金星の位置を知るのに、太陽系を名古屋市営地下鉄東山線で例えると

多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N / カルチャー

4/27放送の『多田しげおの気分爽快!!朝からP・O・N』では、「天体の不思議特集」として、金星を取り上げました。
名古屋市科学館の学芸課天文係・毛利勝廣さんにスタジオに来てもらい、パーソナリティの多田しげおが話を伺っていきます。

宵の明星・明けの明星

夕方、西の低い空に見える、一際輝く星が金星です。「宵の明星」とも呼ばれている、いわゆる一番星です。
逆に明け方、東の低い空に見えるのが「明けの明星」。

どちらも同じ金星なのですが、昔は別々の星と考えられていたようです。しかしそのうち、ある一定の周期でかわりばんこに出てきて、見え方もよく似ているということで、同じ天体だと認識されるようになりました。

今年2018年は、3~9月頃まで宵の明星がよく見え、特にこれからはさらに明るく長時間見られるということです。

太陽系を地下鉄で例えると

金星は、地球に最も近づく惑星です。地球の隣にはもう1個、火星という惑星があります。その距離関係を、なんと名古屋市営地下鉄東山線で例える毛利さん。

大きな球体が目印の名古屋市科学館は、伏見駅近くにあります。この球体を太陽と見立てましょう。つまり、伏見駅に太陽があるとします。
そこからCBC社屋の最寄り駅・新栄町駅まで行きます。この辺りが水星の位置です。
その次の金星が、今池駅。
地球が、覚王山駅。
火星が、東山公園駅になります。

今池~覚王山間(水星~地球)よりも、覚王山~東山公園間(地球~火星)の方がちょっと長めなので、地球から見ると金星がやや近いということです。

文字で読んでもわかりづらいと思われるので、機会があれば地下鉄に乗って体感してみるのもいいでしょう。

金星が火星に人気を取られた理由

金星が一番近いのに、我々地球人にはなぜか火星の方が身近に感じられますよね。宇宙人と言えば、真っ先に"火星人"を思い浮かべてしまうほど。

その理由として毛利さんがまず挙げたのが、太陽系において火星が地球の外側にあること。
太陽、地球、火星の順番に並んでいるので、日光を反射している火星がよく見えます。要は、夜空にハッキリ輝いて見えるんですね。

一方金星は、太陽と同じ方向のため、逆光になって見えづらいのです。要は、金星が出るのは太陽と同じ昼間だから、空が明るくてよくわからないのです。そして、空が暗くなっている明け方か夕方に見えると。

特に火星は地球と2年2ヵ月の周期で接近しており、ちょうど今年7月末は15年振りに“火星大接近”と言われる現象が起こるそうで、こうなるとますます火星が夜空に大きくハッキリ見えるので、人々の目に付きやすいんですね。

それに、19世紀にはすでに「火星には生物がいるのではないか」という推測がされており、SF小説には火星人という発想も生まれていたので、ついつい火星の方が話題にされやすいのだということです。

西から昇った太陽が東へ沈む

さて、金星の大きさはどれくらいあるのでしょうか?

絶対値で言うと、赤道面での直径は12,103.6kmなのですが、ピンと来ませんね。なので、毛利さんに相対的にわかりやすく教えてもらいましょう。

「地球を1とすると、金星は0.95です。ほぼ一緒、ちょっと小さいくらい。火星の方は随分小さくて、0.5なんです」

なんと、その存在感とは裏腹に、火星は地球のたった半分。地球の兄弟星と言ってもいい"体格"の金星に対し、多田は「金星には失礼やったねー。全然知らんかった」と反省しきりです。

そんな地味な金星ですが、実は超個性的な"性格"を持っているのです。

地球は太陽を約365日周期で公転していますね。金星は地球の内側なので当然、公転周期は約225日と少なめです。これは想像が付きます。
ところが、ここからが変わっています。自転が反対向きですごくゆっくりなのです。

