多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

東京スカイツリーで、気象観測が行われている!

東京スカイツリーが開業してから、22日で6年目を迎えました。

そこで、5月29日の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、東京スカイツリーで行われている気象観測を取り上げました。

高さ634メートル、世界で2番目に高い人工の構造物で何を観測し、どんな成果があがっているのでしょうか。
気象予報士の沢朋宏アナウンサーが解説します。聞き手は多田しげおです。

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されど100m

スカイツリーのだいたい300m~450mの高さのところに、観測項目ごとに適した位置に気象観測装置がつけられているそうです。

沢「今までの東京タワーが333mです。400mというとたった100mですが、この100mの違いで今まで分からなかったことが、一気に分かるようになりました」

今までは気象観測というと降水量、気温といったものをアメダスで測るイメージがあります。これらは人が生活している空間で気温、雨を測りますが、そうではないものが空中に置かれているのです。

沢「空中におかれるべき意味のある観測装置があります。ひとつは雷、もうひとつは雲です」

雲の中で観測

そこそこ曇りの日でもスカイツリーの上層階は雲の中に隠れていることがあります。つまり、雲の中での観測ができるようになったわけです。

沢「雲は小さな水の粒の集まりです。ここまではわかっています。例えば、その単位面積、1ミリ四方の箱の中にどれくらいの粒があると白く見えたり、黒く見えたりするのか。またそれぞれの水の粒はどれくらいの大きさなのか。コンマ何ミリ以下くらいしかわからなかった」

こうしたことが、雲の中における観測でわかるようになったそうです。

沢「これまでそういう観測を行ってないわけではないが、飛行機を飛ばしていました。となると、1回あたりの費用も高いし、常時観測はできません」

スカイツリーならいつでも観測可能ということです。

雷の観測

次は雷の観測ですが、何の研究をしているのでしょうか。

沢「雷は雲の中に観測装置を置くことで、雷の電流の強さはどれくらいかとか、雷の"ピカッ"はコンマ何秒なのか、という時間の長さとかを測ることができます。
最近家庭でも雷から機械を保護する装置を付けるようになりましたが、あれはどこまでの電流、どこまでの長さに対してカバーすればいいのか。今用意しているもので足りないかもしれないし、強すぎるかもしれない。一番コストをかけずに済むところはどのくらいかを探ろう。これは世界で最も研究されているジャンルで、それが東京スカイツリーで行われています」

333メートルの東京タワーでは年間に1、2回くらいしか観測できなかったことが、スカイツリーだと年間10回以上観測できるそうです。

さまざまな雷の形

世界で一番高い人工の構造物はドバイのブルジュ・ハリファ(829.8メートル)ですが、沢アナによれば気象観測には意味がないそうです。その理由を当てる多田。

多田「いつも晴れだから!よかった、四季のある国で。スカイツリーで、真横で雷が鳴っているのを見てみたいな」

沢「雷は落ちるというイメージがありますが、空中放電といって落ち切らないもの、横に走るものもあります。そういうのも含めて観測できます。樹木のように分散したりとか、いろんな形のものがあります」

温室効果ガスの研究も

多田「高い場所での観測で、常時観測できるのがすごいですね。世界でトップレベルの観測地点と言っていいですか?」

沢「場所、環境が他に類を見ない観測地点です。雲もスカイツリーができたことで、海の上の雲と都市の上の雲が違っていること。さらに温室効果ガスの研究も行われています。
これも東京という大都市の上空に観測装置をつけることで、今の温室効果ガスの増え方が自然の植物の呼吸由来によるものか、人間の生活が生み出しているものかを見ていこうという研究も行われています。
気象の世界はわかってないことが多いです。そういったものを解明しようという拠点です」

多田は「観光がどうこうでなく、スカイツリーは気象観測においてすごく大きな働きをしている、ということですね」と感心しました。

気象観測に大きな役割を果たしているスカイツリー。上る機会があればぜひそのことを思い出してください。
(みず)
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2018年05月29日07時21分~抜粋

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