが、このたび折り畳みのビニール傘が登場したそうです。

5月31日の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、その傘を作ったホワイトローズ株式会社代表の須藤宰(すどうつかさ)さんにスタジオでお話を伺いました。

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ビニール傘、開発までの道のり

ホワイトローズは老舗洋傘メーカー。創業は297年前の享保6年、徳川吉宗の時代です。武田長五郎商店と言い、初代は刻みタバコの卸業でスタートしたそうです。
やがて雨具商を経て洋傘のメーカーになり、世界で初めてビニール傘を作りました。須藤さんは10代目の社長さんです。

須藤さん「ビニール傘は9代目の父の時代、昭和27年から33年の間に開発しました」

当時は綿の傘が主流でしたが、綿は防水が悪かったり色落ちしやすかったりします。これを解決するために、進駐軍が持ってきたテーブルクロスのビニールに着目して、傘にかぶせるシャワーキャップみたいなものを開発しました。それが最初で、バカ売れしたそう。

ところがナイロン傘の登場により、綿のデメリットを全部解消しました。するとカバーが不要になりました。
そこで水が漏らないビニールを、骨に直接貼ったら最高だろうと思い、開発したそうです。

選挙演説のときのビニール傘

作った当初は、傘業界から「こんなもの」と言われたそうですが、徐々に認知されていきました。

多田「確かに、私の世代は、ビニール傘は使い捨て、簡便なものというイメージもありましたが、最近は完全に変わってきました。そのイメージを変えたのがホワイトローズ製のビニール傘ですね。しっかりした上等なものが出てきました」

須藤さん「傘は空から降ってきたものから人間を守る道具と考えると、今の1万円クラスのビニール傘にたどり着きました」

多田「特に注目されたのが、雨の日に選挙で立候補者が演説会をやる時の傘。いい傘だ、ホワイトローズ製だということで注目され、一気に普及しましたね」

須藤さん「そうですね。丈夫で透明で、前がよく見える、いわゆる機能性のある傘です」

"おちょこ"にならない

多田「簡便なビニール傘は、ちょっとの風で、おちょこ、つまり反対側にひっくり返る、そうならないような工夫もされたんですよね」

須藤さん「傘に穴をあけたんです。内側からの風が吹き抜けやすいので、おちょこになりにくいです」

“逆止弁”という名前で、風が吹き込むと、そこから風が抜けて行って、傘は保たれるようになっているそうです。もちろん外から雨は入りません。

須藤さん「それで丈夫な傘が実現できたので、しっかりとお客様をお守りできます。玄関から出られたお客様が安全にお家まで帰ってこられるまでがうちの仕事です」

折り畳みのビニール傘完成!

現在日本でビニール傘を作っているのはホワイトローズ株式会社だけだそうです。
そしてこの度、折り畳みのビニール傘を開発しました。

須藤さん「今まで中国製で本当に簡単なものがあったんですが、すぐ畳めなくなります。ビニールはしわが残らないので。折り畳みは非常に複雑です。それがネックで、解消するのに約3年かかりました。事前に畳みジワを備え付けることにしました」

多田は現物をを手にして実際に開いたり閉じたり。

「よく見ると、ビニールの生地に筋が入っているような。このラインをつけることによって、畳むとすっとそこで折れる。布製よりずっとスムーズに折り畳まれていきます。勝手に畳まれていくイメージです」と、感心しきり。

須藤さん「これも逆止弁がついています。少しでも便利な商品を作りたいですから、専門業者としての意地を見せたということです」

きっぱりとした物言いが、いかにも江戸っ子らしい須藤さんです。

ビニール傘でもお直し可

多田「今、世間の人が持っているのは長い傘と折り畳み。どちらが多いですか?」

須藤さん「都市部では7割くらいは折り畳み傘が使われているし、要望されているという調査があります。だから、我々も折り畳み傘を出すのが念願でした。いろいろな問題がありましたが、出す以上は壊れにくいものを、と考え3年もかかりました。

販売は今年の9月、値段は消費税込みで15,120円。5年、10年使っていただくつもりで作っております。お直しがしっかりできることも特長です」

"おちょこ"か"しいたけ"か…

インタビューにあるように、傘がひっくり返ってしまうことを東京では「おちょこ」というそうですが、多田は「大阪では"まつたけ"と言っていました」とか。

それに対して、こんなおたよりが届きました。

「傘がひっくり返ってしまうことを"でんぐり傘"といいます」(愛知県碧南市のAさん)

「こちらでは"ラッパ傘"になると言います」(名古屋市北区のBさん)

でんぐり傘は「でんぐり返し」の"でんぐり"でしょうか。ラッパは見た目そのままですね。

「こどもの頃はパラシュートだと言って、ちょっと高いところから傘を開いて飛び降りて、傘を"おちょこ"にしていました」(Cさん)

多田は「やったねー、あんなものでパラシュートの代わりになるわけないけど、ちょっと傘の内側に空気を含む感じがあったなぁ」と、いかにも懐かしそう。

憂鬱な梅雨のシーズンも、お気に入りの大事な傘があれば少しは心が晴れますよね。
(みず)
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2018年05月31日07時21分~抜粋

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