多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

名古屋大学と岐阜大学が統合される、ってホントですか?

国立大学の名古屋大学と岐阜大学が、運営法人の統合に向けて協議に入るというニュースが22日に報じられました。
これまでにも学校の統合はありました。約10年前、大阪大学と大阪外国語大学が統合され、大阪大学となりましたが、今回のケースはそれとは異なり、法人が統合されるようです。

3月23日の『多田しげおの気分爽快!!』では、このニュースについてCBC論説室の後藤克幸特別解説委員に尋ねました。聞き手は多田しげおです。

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法人が統合される?

名古屋大学と岐阜大学が一緒になるといっても、合併ではないんですか?

後藤「今回、計画されている新しい大学の形は、名古屋大学と岐阜大学という大学の形を残した上で、それぞれを別々に運営している国立大学法人という法人をひとつにまとめようというものです」

例えば株式会社だと、中部日本放送というホールディングスがあって、その下に株式会社CBCテレビ、株式会社CBCラジオがあるというイメージでしょうか。

法律が改正される

後藤「いま"国立大学法人法"という法律があって、それではひとつの大学法人はひとつの大学しか運営してはいけないというルールがあります。今回のように法人のもとにたくさんの大学がぶら下がるという形は認められていないのが現状です」

では、その法律を変えようとしているのでしょうか。

後藤「そうです。文部科学省によると少子化がどんどん進んでくる反面、国際化して世界と競争しなければいけない。幅広い視点、展開が必要となるので、今のようなひとつの法人でひとつの大学しか経営できないとなると、競争が厳しくてなかなか難しい。
文部科学大臣の諮問を受けて、国の重要な教育行政を審議して提言する中央教育審議会で、ひとつの法人の中でいくつかの大学を運営できるような法律に変えようと審議している段階です。
今年の秋頃に答申を出す予定で、答申が出ると文部科学省はその答申に沿う形で新しい法律の改正案を作ります」

法律はたぶん改正されるだろうということですか?

後藤「その方向性を持って審議しています。秋にそういう答申がまとまる。法律改正案が作られ、来年の通常国会には新しい法律案を出したい、というのが文科省の考えです」

メリットは効率化と運営交付金

法人を合併する経営的なメリットは何ですか?

後藤「法人というのは大学の経営主体ですから、大学の経営企画を練ったり、予算を立てて執行したり。総務部門、人事部門はひとつにまとめることで効率化ができます」

簡単に言えば、ノートを仕入れるとして、2大学まとめて仕入れた方が安いかな、というようなことでしょうか。

後藤「そうです。もっと大きいメリットとしては、いま国から各国立大学法人には、運営交付金というものが交付されています。
名大で320億円、岐阜大学が110億円ほどで、足すと430億円。全国一位は東京大学で800億円くらい、第二位は京都大学で550億円。続いて東北大学450億円、阪大440億円、それと並ぶ競争力のある大学法人ができるということです」

少子化の時代の大学

先ほど、背景には少子化で大学生がこれから少なくなっていくことが挙げられましたが。

後藤「私立大学は、現在恒常的に3~4割の大学が赤字体質と言われています。国全体でこどもの数が減っていく世の中ですから、その獲得競争が大変です。厳しい少子化時代の生き残り戦略が問われてくる時代になってきています」

統合はまだ未知数

大学の経営の統合は、日本の少子化の時代の一断面といえますね。

後藤「地方の大学は特色ある大学のカラーをどう発揮するのか。地域に根差して生き残るという戦略もありますし、こうやって統合しながら大きな大学と協力して自分たちの競争力を高めていくという戦略もあります。
今回、これから話し合いを進めていこうとしている法人の統合に、これからどんな大学がぶら下がってくるのかまだ未知数です。地元には他にも大学がありますから、声は掛けているらしいです」

多田は「少子化時代を反映してということですね」と、時代の厳しい一面を強調しました。
(みず)
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2018年03月23日07時25分~抜粋

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