野球場やサッカー場などの競技場に使われる芝は、天然芝と人工芝がありますが、最近はその両方を組み合わせた「ハイブリッド芝」なるものが登場しています。
3月28日『多田しげおの気分爽快!!』では、この「ハイブリッド芝」を取り上げました。
株式会社アストロ営業部 スポーツ施設グループ課長の大山さんに伺いました。
ハイブリッド芝とは?
「ハイブリッド芝と呼ばれてるものは、天然芝に人工芝を組み込んだ芝のことを言います。天然芝の上から、人工芝を打ち込んでいくタイプと、あらかじめ天然芝を生育させる段階で、特殊なネットの人工芝を組み込んでいくものの2つのタイプがあります」
「ハイブリッド芝」と呼ばれていますが、天然芝と人工芝の割合は、決して50%ずつではありません。ピッチ、いわゆるフィールド全体の天然芝の割合に対して人工芝は、わずか5%未満だそうです。
天然芝を補強するために人工芝を上手に取り込んでおり、見た目も触感も天然芝と同じだそうです。
ハイブリッド芝のメリットは?
「ハイブリッド芝の役割は、天然芝を強固にするというのが一番の役割です。組み込まれた人工芝に、天然芝の根や茎が絡みつくことで、天然芝が剥がれたり、削れたりしづらくなるというのがメリットです」
人工芝を組み込むことにより、天然芝の良い状態が長くキープでき、利用時間を今までの天然芝よりも長く設定できるというメリットもあります。
ちなみにハイブリッド芝、メンテナンスの面ではどうなんでしょう?
「基本的には天然芝ですので、天然芝と同様に水をやったり、芝を刈り込んだり、肥料を与えたりという維持管理は必要です」
どこで使われている?
「現在、ヨーロッパの方で、サッカー、ラグビーのスタジアムのピッチ。あとはサッカーやラグビーのクラブチームの練習場にハイブリッド芝が導入されています」
また、今後は野球場でも導入されることが期待されています。
特に外野が天然芝の場合、外野手の辺りだけが剥がれるということが起こりにくくなります。
逆にハイブリッド芝が向いてない競技場はあるのでしょうか?
「ゴルフのグリーンですとか、ウインブルドンのようなテニスコート。芝を低く刈り込むようなピッチ、競技場は、現状ではハイブリッド芝は向いていないと思われます」と説明してくれた大山のぶひろさんでした。
今年からサッカー場では、J1リーグ・ヴィッセル神戸の本拠地ノエビアスタジアムがハイブリッド芝を導入しました。これが国内初のハイブリッド芝導入となります。
このスタジアムの人工芝の割合は3.9パーセント。選手からは「天然芝と変わらない」という声もあり好評のようです。またこれ以外にも浦和レッズの練習場で導入されています。
来年以降増える?
来年はラグビーのワールドカップが日本でも行われ、その競技場にも導入される見通しです。
イギリスで開かれた前回のワールドカップでは、試合会場となった多くのピッチでハイブリッド芝が使われていたそうです。
耐久性に優れていて、短い間隔の試合スケジュールでもピッチの状態が良好に保てていたため、選手や関係者からも高評価を得たそうです。
日本では、まだまだ導入が少ないハイブリッド芝ですが、来年が転機になるかもしれません。
(尾関)
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2018年03月28日07時42分~抜粋