ゴマから作ったらゴマ油、オリーブから取ったらオリーブ油です。
では、サラダ油の原料は何でしょう?
2月20日放送の『多田しげおの気分爽快!!』の「情報サプリメント」では「サラダ油」の謎について、アシスタントの桐生順子が取材しました。お話は一般社団法人日本植物油協会理事の水野毅さんです。
ゴマを搾ればゴマ油。じゃあサラダ油は何を搾るの?
なぜ、サラダ油というの?
そもそも「サラダ油」の名前はどこに由来しているのでしょうか?
「米、大豆、オリーブ油などは原料の名前で呼ばれていますが、サラダ油については、日本農林規格(JAS)の名前がそのまま一般呼称となっています。基本的には規格の名前です。原料としては菜種、大豆、ゴマもサラダ油はできます」
つまり「サラダ油」とは、JAS規格(食品の品質を保証するための国の基準)の一定の基準をクリアした、高純度の油につけられる総称で、どの原料から作られているかは関係ないそうです。
サラダにかけるからサラダ油
しかし、この「サラダ油」という名称は、JASが作った名前ではありません。いつごろ日本に登場したのでしょうか。
「油のメーカー、日清オイリオさんが大正13年に『日清サラダ油』という名前でサラダ油を販売したのが一番最初の形です。当時日本は食用油は揚げ物に使っていました。しかし、西洋の食事が入ってサラダ、生で食べられる野菜に油をかけて食べましょうという形でサラダ油ができてきました」
「日清サラダ油!我々の世代は一番ピンときますが、日清がつけた商品名でもあったのですね」と驚く多田しげお。
桐生「大正時代は、揚げ物、炒め物など、加熱して使うのが当たり前だったのが、加熱せず生のまま、サラダのドレッシングとして使える高純度の油を日清オイリオが売り出したのが始まりです。サラダにかけるための油という意味でサラダ油なんですね」
低温でも固まらない
では、サラダ油の特徴は何でしょう?
「生でも食べていただけるようなサラッとしたクセのない油という形で、一番精製度の高い油として格付けされている油です。サラダ油だけは零度で5.5時間以上でも透明なこと、という規格が設けてあります」
一般的な油は固まりますが、サラダ油と名付けられた油は零度でも固まりません。
低い温度で固まる成分を精製することで取り除いた油だそうです。
サラダ油で揚げてもOK?
では、サラダ油は揚げ物に向いてないのでしょうか?
「精製度を高めたからといって、高温ではダメだということではなく、昔でいう天ぷら油として使ってもまったく問題ありません。両方とも使えるオールマイティーな油です」
天ぷら油はサラダ油より精製度が落ちますから、名前の通り加熱して使うためのもの。サラダ油は熱い、冷たいにかかわらず使える万能な油です。
桐生は「そして、日本の規格ですから海外でサラダ油はありません。カロリーはどの油も同じで高いですから、取り過ぎには注意して召し上がってください」と、まとめました。
「サラダ味」のお煎餅やスナック類はだいたいサラダ油が使われているそうですね。おいしくてもついつい食べ過ぎないようにご用心。
(みず)
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