多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

噂は本当だった!ガムを噛むと脳が覚醒してスポーツにも効果が!?

『多田しげおの気分爽快!!』の金曜日は、スタジオにゲストを招いてじっくりと話を伺う趣向。
9/1は26回目を迎えた「シリーズ脳の不思議」です。

今回のテーマは「脳に良いこと」。
どういうことをすれば、脳に良い影響が生まれるのでしょうか?

愛知県岡崎市にある自然科学研究機構・生理学研究所の柿木隆介先生が、噛むことの効能について語りました。

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ガムを噛むとスッキリは本当?


「『眠たくなったらガムを噛むとスッキリしますよ』とよく聞きますが、噛むのは脳に良いことなんですか?」と尋ねる多田しげお。

「その通りですよ。すごく良いですね、一番簡単にできてね」(柿木先生)

噛むことで、歯にある「歯根膜」というものすごく鋭敏な組織からの信号が、脳にすごく良い影響を与えます。
運転して眠くなりそうな時にガムを噛むのが良いとされているのは、脳をすごく覚醒して活性化するからなんだそう。

「歯が受けた刺激が脳に伝わって脳が覚醒すると。ズバリそのままなんですね」と納得の多田。

日本人的感覚が邪魔をする


「もう1つ特にガムを噛むことが良いのは、リズミカルでしょ。ずっと持続的に噛んでる。あのリズム感がすごく良いんですよ。時々噛んで、休んでっていうのはあまり効かないんだけど。なんとなくクチャクチャやってると、リズミカルな刺激っていうのは脳にすごく良いんで。だから運転中ガム噛むとわりと眠気が抑止できますよね」(柿木先生)

噛むことの刺激と同時に、リズミカルな運動も眠気防止に効果があるようです。

例えば、仕事中や勉強中にもリズミカルにガムを噛みながら仕事をした方が、あまり眠くならずに効率が上がるそうなのですが、これには日本人ならではのある問題がありました。

「これ日本人の感覚で言いますとね『お前、ガム噛むな!』とね、思うんですけども」と、会議中にクチャクチャとガムを噛んでいる人がいたら、だらしがないと思ってしまうという多田。

確かに、日本では考えられない光景です。

100メートル走の前にガム


「運動にも効果があるんですよ」と柿木先生。
「スポーツ選手もね」と気づいたアシスタントの大橋麻美子。

確かにテレビで野球やサッカーを観戦していると、選手たちがガムを噛みながらプレイしているところをよく見かけます。

「あれ、すごく良いんですよ」という柿木先生に、「あれ一瞬見た感覚ね『お前、やる気あるのか!』と思うんですけど」と、多田がまたも日本人的感覚を代弁します。

しかし、ガムを噛むことによって身体の運動のタイミングや反射を高めてくれるんだそう。
実際、一般の方の場合はいきなり100メートル走をするよりも、ガムを10~15分噛んでからの方がたいてい記録が上がるんだとか。

「運動会で使えますね!」と、早速息子に採用しようとした?大橋。
「ただ、怒られるでしょうけどね」と、冷静な柿木先生。
確かに、この全国民に浸透している日本人的感覚を払拭するのはなかなか難しそうです。

噛まないと「全然ダメ」


世界で初めて、実験で証明したという柿木先生。
味も匂いも何もないガムを使って、脳波の検査と"ボタン押し"という反応時間の検査をしたところ、ガムを噛んでいると、脳の反応時間もボタンを押している時間もどんどん速くなるんだそう。

「『顎を噛んでいるように動かせば良いのでは?手や指を動かせば良いのでは?』という意地悪な質問もあるんだけど、それをやっても全然ダメで。やっぱり噛まないとダメなんですよ」(柿木先生)

実際、ガムが口に入っていない状態で同じように口を動かしても「全然ダメ」と柿木先生。
あくまでも「噛まないとダメ。歯根膜を刺激しないとダメ」なんだそう。

歯と歯を合わせるだけではなく、その間に何かが入っていないと「噛む」という刺激にはならないようです。

入れ歯でも大丈夫?


神経内科医としての顔も持ち、施設などで高齢者を診る機会が多いという柿木先生。

「やっぱりね。噛めなくなった方っていうのはものすごく元気がなくなるし、食欲も落ちるし。現場の人はみんな言うんですね」

1935年頃、上野動物園にいた“一文字号”という名前の、元気いっぱい人気者のロバ。
ですが歳を取って歯が抜けてしまった途端に元気がなくなり、気息奄奄。つまり死にそうになってしまいました。

上野動物園で「そのロバに入れ歯を作ってあげよう」ということになり、今の東京医科歯科大学の先生に頼んで、その一文字号に合う入れ歯を作ってもらうことに。

すると嫌がるどころか大喜びで、元気は出るわ食べるわ、周りのロバの尻を噛むわで異様に元気になったという一文字号。
それから、何年も長生きをしたんだそう。

いかに噛むことが重要なことであるのか、ということがわかるエピソードです。
入れ歯でも十分。流動食になると、元気がなくなってしまうそうです。

「噛むって大事なんですね」と再認識した様子の多田。

『脳に良いこと 悪いこと大全』


先生の近著である『脳に良いこと 悪いこと大全』。

「世の中で良いと言われているけれど、全然根拠のないこともいっぱいありますし。みんな信じてるかもしれないけど、全然科学的に全く根拠のないんだよということもハッキリ書いています」(柿木先生)

例えば「指を細かく動かすと認知症になりにくい」という話には、科学的な根拠はないんだとか。

「だってピアニストも認知症になりますし。一番顕著なのが農家の方。朝から晩まで肉体労働されてますし。草を取ったりという細かいことをしますよね。その理論でいくと農家の方は一番認知症になりにくいはず。でも農家の方とか林業の方が認知症になりにくいというデータは全くないんですよ。たまに指を動かしたからといって、認知症になりにくいというのは大げさで。科学的根拠は何にもないんで」

そういうことをハッキリと書いているそうです。

「ぜひ買っていただければうれしいですね」と柿木先生。
「大橋さん、この本あげますね」と先生から本を渡され、「勉強しまーす」と喜ぶ大橋でした。
(minto)
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2017年09月01日08時35分~抜粋

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