1月31日の水曜日、日本で皆既月食を観測することができます。
そこで26日の『多田しげおの気分爽快!!』は「天体の不思議」シリーズとして、この「皆既月食」をテーマにしました。
今回は月食となっている時間が1時間以上と長く、日本全国で観測できるという良好な条件です。
名古屋市科学館の毛利勝廣さんに伺いました。聞き手は多田しげおです。
31日夜は"皆既月食" こんなに長く観察できる機会は激レア!?
今回は好条件!
─皆既月食の時間が1時間以上もあるというのは珍しいんですか?
前回名古屋で月食が見えたのは2014年ですが、この時は短かったです。次回半年後にちょっとありますが、これは沈む間際でほとんど見えません。
今回は、影の真ん中に入っているのが夜の10時半と、見やすいところが一番いいんです。
赤い月が見える
─そもそも月食とはどういう現象でしょう?
"月食"は、太陽-地球-月が一直線に並んだ状態です。太陽はものすごく遠く大きい。地球は太陽に照らされていて、その反対側には地球の影がずっと伸びています。ちょうどその影の中を月が通ると月食になります。
一方、"日食"は地球と太陽の間に月が入ります。そうすると月の影が地球に落ちる。ところが月は小さいですから、影が落ちている地域は小さい。その影の落ちている領域だけ日食が見られます。
月食はその点、月が見えている側の人はみんな見られます。日本全国どころか、地球の半分の人が一斉に見ることができます。しかも、月食は満月の夜に起きます。満月の月が暗くなり、暗いきれいな赤になります。
真ん中近くになると黒っぽくなります。影の中に入りたての時はオレンジっぽいです。その色の変化も楽しめるくらいに今回はいい条件です。
この皆既月食の時の赤い月は、街中でも十分に肉眼で見えます。赤銅色のようなとても不思議な色です。
月食の進行
前述の通り、今回の月食は1月31日水曜の夜に起こります。
具体的には、月が欠け始めるのは20時48分。向かって左下から欠けていきます。
完全に影に入る時、つまり皆既月食になるのは21時51分。ここから1時間と17分間、皆既月食が続くのです。
影から出始めのが23時8分。左側から明るくなります。一番赤色が暗いのは22時半頃です。
最後まで見ようと思うと、翌日の0時12分まで。欠け始めからすっかり元に戻るまで、3時間半くらいまであります。
見える方角は南東の方向です。皆既月食の時も赤くちゃんと見えるのでぜひ探してください。
あとは天気頼み
街中だともともとが明るいですが、山間部や海など星のきれいなところだと、皆既月食の間は月のない夜と同じになり、また元に戻ります。
さっきまで月明かりで明るかったのが、皆既月食になると暗くなり、天の川など他の星が見え出し、赤い月が浮かんでいる。しばらくすると、また元に戻るということになります。
見える範囲は、西はインド、アジア全域、アメリカの西海岸まで。北と南からも見えます。地球の半分の人が同じタイミングで見ることができます。
次回は、半年後の7月28日に皆既月食が起こりますが、名古屋だと欠け始めが午前3時24分、皆既月食になるのが4時半、すぐに陽がのぼるので、ほぼ見られないでしょう。
よって実質の次は2021年5月26日。3年後にありますが、皆既の時間は19分しかありません。
「またとないチャンスですから、天気がよくて、みんなで眺められるといいですね」と多田は結びました。
(みず)
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