『多田しげおの気分爽快!! 』火曜日の「暮らしに鉄分」は「早川敦子のそぼQ」。暮らしの中の素朴な疑問を解決します。
10/10のテーマは「多くの動物に尻尾がついているのはナゼ?」
逆に言えば、動物には尻尾がありますが、人間にないのはナゼでしょう?という疑問です。
もともと尻尾は魚の尾びれだった!
京都大学野生動物研究センターの特定助教の大渕 希郷(おおぶちまさと)先生に早川が伺いました。
そもそも「尻尾」は学問的には「尾」といいます。尻尾は、いわゆる脊椎動物(背骨がある動物―魚類、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類)のほとんどに付いています。付いていない動物の方がはるかに少数派。
もともと尻尾は、魚の尾びれだったものです。つまり、水の中で暮らす生き物には水中で泳ぐ時、推進力を生みだすものだったのです。これが進化して陸地に上がった後も、多くの陸上動物のお尻に残り続けたのです。
尻尾の4つの役割
そもそも、尻尾にはどんな役割があるのでしょうか?
実にいろいろな機能に細分化されていますが、その役割はほぼ4つに分類できます。
①バランスをとる。
これが一番多いです。カンガルーなどは跳ぶ時や、前後のバランスをとる時に使います。
② 木の上で暮らす生き物は、尾をつかって枝に巻き付いたりする。
つまり5本目の腕です。
多田「オナガザルはまさにこれですね」
早川「爬虫類のヤモリも尻尾を使って壁に貼りつくそうです」
③ コミュニケーション。
犬だと尻尾の動きで自分の感情を表したりします。
早川「クジャクなどの鳥類は求愛行動に使いますね」
④ 防御。
トカゲの場合だと尻尾を切って逃げます。つまり身代わりに使うもの。ワニ、オオトカゲの仲間など攻撃に使うものもいます。
早川「攻撃というより、防御の最終形として、鞭のように尻尾を使います」
多田「ゴジラもそうですね(笑)」
まじめに説明している時に、油断がならない多田。
尻尾をなくした動物たち
このように尻尾は便利なもので、人間にもあっていいと思いますが、人間だけでなく、動物の中には尻尾をなくしてしまったものもいます。これはナゼでしょう?
結論をいうと…よくわかっていません。
そんな中で、尻尾をなくした理由がわかっているものがあります。カエルです。尻尾をなくすことでジャンプに特化していきました。
早川「おたまじゃくしのころは水中で暮らしているので、推進力として尾びれが必要。しかし陸上に上がったら、今度は跳ぶことに特化するために、軽量化しようと尻尾をなくしました」
人間に尻尾がないのはナゼ?
では、人はなぜ尻尾をなくしたのでしょうか?
一般に、人間の場合は木の上の生活から地上に2本足で降り立ったため、ということがよく言われますが、これは全く定かではありません。
なぜなら、人を含むサルの仲間の中で「類人猿」と呼ばれる仲間には、共通して尾がないからです。例えばオランウータンは基本的に木の上で暮らしていますが、尻尾はありません。
早川「バランスをとるため、防御、コミュニケーションなど、人にとっては必要ないからなくなったということでしょうね。
だから、オラウータンたちも、彼らなりにコミュニケーションの手段があるのかもしれません」
ということで、最後の「人間に尻尾がないのはナゼ?」の答えは、歯切れ悪く終わりました。
「尻尾を巻いて逃げようかなと思います」、早川の締めの言葉です。
人間にも尻尾があったら、こんな時便利だったでしょうね。
(みず)
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2017年10月10日08時29分~抜粋