『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』金曜日は、気象予報士でもある沢朋宏アナウンサーが、気象に関する質問に答えたり、豆知識を披露したりしています。
2/16は、「そろそろ花粉が飛び始めてますね。本格的に花粉が飛ぶのはいつ頃からなんでしょう?」というリスナーからのおたよりに答えました。
花粉の飛散開始とは?
公式な発表としては、全国的には"まだまだ花粉の量は少ない"というような状況なのですが、花粉症の人にはすでに結構飛んでいそうに感じられるでしょう。
よく言われる「花粉飛散開始」というフレーズ。飛び始めましたということですから、今まさにスギやヒノキなどから花粉が飛び出して来たような、いよいよこれから飛散が始まるよ的なイメージですよね。
競馬風に言うなら「各花粉、ゲートインから一斉にスタート!第2コーナーを回ったところで先頭は予想通りスギチャンダゼエ、更にアントニオヒノキが続いています!」みたいな感じですね。
ところが違うんです。花粉症である多くの人が、「あっ、何かムズムズするな」と思うくらい花粉が飛んで、それで初めて「花粉飛散開始」と呼ぶように決められているのです。
実はもうすでにかなり飛んでますよ、という状態なんですね。
飛散開始の頃はもう悲惨寸前?
具体的には、どのくらいの量の花粉が飛んでいれば「飛散開始」というニュースになるのでしょうか?
いろんな測り方がありますが、今回紹介するのは「1平方cm辺り、花粉が1粒」というもの。
このくらいの濃度で、花粉症の人は鼻がムズムズしてくるそうです。
1粒というと少ないと思われるかもしれませんが、6畳間に換算すると、およそ9万~10万粒になります。これは相当な量です。
この基準になれば「飛散開始」。
これがピークになると1平方cm辺り、50粒や100粒とかに膨れ上がります。
2013年の"大飛散"の年には何と、「東京都心で1平方cm辺り、2,500粒」という記録があるそうです。
人差し指の先っぽに花粉が2,500粒乗っているようなものです。ジャリジャリしそうです。
数えのプロがここにもいた!
この数値はどうやって調べるのかというと、担当者がいちいち数えるのです。適当ではなく、きっちりと。
そのため2013年の記録は厳密に言えば2,500粒ではなく、2,547粒なんだそう。
しかし実はもっと大変な作業でして、本当は10cm×10cmの板を用意しておいて、そこに溜まった花粉を全て数え、そこから100分の1に割った数が、2,547粒なのです。実際は25万4,700粒数えているわけです。
気象予報士の中には、これを専門にやっている者もいるとか。日本野鳥の会をしのぐ、エグい数え作業ですね。数えるのが羊だったらとっくに寝ちゃってます。
そんな、苦行を乗り越えて集計されている花粉ですが、2月中旬に入ってきている東海地方では、"じゅうぶん飛び始めている"状況で、ピークは2月の中旬~下旬以降ということです。
今年の傾向は、平年並みかやや少ないのですが、ただ昨年の飛散量がかなり少なかったので、直近の話で言うと、昨シーズンに比べると今年の愛知県は非常に多いそうです。
昨年の1.4~1.5倍くらいではないかという予想も出ていますので、皆さんもしっかり対策をしてください。
(岡戸孝宏)
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2018年02月16日08時05分~抜粋