多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

激増する物忘れ改善薬。でも認知症には効果なし?

最近、ドラッグストアで「物忘れの薬」を見かけることが増えてきました。
物忘れの薬といっても、決して嫌な物事を忘れるための薬ではありません。
飲むと、物忘れ症状の改善が期待できるという薬のことです。

10/17の『多田しげおの気分爽快!! 』、「情報サプリメント」のコーナーではこの「物忘れ改善薬」を取り上げました。

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わかりやすいダジャレネーミング


「人の名前が出てこない、あれ?ここまで何を取りに来たんだっけ?」
こんなうっかり、若い頃に比べてちょっとずつ増えてきたかな?という方も多いのではないでしょうか。

多田しげおも「しょっちゅうあるわ。激増してきました」と、思い当たる節がかなりあるよう。

そんな物忘れの症状を飲むだけで改善してくれるかもという薬が、様々な製薬メーカーから販売されています。

スタジオのテーブルの上には、各社の物忘れ改善薬が並べられました。
例えば、「ワスノン」は“忘れ”を“ノン”。「アレデル」は“アレ”が“出てくる”。

ダジャレが効いた、かなりユニークなネーミングです。
かかる金額は1カ月4,000円ほどなんだとか。

どんな成分が効くの?


思温病院・薬剤部長の岸雄一先生に、桐生順子が伺いました。

こういった物忘れ対策の薬には、生薬のヒメハギ科の「イトヒメハギ(糸姫萩)」という植物の根っこから抽出した「オンジ(遠志)」という成分が使用されています。

第3類医薬品として薬局やドラッグストアで販売されている一般用の医薬品で、中年期(45歳~)以降、物忘れが多くなったと思った時におすすめ。
第1類・2類に比べると、第3類は副作用が少なく効き目が穏やかです。

「植物の根っこが物忘れ症状の改善に期待できる。そんな植物があるんですか」と、驚く多田。

漢方薬である生薬のオンジ。
脳の神経回路を刺激して、覚えたことを思い出させやすくするという働きがあるのではないかと言われています。

物を覚えて記憶する、そしてそれを思い出す。
この情報の出し入れがうまくいかないと物忘れになってしまいます。

その伝達経路に刺激をあたえてくれるのがオンジ。
以前から物忘れの改善に効果があるのでは?とされていましたが、10年ほど前に韓国などで科学的に証明され、2年前の2015年に日本の厚生労働省で認可されました。

加齢による物忘れと認知症の違い


「あくまでも症状を緩和する・改善すると考えたほうがいいですね。治すというところまではいっていないのかな」

あくまで物忘れを治療する薬ではないと話す岸先生。

さらに、物忘れの種類によって気を付けなければならないポイントがあるそうです。

メモを取ったこと自体は覚えているけれども、そのメモを置いた場所が分からなくなってしまうのが、加齢の物忘れ。
ですが、認知症の場合はメモを書いたこと自体を忘れてしまいます。

物忘れ改善の薬は、認知症の薬としては効き目がありません。
「単なる加齢による物忘れだろう」と自己判断をしてしまっては、思わぬ結果を招く可能性もあるのです。

自己判断は危険


祖父が認知症であったという桐生。
認知症の初期にはただの物忘れのような出来事が続くため、加齢による物忘れなのかそれとも認知症なのかは、素人には判断がつきにくいと語ります。

医師の診断を受けず自己判断で物忘れ改善の薬を飲んで済ませてしまうと、認知症の発見が遅れてしまう危険性があります。

手軽に誰でも購入することができる物忘れ改善薬。
ですが、自分の症状にあった薬なのかどうかをしっかり見極めて使うことが大切です。

「安易に判断せずに、医師の判断をあおぐのもいいと思います」と、まとめた桐生でした。
(minto)
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2017年10月17日07時38分~抜粋

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