多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

教科書にも載ってる「日本アルプス」って誰が言い出したの?

『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』内の素朴な疑問を解決するコーナー「早川敦子のそぼQ」、3月6日放送分では「飛騨や木曽の山々が日本アルプス"と呼ばれるのはなぜ?」という疑問を調査しました。

アルプス山脈は固有名称であって、「高い山々がまるでアルプス山脈のようだ」と俗に言うのであればまだしも、「日本アルプス」は地理の教科書にも載っているほどの正式な名称となっています。理由はなんでしょうか。
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日本アルプスって誰が名付けた?

まずは、日本アルプスと言われる所以について、街の方に聞いてみました。

「アルプス一万尺しかわからない」「ハイジのイメージしかない」と、そもそもアルプス山脈をあまりよく知らないという意見や、「連峰みたいになって連なっているから?」「どこかのキャッチフレーズ?」「山梨県辺りが言い出してそう」といった意見があがりました。

世界で見れば、他にもヒマラヤ山脈やロッキー山脈など、有名な山脈はたくさんあるのに、なぜアルプスに特定されたのでしょうか。

公益社団法人・日本山岳ガイド協会の業務執行理事・武川俊二さんにお話を伺いました。

名付け親となった2人の外国人

実はこの「日本アルプス」の命名、歴史的には根拠がハッキリしていて、明治維新の頃、多数の外国人が技術支援で日本を訪れていた中、造幣技術を教えていたイギリス人、ウィリアム・ガーランドという方が名付けたことが文献で明らかになっています。

ガーランドさんは日本で初めてピッケルなどを使った西洋式の登山を行い、信州の山々を登ってきた後、イギリスに帰ってから、1881年に刊行された『日本に関するハンドブック』という本の中で「ジャパニーズ・アルプス」と命名したのが始まりと言われています。

ただ、ガーランドさんがイギリスで「ジャパニーズ・アルプス」と紹介しただけでは、ここまで呼び方が浸透していないかもしれません。

実はもう一人、名前が浸透したことに関わっている方がいるそうで、「日本近代登山の父」とも呼ばれるウォルター・ウェストンという宣教師です。

ウェストンさんは大の登山好きで、来日する前に『日本に関するハンドブック』を読んでおり、日本アルプスに登りたいと思っていたため、上高地などの様々な山を登り回ったそうです。

そして1896年に『日本アルプスの登山と探検』という本を出版し、多くの外国人が登るようになったそうです。

日本アルプスは本家に引けを取らず

ただ、本家のアルプス山脈と比べるとかなりスケールが違うと思ってしまいそうですが、意外と日本アルプスは本家と似ているそうです。

武川さんによると、森林地帯の限界を超えたところに草原地帯があり、その先に氷河地帯、日本の場合は氷河ではなく樹木が生えていない岩場だけがあるという山脈の在り様が、アルプス山脈に近いのだそうです。

ちなみに、日本には他に「三浦アルプス」や「沼津アルプス」「鈴鹿アルプス」など、50近くのアルプスがあるそうですが、これらは"凄く高い山々"という例えで地元の方が付けた名前のため、やはり「日本アルプス」だけは別格のようです。

冬が終わり、これから山登りのしやすい時期になってきましたが、準備など十分気を付けた上で日本アルプスに行ってみてはいかがでしょうか。……といった締めで終わりそうですが、最近は早川の謎かけで締めることが多いので、最後に紹介します。

「アルプスと掛けて、ちょっと古いですが、ミニスカポリスと解きます。その心は?」

「きれいな景観(警官)です!」

お後がよろしいようで。
(岡本)
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2018年03月06日08時31分~抜粋

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