シリアで使われた毒ガス兵器 材料は身近なところに

多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N / ニュース

内戦が続くシリアの首都ダマスカス近郊で、アサド政権軍による化学兵器と見られる攻撃がありました。
窒息の症状などから、使用されたのは塩素ガスではないかと見られています。

この塩素、私たちの身の回りでもよく耳にするものですが、4月11日『多田しげおの気分爽快‼︎』では塩素ガスについて、名古屋工業大学の名誉教授、齊藤勝裕先生に尋ねました。

最初に塩素ガスを兵器利用したのは

まず「塩素ガス」について。ガスと言うだけあって、塩素は常温では気体なんですか?

「塩素の沸点は低くてマイナス34度です。通常、マイナス34度の温度になることはありませんけども、とにかく気体になりやすいということが言えると思います」

毒ガスとして塩素ガスが使われることは、昔からあったんですか?

「最初に毒ガスとして使われたのは第一次世界大戦です。1915年にドイツ軍がウィーン戦線で使用したことが知られています。この時、連合軍兵士5,000人が死亡したと言われています」

残念ながら、塩素ガスが兵器として有効だということが証明された出来事になってしまいました。現在、非人道的兵器として毒ガスの使用は国際的に禁止されています。
 

塩素ガスの毒性は?

塩素ガスの特徴について尋ねます。

「塩素ガスは黄緑色をしていて、空気の2.5倍重い気体です。もし外で発生させると、空気よりも軽ければ、すぐに上の方、要するに宇宙空間へ逃げていきますけど、空気より重いので、いつまでも地上に留まるわけです。ですから、いつまでも兵士や住民に対して害を与え続ける、非常に怖い気体です」

これを吸い込むとどうなるんですか?

「気体ですので、その場にいると、まず最初にやられるのは皮膚や粘膜です。相当な刺激を与えられて、炎症を起こします。まして、それを吸い込んだら、同じ炎症が肺の細胞で起こるので、肺浸潤を起こして呼吸困難になります」

まぜるな危険

実はこの塩素ガス、日本国内でも時々事故を引き起こしています。
塩素系の漂白剤や洗浄剤が酸性の洗浄剤と混ざり、塩素ガスが発生したために起こる事故です。
お風呂やトイレを綺麗にしようと、塩素系と酸性を連続で使ったり、混ぜて使ったりするのは厳禁です。

「しかも、そういうことが起こるのは、お風呂場だとかトイレだとか狭い空間で起こることが多いです」

塩素ガスは空気よりも重いので、空気が逃げていかず重症になることもあります。
漂白剤や洗浄剤は、普通に使う限りは問題はありません。「まぜるな危険」と書いてあるものは、ほとんどが塩素系なので単体で使うようにしてください。

また塩素は一般家庭のお掃除で使われる以外に、こんな風にも使われています。

「昔から水道水やプールを消毒するのに、さらし粉だとかカルキが使われました。これらの物質は水に溶けて塩素ガスを発生するんですね。最終的には塩素ガスが殺菌作用するということになります」

薄い塩素ガスで殺菌しているわけです。この濃度を高め塩素は一般家庭のお掃除で使われる以外に、こんな風にも使われています。

「昔から水道水やプールを消毒するのに、さらし粉だとかカルキが使われました。これらの物質は水に溶けて塩素ガスを発生するんですね。最終的には塩素ガスが殺菌作用するということになります」

ほんの薄い塩素ガスで殺菌してるわけです。この濃度を高めると人を死に至らしめる毒ガスになるわけです。

使い方は人間次第

「特別なことを除けば、塩素ガス自体が身近にあることはありません。しかし、塩素を利用した化学物質は我々の身の回りにたくさんあります」

例えばバケツやパイプに使われている塩化ビニール(塩ビ)という素材には塩素が使用されており、重さの60%近くを塩素が占めるのだそうです。

「塩素ガスを発生させるには、工業的に海水を電気分解すればすぐ作れますので、非常に作りやすいものです。それだけに塩ビなんかによく利用されるということにもなりますね」

塩素ガスが海水から作れるということは、いくらでも手に入るということです。
私たちが塩化ビニールとして使っているものを、シリアでは化学兵器として使いました。

「化学物質は有用にもなれば、悪用にもなります。使い方は人間次第ですね」

意外と身近な塩素。どんなものに限らず、科学の悪用は人間の良心の問題です。
(尾関)
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2018年04月11日07時18分~抜粋

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