10月24日、地下鉄東京メトロ日比谷線で、走っていた地下鉄の列車の窓ガラスが突然割れるという事故が起きました。
同線の八丁堀駅で、駅員が車内のガラスの破片を片付けたあと、5分遅れで運行を再開し、怪我人はいませんでした。
そこで26日の『多田しげおの気分爽快!!~朝からPON』は電車の窓ガラスについて考察しました。
多田しげおの代打パーソナリティ、澤朋宏アナウンサーが、鉄道ジャーナリストの梅原淳さんに伺いました。
走行中の地下鉄で事故が発生したら、どう避難するの?
例え割れても大丈夫
時々電車の窓ガラスが割れるとニュースになりますが、主な理由はどういうものなんでしょうか?
「ガラスに、外側から何らかの力が加わって割れる。例えば、石が飛んでくるとか、イタズラで投石されるとか、そう言ったことが主な原因と考えられますね」
車の窓ガラスですと、人に刺さらないような割れ方をすると聞くんですが、電車はどうなんですか?
「電車も、乗客または乗務員の手に触れるような場所にあるガラスは、自動車と同じで強化ガラスです。割れても破片が粉々になって、突き刺さることはありません」
ガラスが割れた原因を推測1
今回は地下鉄です。先ほど出てきた投石とか、鳥がぶつかるとかは考えにくい状況なんですが、原因は何だと思いますか?
「地下鉄、特に日比谷線の場合は、車体とトンネルの壁や柱との間が20センチぐらいしか離れていません。また、トンネル内には、安全な範囲で、標識とか、色々なものが置いてあります。なので、そういったものに触れたのかなと思いますね。車体が左右に大きく揺れて、壁にぶつかったということではないと思います」
車体とトンネルの幅が20センチしか離れていないことにも驚きです。
これは、トンネルの建設費を安くするため、極限までトンネルを小さく作って、ギリギリの寸法で電車を走らせているからだそうです。
ガラスが割れた原因を推測2
車両が傾いて、標識にぶつけることがないように計算されてるんじゃないんですか?
「車両の走行装置の色々な不具合で、たまに脱線することもあるんです。車両によっては、ちょっと揺れやすい車両があったりするので何とも言えないですね。
あとは、コンクリートのトンネルなので、破片が剥がれてきたとかが考えられます。それから、地上側で何かにぶつかっていて、小さな傷があった。その亀裂がどんどんどんどん、電車が走ってる揺れで大きくなってきて、地下を走っている時に割れた。そういうことも考えられます」
ガラスが割れた原因を推測3
電車の中で、右か左、どっちかにお客さんが偏っていると、カーブで揺れ方が変わったりとかするんですか?
「カーブを曲がる時は、当然、遠心力でカーブの外側に揺れますので、それはあります」
そういう時に、もしかしたら、規定を超えるような揺れがあったのかもしれませんね。
「例えば、その台車のバネの調子ですとか、左右の車輪の重さのバランスが崩れるということも全くないとは言えないので、大きく揺れたということもあったのかもしれないですね」
電車から飛び降りるのは怖い
普通の外を走っている電車の場合ですと、非常事態には、お客さんが非常コックでドアを開けて飛び降りるというイメージがあります。
「私も電車が好きで、工場見学に行ったことがあるんですが、電車の床って想像以上に地面から高いですよね」と実体験を語る澤アナウンサー。
「レールの下から扉の床面まで計ると、1.5メートルぐらいはあります。水の入っていないプールぐらいの高さがあるので、怖いですね」と梅原さん。
事故があっても駅まで走りきる
一方、地下鉄で何かあった場合、どのような避難方法が想定できるでしょうか?
「当然、トンネルの壁が側面にありますから、ほとんどの場合は、前後の車両の正面についている扉から避難します」
極力地下鉄は、トンネルの間で避難することを避けるために、自力で走れる限りは、駅まで走り切るようになっているそうです。
「例えば車両が燃えるような火災が発生しても、電車が動ける限りは、駅まで何とか走った方が、避難しやすいからです」
実は随所にある非常口
「暗闇の中を乗客が移動なんて考えにくいですもんね」と金曜アシスタントの原田裕見子。
「もちろん途中ところどころに非常口はあるので、駅までトンネルの中を歩くということはほとんどありません。それでも暗い中を、しかも線路まで降りての移動となりますから、避難しづらいことになりますね」
とは言え、外の電車なら全てのドアから逃げることも考えられますが、地下鉄の場合は、前後一か所ずつのドアからしか逃げられません。
「誘導する側は、恐らく一人。運転手と車掌ですから、前後どちらか一か所と思った方がいいかもしれないですね」と言う梅原さんでした。
地下鉄での避難方法はわかりました。
が、ガラスが割れた原因は未だ調査中。気になります。
(尾関)
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