夏の暑い時期、鉢植えの水やりはどういうタイミングで行えばいいのかと悩むことはありませんか?
今回は「夏が来るたびにいくつもの鉢植えをダメにしてしまうことがたくさんありました」という火曜アシスタントの原田裕見子が、水やりの基本の基本について、お花の専門家・スタジオハイムの「おうち花マイスター」本田るみさんに伺いました。
夏が来るたび、鉢植えをダメにしてしまうあなたへ
見た目以上に過酷な環境
そもそも、植木鉢やプランターの水やりは地面や庭に植えてある草花の場合と、何がどういう風に違うのでしょうか。
地面の状態は、夏や冬は土の中の温度が変わりません。
対して鉢植えは、入れ物の中に土を入れている状態なので温度が上下しやすく、水分もすぐ飛んでしまいます。
「そうですよね、鉢植えやプランターは限られた土ですもんね」と、納得の多田しげお。
鉢植えは人間からすれば扱いが楽ですが、植物にとっては過酷な環境であるという訳です。
お花が焼け死んでしまうのを防ぐ
「鉢植えはベランダに出していることが多いのではないかな?」と本田さんは推測します。
例えば、私たち人間は夏場のコンクリートの上は熱くて歩くことができません。
「アッチッチですよね」「アッチッチですよね」と呼応する原田と本田さん。
鉢植えをそのまま乗せた状態にしておくと、水やり以前の問題で焼け死んでしまうんだとか!
「お花も生きているので」
言われてみれば、至極ごもっともな話です。
スノコなどを敷いて一段噛ませるだけ、ちょっと上にあげるだけで違うので、まずはそこからスタートしましょう。
何時までOK?夏場の水やり
「カンカン照りの真っ昼間に水やりはいけない」とはよく言われていることですが、それでは夏場、朝は何時までなら水やりOKなのでしょうか?
実は意外に早く、朝7時前までがよいとされています。
この『多田しげおの気分爽快!!』でいえば、7時からの第2部が始まる前に水やりを終える必要があるということです。
それでは「朝の水やりを忘れちゃった!でもベランダの鉢植えはグッタリ」という場合はどうすればよいのでしょうか?
鉢植えであれば動かすことができるので、できれば戸外の日陰もしくは室内に避難させてください。
一時的に直射日光の当たらないところに移して水やりをすれば湯だたない、ということです。
これは、人間に例えると熱中症の人を介護するような状況と同じといえます。
受け皿の水は捨てる
ただこの「水をあげる」という匙加減が意外と難しいもの。
「たっぷり水をあげていたのに枯れてしまった」という経験がある方もいらっしゃるのでは?
植物も、根っこで人間と同じように息をしています。
受け皿を敷いた状態でたっぷりお水をあげると下にお水が出てきますが、その水をそのままにしておくと鉢の中がお水に浸かってしまっているのです。
沈んでしまうと息ができないので、お皿に出てきたお水は必ず捨てる必要があります。
お皿に水をためておくと、水やりを忘れてもそこからまた吸ってくれるようなイメージがありますが、それは大きな間違い。
根腐れの元になってしまうのでNGなのです。
少なめの水もNG
「じゃあお水は少なめにあげればいいの?」というと、そうでもないのです。
なるべく、受け皿に水がザーっと出るまでたっぷりと水をあげてください。
水を上の方にしかあげないと、上にしか水がないので根っこが育ちません。
たっぷり水をあげることは、汚れを出したり、空気を入れ替えたりするという大切な目的もあるのです。
すなわち
- 鉢植えはスノコなどに乗せて置き、朝7時までにたっぷりと水やりをする。
- 朝あげるのを忘れてしまった場合は、一時的に涼しい場所に避難させて水やりをする。
- 受け皿にたまった水は再利用せずに捨てる。
- これが夏場に鉢植えを健康にいきいきと育てるコツである、ということです。
今年の夏は、原田裕見子も鉢植えを枯らさず、秋を迎えさせてあげられそうです。
(minto)
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