後先を考えずに行動することを「無鉄砲」と言いますが、これはどこから生まれた言葉なのでしょうか。
早川敦子の問いに、パーソナリティの多田しげおは「鉄砲を持たずに相手に突撃することから?」と答えましたが、それではあまりにもストレートすぎてしまい、この記事も5行ほどで終わってしまいます。
では、無鉄砲の本当の語源は何なのでしょうか。
「無鉄砲」という言葉、鉄砲伝来以前に存在していた!?
90%もの人が知らない無鉄砲の語源
まずは街中で無鉄砲の語源について聞いてみたところ、以下のような意見を頂きました。
「鉄砲がないと戦ができない、次に進めない」
「攻撃ができず、自分が弱い立場になる」
「鉄砲なしで、熊などに立ち向かっていっても勝ち目がない」
アンケートを取った結果、90%が多田と同じような意見でした。
無鉄砲の「鉄砲」はピストルのことと思いがちですが、実は違います。
ここで多田は「火縄銃や種子島のような形?」と聞きましたが、形状のことでもありません。
語源について、岐阜私立女子短期大学学長の杉山寛行先生に伺いました。
漢文を読むのに必要なアレが無いから?
無鉄砲の語源には2つ説があるそうで、早川はまず「ほどほどの方」の説を紹介しました。
無鉄砲とは「『てんぽう』が無い」というところから来ているという説。
「てんぽう」とは、漢文で出てくる訓点(レ点や一・二点)のこと(点法)を指します。
例えば「春眠不覚暁」という漢文に印を付けることで「春眠暁を覚えず」と読むなどと、中学や高校で習ったことはありませんか?
訓点を付けずに漢文を読むのは難しいことから、訓点を付けず読む方法も分からないのに読み進むのは無謀という意味から来ているのではないかということです。
多田は「ほどほどの説、というのはわかるな」と、あまりピンと来ていないようでした。
鉄砲とは関係のない言葉が語源?
早川が次に「こっちの方が有力」とした説を紹介しました。
それは、「『てほう』が無い」という意味の「むてほう」という言葉から来ているのでないかというものです。
「てほう」は「手法」と書き、戦うための道具を何も持っていないことや、特別な技や手段などを用意していないことを指します。
多田は「鉄砲が説にはなってないの?」と聞きますが、その可能性はないと言われます。
実は「むてほう(むてんぽう)」という言葉、鉄砲が日本に伝来するより前から存在しているのです。
音が似ていてしっくり来そうな「鉄砲」の漢字を後から当てたことになります。
早川は「無鉄砲の語源が、鉄砲と関係なくてビックリした」という感想を述べましたが、それでコーナーの締めになるのかなと思いきや、最後に「夏休みが近づいてきたので、子供が無鉄砲な行いをしないように、親御さんは生活指導をお願いします」と、まとめました。
今回はまとめ方に策を練って臨んだのですが、「てほう」が効かなかったようです…。
(岡本)
関連記事