スーパーやコンビニなどの売り場で、目にすることが多い牛乳パック。
ですが、蓋の開け口のちょうど反対側に小さな「くぼみ」があるのをご存じの方はいらっしゃるでしょうか?
『多田しげおの気分爽快!!朝からP・O・N』、11/1の放送で桐生順子が取り上げた話題は、牛乳パックにあるくぼみについて。
一体、このくぼみは何のために付いているのでしょうか。
牛乳パックの蓋にある“くぼみ”は何のため?
牛乳パックの蓋の謎のくぼみ
牛乳パックを開ける前の蓋を想像してみてください。
パックの頭のところ、多田しげおいわく「両方からぎゅっと引っ付けられてて、山の稜線のように出ている部分、屋根の一番頂上の部分がべちゃっとひっついて一枚になって、そそり立っている部分」。
その端っこに扇状に少しだけえぐれている、くぼんでいる部分があるのです。
この部分は「くぼみ」、または「切り欠き」という名前で知られています。
多田も「何のためにあるんだろう、これ?」と、用途がさっぱりわからないといった様子。
バリアフリー設計の紙パック
実はこのくぼみ、視覚障害者向けのバリアフリー設計なのです。
中身が生乳100%の「種類別 牛乳」にのみについている印で、コーヒー牛乳・イチゴ牛乳・ヨーグルト飲料などにはついていません。
しかし、あくまでも任意の表示のため、全てのメーカーが採用しているわけではないということです。
「片方に寄った部分にくぼみが作ってあって、まず『牛乳ですよ』っていうことがわかると同時に、開ける方がね、『反対側』ですよっていうこともわかってもらえるという」と多田が気づいたように、くぼみがない側が牛乳パックの開け口である、ということも触って判断できるようになっているのです。
同じような取り組みとしては、他にもシャンプーとリンスを区別するためのシャンプーボトルの横のギザギザなどが有名ですが、牛乳のパックにもこういった工夫がされていたという訳です。
牛乳を区別したい!の声
そもそも、牛乳パックにこのくぼみが付けられた理由は、農林水産省が1993年から95年度に視覚障害者の方を対象にした調査を行って、最も不便に感じる容器が「紙パック」であるという結果が出たことがきっかけでした。
さらに「その紙パックの中でも何と何を区別したいですか?」という調査を進めたところ、「牛乳と他の飲み物を区別したい」という声が8割を占めたんだそう。
そういった声を踏まえて「これは100%生乳ですよ」という目印として2001年から付けられているとのことです。
日本らしい取り組み
桐生「全然私気が付かなくて、ビックリしたんですけれども」
多田「恥ずかしながら本当、気が付きませんでしたけれどもね」
2人がこう語るように、普段意識せずに何気なく使用しているものの中にも、こういった配慮がなされているものがまだ数多くあるのかもしれません。
もし、いま自宅に牛乳があるという方は、ぜひ一度冷蔵庫から取り出してこのくぼみを見てみてください。
「いろいろ障害のある方にも、ちょっとずつですけれども社会として優しくなってきているということの1つですね」と多田。
「日本らしいと言えば日本らしいですね」と、牛乳パックのくぼみに日本人ならではの温かさを感じた桐生でした。
(minto)
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