名古屋・栄の大型複合施設「オアシス21」では、施設に棲みついたハトのフン害に悩まされています。
そこで今月19日、鷹匠(たかじょう)の起用によってハトを追い払おうという試みが行われました。
29日の『多田しげおの気分爽快!!』、「情報サプリメント」では、この鷹による害鳥対策を取り上げました。
どんな風に行われ、また効果はどのくらいあるのでしょうか。
鷹匠のいる専門会社
大阪に、鷹を使った害鳥対策業務を行う株式会社グリーンフィールドという会社があります。ここの中部営業所が、先日の「オアシス21」での追い払いを行いました。伊駒啓介さんにお話を伺いました。
伊駒さんご自身も鷹匠です。この会社では18羽の鷹を飼っていて、7人の鷹匠の方が活動を行っているそうです。
害鳥となる鳥は?
-主な対象となる害鳥とはどんな鳥でしょうか。
「ハト、カラス、ムクドリが多いです」
-追い払いは具体的にどのように行うのでしょう。
「このような鳥は安心できる環境に飛来してきますので、そこに鷹を放つことで、ここは鷹がいる、安心できないと思わせて追い払います。鷹を飛ばし、害鳥がいやがる場所に鷹を留めたりします。やり方は現場によっていろいろです」
どのくらいのエリアに鷹を飛ばすのか、どこに留めるのか、ということを鷹匠がケースバイケースで決めていくそうです。
時には長期戦も
-1回だけではまた戻ってきそうですが、何回くらい行えばいいものでしょうか?
「例えば、ハトなら寝床になっている場所とか、餌場とか、遊びにきているところ、それぞれ執着心が違います。
餌場とか寝床はハトにとって大事なところで、しつこく来ますので、結構回数を飛ばさないとなかなか追い払えないです。短期間で戻ってきたりします。
例えば狭い工場の中では2回くらい飛ばせば来なくなることもあるし、広いエリアで餌場になっている時は、2年かけて追い払う時もあります」
前述の「オアシス21」でも、3月までに10回程度鷹を飛ばして追っ払うようにするそうです。
鷹を使うメリット
-どのようなところから依頼が来るんですか。
「企業、工場、倉庫が一番多いです。工場の中や倉庫は、寝床とか巣を作ったりする被害が多いです。製品とか機械への糞害とか、糞自体が粉塵として舞った時に人体へ悪い影響を及ぼしますので、対策をしたいという依頼が多いです」
-鷹を使うのは最近ですが、鷹を使うメリットは何ですか。
「従来のネットとか音は鳥が慣れてしまうことが一番のデメリットです。
一方、鷹はいつ攻撃されるかわからないので、常に安心できない環境を作れます。
また、鳥が次の場所に移って行った時に、鷹はそこの場所に簡単に追いかけていけるので、広範囲に作業できることが大きく違うと思います」
例えば、マンションのベランダでハト対策にネットを張ったとします。確かに我が家のベランダにはやってこないけれど、隣の家に来てしまう、という問題が起こります。その点、鷹の場合は臨機応援に対応できるそうです。
経費も「オアシス21」の場合、ネットを張るのに比べて割安だそうです。
ハト対策体験メール
現実に害鳥が来なくなったという体験のメールも寄せられました。
「うちのすぐ横の高速道路の高架下、ここにハトやカラスが巣を作って、巣窟になって、糞公害がひどかったです。ところが、3年ほど前から自然に隼の仲間がやってくるようになって、ハトを餌にするようになりました。カラスの方はもう来なくなりました。今のところ助かっております」(Aさん)
鷹による害鳥対策は、自然界の摂理をうまく利用しているんですね。
(みず)
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2018年01月29日07時41分~抜粋