19日、茨城県の久慈浜海水浴場に「ドチザメ」というサメが約30匹も現れ、翌日の20日は遊泳禁止となりました。
たまたまこの日は水温が低く、遊泳は禁止されていたため、人への被害はありませんでした。
ドチザメって、ホオジロザメなどと比べてあまり聞いたことがない種類のように思われるのですが、いったいどんなタイプのサメなのでしょうか。
このサメを捕獲して実際に調査されました、アクアワールド茨城県大洗水族館の魚類展示課長である小藤一弥さんに、多田しげおが伺いました。
海水浴シーズンに注意したい!サメのこと
ドチザメにはなじみがある?
まず、サメが出現した当日について、多田は「30匹も現れて、結構その日は大変だったのでは?」と尋ねます。
小藤さんは「そもそも遊泳禁止だったので、それほど大騒ぎではなかったようです」と答えました。
さらに多田が、ドチザメ「あまり名前は聞いたことがないですが、専門家にとってはかなりよく見ることができるサメなんだそうですね」と尋ねたところ、「(生息場所の)分布的には、北海道の南側から台湾あたりまでいます」とのことですので、日本近海では泳いでいてあたり前の種類のサメなのだそうです。
また小藤さんは、「結構、(生命力が)強いサメで飼育が簡単なため、日本の水族館で最もポピュラーに展示されているサメと言っても良いでしょう」と答えました。
私たちが水族館で見るサメは、実はドチザメが多いようです。
ドチザメの特徴は、体長は大きくても1.5mで、色はおおむね薄茶色。
形は、普通の魚と比べて尾びれは上の方が長いのが特徴的ですが、横から見れば、私たちがすぐに思いつくようなサメの形をしているそうです。
海水浴場にサメは普通に現れる?
映画などで人喰いザメのイメージが強いのですが、一番気になるのは、このドチザメは危険なサメなのでしょうか。
小藤さんは「絶対とは言えませんが、ほとんど危険性はありません」と答えられ、勤められている大洗水族館のダイバーも、今まで襲われたことはないとのことです。
「夏のシーズン、海水浴場で泳いでいると、こういうサメが現れても不思議ではないか?と思っておいた方が良いか」との問いに対しては、「心づもりとしてはその方が良い」と答えられました。
人を襲わない種類のサメからといって触ったりすると、どのような行動をするか予測できないためだそうで、いきなり触られるとサメの側も驚いて、実際に襲ってしまうかもしれませんね。
「一度に30匹もやってくるというのは、数としては多いものか?」という問いには、「ものの本によると実際にはありうるということですが、 今まで見つからなかっただけかもしれません」と語りました。
最後に多田は、「サメを近くでゆっくり見たい場合は、水族館で(見よう)ということですね」とまとめました。
今までサメの大群が海水浴場に現れたニュースというのは聞いたことが無かったのですが、普通に起きてもおかしくないということですね。万が一サメにあったとしても、珍しいからといって絶対に触らないようにしましょう。
(岡本)
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