1月19日放送『多田しげおの気分爽快!!』、今日の特集は「真冬の動物園」を取り上げました。
寒いこの時期、足をあまり運ばなくなる動物園ですが、動物はどうやってこの冬を過ごしているのでしょうか。
名古屋市千種区の東山動物園 園長の黒邊雅美さんにスタジオでお話を伺いました。聞き手は多田しげおです。
穴場の「真冬の動物園」の見どころ教えます。
冬の好きな動物は?
─やはり冬場の来場者は少ないんですか?
屋外の施設が多いですから、お客さんは春秋に集中していて、真夏・真冬は少な目です。今のシーズンはお客さんが少ない分、ゆっくり見られます。動物も心なしかゆったりしています(笑)。
─冬が好きな動物はいますか?
ホッキョクグマは雪が降ったりすると身体をこすりつけたりして喜びますね。冬場は元気ですが、うちのホッキョクグマは日本最高齢のオスです。ホッキョクグマは30歳が寿命で、そのくらいに近づいています。若い個体に比べるとちょっとゆっくりにはなっています。
─ホッキョクグマは毛が冬向きなんですよね。
見た目は白いですが、1本1本の毛をみると透明に近くなっています。中が空洞になっていて、中に空気をためて、それが断熱材の役目をしています。
それに、身体が大きいこと自体が有利なんですよ。身体が大きいほど体重あたりの体表面積が小さくなり熱を逃がしにくいと言われています。
熊でも暖かいところの熊は小さめで、ホッキョクグマとは大きさが全然違います。
気品のあるユキヒョウ
─他に冬場が好きな動物はいるんでしょうか。
ヒグマとかユキヒョウですね。
ユキヒョウはヒョウの仲間で、全体が白っぽくて、しっぽが長くて毛足も長くて、きれいで人気があります。住んでいるのがヒマラヤ山脈の4,000m級の山です。
やはり冬は元気です。毛足が長くてふわふわですからコートを着ているようなものです。今3頭いますが、岩場に住んでいて、動きも活発でジャンプが得意です。
─ユキヒョウやホッキョクグマは冬こそ活発に動いている姿が見られますね。
季節にあった動物を見ていただけるといいですね。
冬が苦手な動物はキリン
─逆に、冬が苦手な動物は?
キリンなど赤道直下の動物ですね。もともと皮下脂肪があまりなく、毛足も短いです。風が好きではないです。朝一度は外に出すようにしていますが、部屋は暖房が入っていて、部屋に入りたがります。外でも風を避けるようなところも作ってあるので、キリンに選択できるようにしています。
冬にかわいいホンドタヌキ
-冬は全然違う見た目になる動物はいるんですか?
ホンドタヌキです。これは冬になると毛足が長くなって、皮下脂肪も溜めるので、一回り大きくなって丸くなって、ころころになります。皆さんがイメージしているタヌキに近いかもしれません。夏場は毛も短くちょっと細身ですが、冬場になると毛も変わってふわっとします。それはとてもかわいらしいです。
─冬毛に生え変わるんですか?
秋くらいから冬毛に生え変わります。特にタヌキは日本の動物なので春夏秋冬に合わせて身体が進化しているんですね。
見るなら今!コアラの赤ちゃん
-寒くても屋内展示の動物は見やすいですよね。一番の見どころはコアラですよね。一時期日本にもたくさんいましたが、だんだん減ってきたと言われていますが…
オーストラリアでも非常に貴重な動物で、絶滅危惧種にも指定されています。東山動物園は一番多い8頭いて、そのうちの1頭が去年4月に生まれたばかりです。
コアラは袋の中で育つので、生まれてすぐは見えません。それが今ちょうどお母さんの背中に乗ったり肩に乗ったりと、一番かわいい時期に来ています。
─大きさは?
だいたい700g~1kg、大きさは30cmくらいです。大人が9kg~10kgですから10分の1くらいで、だいぶ小さいです。一番見頃の時期です。
─コアラはどれくらいで大人と同じくらいの大きさになるんですか?
成長が早くてだいたい1歳くらいでお母さんから離れる時期が来ます。その頃には結構お母さんと同じくらいの大きさになります。お母さんと一緒に見られる時期は本当に少ないです。
この赤ちゃん、1月28日まで名前を募集しています。「アンマ」「ヨーク」「ミユ」「ユキ」「こまち」の5つ候補の中から選んで投票してください。
かっこいいシンリンオオカミ
─今年は戌年ですが、イヌの展示はあるんですか?
イヌ自体はいないですが、イヌの仲間でいくつかいます。シンリンオオカミといって、アメリカの森林地帯にいるオオカミを展示しています。
冬場は元気です。イヌ科は猫にくらべると元気ですね。
-シンリンオオカミはかっこよさそうですね。
結構人気があって、種の人気投票ではコアラ、アジアゾウ、ゴリラが挙がりますが、個体で人気投票すると上位に来ます。今7頭います。
-集団で暮らしているんですよね。
群れで生活する習性があります。7頭が2カ所に分かれています。群れも誰でもいいのではなくて、成長とともにオスは父と対立するとかあって分けざるを得ないんです。
─なぜ分けられているか考えると勉強になりますね。冬こそおもしろい動物園を紹介してくれました。
赤ちゃんコアラは必見ですね!
(みず)
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