昔からよく「薬を飲む時は、絶対に水で飲まなければダメ!」と言われ続けてきましたが、本当に他の飲料と一緒に飲んではいけないのでしょうか。
また、なぜ水以外の飲料と一緒に飲んではいけないのでしょうか。
そこで今回はアシスタントの原田裕見子が、思温病院薬剤部長の岸雄一先生にお話を伺いました。
薬を水以外で飲んでも大丈夫?いろいろ聞いてみた
ジュースで薬を飲むのは危険!?
まずはジュースの場合について聞きました。
こどもが薬が苦手で、どうしても水では飲んでくれないため、仕方なく「ジュースと一緒に飲んでもいいよ」と許した経験はありませんか?
実はジュースと一緒に薬を飲むのは、場合によりかなり危険なのだそうです。
グレープフルーツジュースと、血圧を下げる効果のある一部の高圧剤の組み合わせでは、相互作用によって、苦みの成分が必要以上に血圧を下げる危険があるのだそうです。
ここでパーソナリティーの多田しげおが「こどもは苦みが嫌いだし、高血圧なこどもはあまりいないから、この組み合わせはなさそう」と言いつつも、「止めた方がいい」とクギを刺しました。
最近はこども向けに、薬と一緒に飲んでも良いゼリーが販売されていますので、そちらを使うのも良いかもしれませんね。
もちろん、大人でもこの組み合わせで飲むのは危険ですので、注意しましょう。
スポーツ飲料は体に良さそうだが…
それならば果汁がなく、身体に良さそうなスポーツ飲料だと問題ないのでしょうか?
高熱を出した時などは、近くにおいて重宝しますね。
こちらも一緒に飲むのも避けた方が良いそうです。
意外と糖分が多いために、解熱鎮痛剤などの吸収を遅くしたりするのだそうです。
では、最近流行の「糖質ゼロ」をうたう炭酸飲料ではどうでしょうか?
炭酸飲料はお腹の中で酸性側に傾きやすく、解熱鎮痛剤などの吸収が遅くなったり、胃酸を中和する薬は効き目が弱くなってしまうのだそうです。
食後思わずお茶で薬を飲んでしまう
外食に行って食後に薬を飲む時、近くに水がなくてお茶で飲むということは結構ありそうですが、お茶は大丈夫でしょうか?
岸先生によると、「お茶の種類にもよりますが、薬と飲料に含まれているカフェインの過剰摂取になる場合があります」のだそうで、風邪薬などは副作用が強く出るそうです。
日本茶や紅茶の他、コーヒーなどもダメだということですね。
多田が「○○の場合だと××と一緒に飲むのがダメなケースもある。いろんなパターンがあるから水で飲んだ方が越したことはない」ということだとまとめました。
飲料がダメなら水なしで!もダメ?
水がないならいっそのこと、そのまま飲んでしまうのはダメなのでしょうか?
岸先生によると、こちらもやはりダメで「水には(薬を)流し込む作用があり、もし水と飲まなければ、食道で薬がへばりついたり、食道が炎症を起こしたり、潰瘍を作ってしまう場合もあるそうです。
最終の結論としては、「やはり薬は水で飲むしかない」ようですね……。
(岡本)
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