夏の定番、冷蔵庫に必ず入っているのが麦茶。なぜ夏になると麦茶を飲むのでしょうか。
「麦茶」について。火曜アシスタントの原田裕見子が調査しました。
夏に麦茶は、歴史が非常に古く、平安時代には貴族たちがすでに飲んでいたそう。江戸時代には庶民も愛飲していたという話です。
こんなに長く夏に麦茶が飲まれてきた、科学的な理由や注意点をご紹介します。
「夏に麦茶がいい」3つの理由と簡単おいしい作り方。
麦茶がいい三つの理由
「味博士の研究所」の所長でAISSY株式会社の代表でもある鈴木隆一さんに伺いました。
夏に麦茶が飲み続けられる科学的な理由は三つあります。
① カフェインが含まれない
通常、緑茶・紅茶・コーヒーには、カフェインが含まれます。これを大量に摂取すると、不眠などの症状が起きます。
でも、麦茶は大麦が原料で、カフェインが含まれていません。夏の水分補給が必要なときに、たくさん飲んでもいいという利点があります。
② 血流をよくする
夏バテの原因は血流が鈍くなることです。麦茶には、それを改善してくれるアルキルピラジンという成分があります。麦茶を飲むと30分~60分後に血液がどんどん流れるようになる効果があります。
淹れたての麦茶が香ばしいのは、アルキルピラジンの香りだそうです。
③ 胃の粘膜の保護
胃の粘膜を保護してくれる、アラントインという成分も含まれています。夏は、胃が炎症を起こしやすくなりますが、それを防いでくれる成分があります。
原田は「夏は、冷たいものを食べすぎたり、辛いものを食べすぎたりということが起きがちですが、そういうことからしっかり胃を守ってくれるということです」と補足。
科学的理由がちゃんとあることに、多田しげおは「先人たちは偉かったね。経験的に知っていたんだね」としきりに感心します。
食事の前後にたくさん飲まない
麦茶を飲むとき、ひとつだけ気を付けたいことがあります。それは飲むタイミング。
食事の前後に大量に飲むのはあまりよくないです。たくさん飲むとアラントインという成分が胃酸の働きを抑える効能があり、消化を妨げてしまいます。コップ1杯くらいは大丈夫です。
水出しvsお湯出し、どっちがいい?
麦茶を作るには、便利な麦茶の紙パックがあります。それには、水出しでもお湯出しでもいいと書かれていますが、実際のところどちらがおいしいのでしょうか。
鈴木さんたちは、実験をして、それぞれの味覚、香りを比較したそうです。
その結果、センサーで計っても、実際に飲んでも、お湯出しの方がぐっと味にコクがありました。苦み、うま味、甘味もお湯出しの方が強いそうです。
麦茶のおいしさを引き立てる香りの成分を出すにも熱は必要です。
簡単おいしい麦茶を作る方法
ただお湯出しはけっこう手間と時間がかかります。
なるべく夏は火を使う時間を少なくしたいところ。そこで、いい作り方を教えてくれました。
コップ半分くらいの水を沸かして、そこに紙パックをいれ、1分間くらいぐらっと沸かせる。そして1リットルの水を入れて一気に冷まします。
これで、ほとんどお湯出しと変わらないくらいのコクが出るそうです。
原田が試してみたところ、「楽で、香りがよくて、おすすめです」とのことでした。
今年の夏は、この方法で麦茶をたくさん作って飲んでくださいね。
(みず)
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