太陽系の惑星は普通、公転していくのと同じ向きに自転していくものです。天の北極から見て、公転も自転も反時計回りになっています。

「野球で言うと、カーブのひねりをかける感じですね」という多田。
ボールが回転する方向に曲がっていくという、物理的性質を利用した変化球になぞらえました。

それが、金星と天王星だけは自転が逆なんだそう。つまり、地球とは逆に、西から昇った太陽が東へ沈んでいくという、天才バカボンの世界が繰り広げられるのです。

しかも金星の自転周期は、公転で1周するよりも長いんだとか。
その自転、実に243日かかります。太陽の周りを1周しても、まだ金星は1回転していないのです。
1年より1日が長いなんて、年齢はどうやって数えればいいのでしょう?こんなややこしいことを考えずにいられる、我々地球人は幸せですね。

不思議ちゃん惑星

これらの理由については、「太陽系ができた時に何かがぶつかって偶然自転が逆向きになった」「金星にある分厚い大気が、自転の動きにブレーキをかけた」など諸説あるものの、いまだに解明されていません。

ちなみに、金星の分厚い大気は地球とは違いほとんどが二酸化炭素で、温暖化どころか灼熱化になっていて、表面温度はざっと500℃あるそうです。
さらに地球が1気圧であるのに対し、金星は90気圧もあると言います。海中なら水深900mの水圧と同じです。あっという間にペチャンコです。

ちなみに、この分厚い大気のせいで、金星の地表からはおそらく太陽が見えないだろうということなので、残念ながら前述の"天才バカボンごっこ"はできない可能性が高いです。

そして金星には、自転より60倍も速いスピードの風が吹いています。これは自転を超えるという意味で「スーパーローテーション」と呼ばれ、秒速100mにもなるといいます。

このように、見た目は地球と似ていても性格が全く違うという、完全に不思議ちゃんの金星なのでした。

一番星見つけたい

宵の明星を上手に見る方法を毛利さんに教えてもらいました。

「今は夕方6時半ぐらいに日が沈んで、7時ぐらいにちょっと暗くなったかなって感じですね。せっかくなんで、一番に見つけたいですよね。まだ明るい、夕焼け空の西の方向に、キラッと見えます」

ただ、雲のない空に目のピントを合わせるのは難しいそうです。

「まず、西の方の開けた所で、遠くの何かを見るんです。地上のアンテナとかお城とかビルとか。ジーッと見ておいて、ふと空の方に視線を向けると、見つけやすいです」

いったん見つけてしまえば、「どうしてこれが見つけられなかったんだろう?」と思ってしまうほど、ハッキリ認識できるんだそう。並の一等星の100倍の明るさなんだとか。
夜8時頃には沈んでしまうので要注意。

ちなみに、5月上旬になると、8時頃に今度は東の空に明るい星が現れます。これが木星で、金星よりは劣るものの夜空にトップクラスで輝くそうです。
西の次は東を見る。これが今年のゴールデンウィークの楽しみ方のひとつだと毛利さんはオススメします。

さらに8月中旬には、夕暮れ時に金星が見え、その後南西に木星、南に土星、南東に火星と、4つの惑星が立て続けに見られるそうです。これは肉眼でハッキリ見えるそうですよ。
ワクワクしますね。惑星だけに。

金星は個性のカタマリ

実は、金星は月と同じように満ち欠けするそうです。地球の周りを回っているわけではないので月とパターンは違うのですが、「半金」「三日金」状態にもなるのです。この変化が一番楽しめるのは今年の8~9月で、日が沈んでから望遠鏡で観察するといいそうです。

望遠鏡を持ってないという人は、名古屋市科学館で昼間でも目を痛めない特別な望遠鏡で金星を見られるそうなので、利用してみてはいかがでしょうか。

プラネタリウムでもこれらの惑星を重点的に紹介していくということで、運が良ければ毛利さんの生解説が聞けるかもしれません。
(岡戸孝宏)
 
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2018年04月27日08時14分~抜粋

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