瀬戸内海の東の端にある兵庫県・淡路島と、徳島県鳴門市の間にある「鳴門海峡」という狭い海峡。
ここにできる渦潮が、世界最大級の渦潮といわれている「鳴門の渦潮」です。
2月21日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、この「鳴門の渦潮」について取り上げました。
鳴門の渦潮を世界遺産に登録しようという取り組みを行っている 兵庫・徳島「鳴門の渦潮」世界遺産登録推進協議会事務局、徳島県総合政策課・広域連携室の井内さんに、お話を伺います。
世界遺産登録を目指す「鳴門の渦潮」に今年も旬がやってきた!
世界最大級の渦潮
世界最大級といわれている鳴門の渦潮、実際はどれくらいの大きさなのでしょうか。
「直径20メートルから、大きなもので30メートルにも達すると言われています。ただ、これは昭和の初め頃に観光パンフレットで紹介されていて定着した大きさで、おそらく目測によるもの。科学的な根拠があるものではなくて、これ以上もっと大きな渦潮が発生するとも言われています」
世界遺産として登録するためには、科学的根拠に基づいたデータが求められるとのこと。
現在GPSのついたブイを流したり、ドローンやヘリを飛ばして、大きさを測定する科学的な調査を進めているそうです。
渦潮に巻き込まれないの?
渦潮は大きいものから小さいものまで様々で、次から次に発生しては消えていきます。
時間は長くても30秒ぐらい。
ヘリからカメラを回したり、ドローンを飛ばして撮ったり、鳴門大橋の橋脚にカメラを取り付けて、固定で計測したりしているんだそう。
「観潮船。渦潮をすぐそばまで行って見るという観光用の船が出ていますが、30メートルほどの渦潮のそばまで船が行っても大丈夫なんですか?」と、多田しげおが素朴な疑問を口にします。
「江戸時代の木の船は大破したり沈んだりしたという記録があるんですけれども、現在の船はさすがにエンジンがついておりますので、そこは大丈夫です」と井内さん。
なぜ渦潮ができるの?
鳴門海峡の幅は、1,340メートル。
潮の流れは約10ノットで、時速でいうと20キロ。
渦潮ができる要因は、潮の満ち引きと鳴門海峡の地理的な位置関係にあるんだそう。
鳴門海峡は非常に幅が狭く、太平洋側から満ちてきた潮は大阪湾の方に流れていきます。
そこから明石海峡を通り、淡路島をぐるっと周って、鳴門海峡の瀬戸内海側に到達するまで約6時間。
満潮と干潮も同じく6時間周期で繰り返されており、この時鳴門海峡を挟んだ太平洋側と瀬戸内海側で満潮と干潮の海が隣り合わせになります。
この時に最大1.5メートルもの潮位差が発生し、満潮の海から干潮の海に向かって、狭い鳴門海峡に大量の海水が滝のように流れ込みます。
これによって世界三大潮流と呼ばれる速い潮流が生まれ、その境目に発生するのが鳴門の渦潮というわけです。
「高低差1.5メートル。すごい差ができるんですね」と驚く多田に、「目で見ても段差ができてるなっていうのがわかりますので」と井内さん。
渦潮の「旬」到来!
ノルウェーの「サルトストラウメン」とフランスの「ランス川河口」に並び、世界三大渦潮とされている鳴門の渦潮。
世界遺産登録に向けた調査を進めている中で、世界中に渦潮が発生する場所があるということがわかり、こちらも現在調査中とのこと。
「世界遺産に登録されるのはどのくらい先になるんですか?」と気が早い多田に「なんとも言えないんです」と笑う井内さん。
世界遺産登録のための本格的な調査を始めてまだ3年。
ハードルは相当高く、まずはしっかりとした学術調査を積み上げ、世界中の人に価値を認めてもらうようなストーリーを作っていかなければいけないそうです。
潮の満ち引きが一番大きな時期が見ごろなので、春と秋の大潮が一番の季節。
つまり、これからの時期が1年で最も大きな渦潮が見られるチャンスなんだとか。
3月3日に「春の渦開き」というイベントが開催!
さらに4月30日までは徳島県鳴門市・兵庫県南あわじ市の両市で「春の渦祭り」も開催されます。
渦潮の旬ともいえる春の大潮。
大迫力の渦潮をぜひこの目で拝みたいものです。
(minto)
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