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キラウエア火山噴火のハワイ島、現在の危険度は?

5月3日にハワイ島のキラウエア火山が噴火し、溶岩が住宅地に流れ込んで30棟以上の建物が被害を受けています。噴火活動は未だに続いており、多くの住民や観光客が避難しています。

7日『多田しげおの気分爽快‼︎』では、この噴火について名古屋大学大学院環境学研究科教授の山岡耕春先生に伺いました。

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珍しいタイプの噴火

今回の噴火は、よくあることなのか、それとも特別な活動なのでしょうか?

「過去20~30年の内で言うと、非常に珍しいタイプの噴火です」

ハワイ島は、プウ・オオという火口から、 1983年以来ずっと溶岩を流していたのですが、今回はそこから少し北東に離れたところで、新たに地下からマグマが噴き出しました。

「場所は、レイラニ・エステートっていう地域なんですけども、昨日(6日)からさらに増えて10カ所ぐらいの割れ目ができて、そこから溶岩が噴き出してるんですね。もうすでに家が飲み込まれたらしいということで、まだまだ拡大する可能性があるという状況です」

今回の噴火の特徴

「溶岩が流れてきて家が潰されるというより、人が住んでいるところから、いきなり噴火が起きたというのが、今回の状況なんです。
ただ溶岩の高さは、噴き上げても10メートルとかそのぐらいなので、そんなに迫力あるようなものではないみたいですね」

今後噴火活動は収まるのでしょうか?それともさらに激しく噴火していくのでしょうか?

「まだわからないですね。このままもう少し亀裂が伸びていって、噴火口が長く伸びていく可能性はまだありそうな気がしますね」

ハワイ諸島は典型的な火山

ハワイ諸島は、海底火山の噴火でできた島々。北西方向から南東方向に一直線に島々が並んでいます。
北西からカウアイ島、オアフ島、モロカイ島、ラナイ島、マウイ島。一番南東にあるのがハワイ島です。

地質学者にとってみれば、火山の標本のような場所だそうです。

「典型的な火山で、さらに地球の中心の深さ3,000キロぐらいのところからマントルが上昇してきて、噴火してるんです」

ハワイ島の南東沖に「ホットスポット」というマグマの噴出口があります。その上をハワイ諸島を乗せた太平洋プレートが北西方向に移動しています。
不動のホットスポットの上を、プレートが移動していく時に、マグマの噴出で出来たのがハワイ諸島です。

古い島から並んでいる

「ですから今一番活発なのは、南東側にあるハワイ島で、みなさんが多くいらっしゃるホノルルがあるオアフ島ってのは、随分昔に噴火をして、今は噴火をしていない火山です」

一番南東のハワイ島はまだまだ噴火によって出来つつある島。それに対して一番古い北西のカウアイ島は噴火が一切ないかと言えば、そうでもなさそうです。

「すっかり落ち着いて、今は浸食されているばっかりなんですけども、ただ、ちょっと不思議なことに、ここも時々噴火するんですね。残りかすみたいなのがあって噴火するんです」

古い島から順番に一列に並んでいるハワイ諸島は、地質学者にはとても研究しやすいところです。

「昔から、典型的な火山として、世界中の人が研究してるんですね」

やがて日本にハワイがやって来る

プレートが北西方向に動いているということは、北西の端のカウアイ島の、その先にも大昔に出来た島があるということですか?

「海に沈んだ島がずーっと並んでいて、アリューシャン、カムチャッカ半島の方まで伸びています。これが1960~1970年代にプレートが動いている証拠の一つになったんですね」

何千万年前にホットスポットの上をプレートが通過した時に出来た島々が、北西方向に並んで海底に没んでいるそうです。

「本当にずっと続いてるんですよ。途中でプレートの動きが変わるとか、いろんなことがこれでわかっています。今の動きで言うと、あと数千万年ぐらいすると日本までハワイがやって来る、そんな感じの繋がりになってますね」

これから出来る島ロイヒ

ということは、ハワイ島のもっと南東の方には、新しい島が産まれているんですか?

「海底に"ロイヒ"っていう海底火山があって、それも噴火をしていることがわかっているんですけど、まだ海の上に顔を出すまでには至っていません」

まだ島にはなっていませんが、もう名前は付いていました。
だいたい何万年毎に島が一個できてるんのでしょうか?

「島の間隔が100キロぐらいですから、100キロというのは100万年ぐらいですかね」
100万年後にはハワイ島の南東に、新しい島が出来ているはずです。

ハワイ島は大丈夫?

何棟もの家がマグマに飲み込まれるニュース映像では大変なことが起こっているようですが、山岡先生はこうも言います。

「ハワイ島は大きいので、本当に噴火してるところ以外は特に問題はないということも、知っていていいかなと思います」

以前、研究活動で2か月間ハワイ島に住んでいたという山岡先生によれば、ハワイ島は一周するのに車でも一日かかる大きな島だそうです。

「海水浴とかいろんなリゾートがあったり、美味しい食べ物があったり、非常に自然を満喫できるところがあれば、本当に、間近で火山活動を見るところもある非常に自然に富んだ島ですね」

現在のところ、ハワイ島への渡航はそれほどナーバスになる必要はなさそうです。
(尾関)
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2018年05月07日07時19分~抜粋

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