『多田しげおの気分爽快!!』、12月5日の「情報サプリメント」は「果物は太るの!?」についてです。
ダイエットは若い女性の永遠のテーマかもしれません。
そんな中「果物は食べません、だって太るから」と言う人は多いでしょう。果たして果物を食べると太るのでしょうか。
果物は太るか、果物はどのくらい食べるといいのか、その利点など、国立循環器病研究センター予防検診部 医長小久保善弘先生に伺いました。取材は桐生順子です。
なぜ果物に太りやすいイメージが?
ズバリ、果物は本当に太りやすいのでしょうか?
小久保先生「果物が太りやすいというのは間違ったイメージです。なぜそういうイメージがついたかというと、ひとつは甘いから。二つ目は日本では食後デザートで果物を食べることが多いことから。それで太るイメージがあるのだと思います」
果物を食後のデザートのお菓子と同じようなものとして扱うことが多いので、太りやすいと思われてしまっているようです。
果糖はカロリーが高くない
果物は甘いのに、どうして太りにくい食べ物だと言えるのでしょう?
小久保先生「果物の甘さは主に果糖の甘さです。果糖は普通の砂糖を舐めるより1.5倍甘く感じます。だから、カロリーは思ったほど高くありません。カロリーは甘い洋菓子・和菓子の数分の1くらいです」
果物の甘さはお菓子などに入っている砂糖の甘さとはまったく質が異なるので、甘さは感じてもカロリーははるかに低い、だから、比較的太りにくい食べ物だと言えるそうです。
果物は身体の調子を整える
果物を食べると健康面から見てどんないい点がありますか?
小久保先生「果物にはビタミン、ミネラル、食物繊維が含まれます。これらは身体の調子を整える働きがあります。
身体の具合が悪い人、朝の目覚めが悪い人、ふらつきがちな人、そういった人はもしかしたらこれらの栄養素が不足しているかもしれません。
特に南方系の果物にはタンパク質分解酵素が入っています。消化を助ける働きがありますから、とてもお腹の環境にいいです」
私たちが摂取する食べ物は大きく三つに分類できます。
① ご飯など身体や脳を動かすエネルギーとなるもの。
② 肉・魚など身体を作ってくれるもの。
③ 野菜など身体の調子を整えてくれるもの。
果物はこの中の「③身体の調子を整えてくれるもの」です。
果物は、免疫力を高めて病気を予防したり、目覚めをよくしたり、肌をきれいにしたり、身体の健康維持のために働く食材です。
1日200gくらい食べよう!
私たちは果物をどのくらい摂ればいいでしょうか?
小久保先生「1日200gくらい摂取するといいと言われています。りんごだと1個、バナナだと2本、キウイだと2個くらいです。
これをちゃんと食べているかがポイントです。若い世代では今、果物を食べるのは『一週間に1回未満』という人がかなり多いです」
日本人は平均100gくらいしか摂取できてないそうです。その理由は、「すっぱい、面倒くさい、太るから」などだそうです。
ジュースでは栄養価が落ちる
果物の代わりに、市販の果物ジュースでもいいでしょうか?
小久保先生「パッケージをよく見ると『濃縮還元』と書いています。
どういうことかというと、生産地で果物を絞って、工場まで運ぶのに、そのまま運ぶととてもコストがかかる。だから水分をかなり除いて濃縮して工場に運びます。
しかし濃縮したとき失われるものがあります。ひとつはミネラル。ビタミンもかなり失われます。なにより食物繊維は搾りかすに入ってしまいます。『濃縮』すると、元の果物の抜け殻みたいになってしまいます」
ミキサーを使って生ジュース、スムージーを作って飲むなら、果物を食べるのとほぼ同じ。しかし、濃縮された果物ジュースは、それはそれでおいしいですが、健康効果はあまり期待できないそうです。
生で食べる習慣を
果物を生で食べるにはどうしたらいいでしょうか?
小久保先生「まず習慣化することです。おやつの時に食べていたケーキ、クッキーを果物に置き換えるのはいいと思いますね」
桐生が最後に提案しました。
「欧米では果物をヨーグルトやサラダのトッピングとして食事中に食べたりするそうです。ちょっと食べ方を変えたり、甘いお菓子を果物に置き換えたり、なるべく積極的に果物を取るように心がけたいですね」
まずは、冬は「こたつでみかん」の習慣から始めたいですね。
(みず)
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2017年12月05日07時39分~抜粋